一般的なミウラ折りは、平行四辺形のユニットからなる展開図を折りたたむことで、全体が1つの動作で2方向に展開・収縮が可能な機構です。この技術は現在、折りたたみの地図や宇宙におけるソーラーパネル等に応用されています。
本研究では、このミウラ折りを応用して、長方形の紙を折りたたむことで自由な曲線を設計しました。ミウラ折りの折り線は等間隔で横方向に平行な線群と縦方向にジグザグな斜辺群から構成されます。この斜辺について、面内方向への変形は横方向に隣り合う斜辺同士の角度を、面外方向への変形は縦方向に隣り合う斜辺同士の角度を変化させることで、折りたたむと曲線になります。— 森山空良
折り線を平らに畳むための幾何学的ルール「川崎定理」がありますが、このルールから微妙に逸脱したパターンを強制的に平らにつぶそうとすると平面から脱して勝手に曲がり始めるという現象が起きます。この現象を応用して曲げ具合を自在にコントロールするプロジェクトです。— 舘知宏
ミウラ折りは、斜辺の角度を変化させることで、異なる2方向に曲げることができ、この2方向の曲げは組み合わせが可能です。そこで、ねじりを用いずに2方向の曲げ変形のみを用いて曲線を近似するために、曲面上の主曲率線という線をターゲットとし、曲面や空間曲線を作成しました。具体的には空間曲線としては螺旋、曲面としては楕円体とエネパー曲面を構築しています。— 森山空良
photo:Choku KIMURA