還り(かえり)廻る(めぐる)ご縁
院長 福間 義朝
(ふくま ぎちょう)
先日、ご高年のご夫婦が学院を訪ねて来られました。聞けば、旦那さんのお爺さまが本校の卒業生、それも1930年代にご卒業ということで、1928年に校舎が現在地に移転・新築されて間もない頃、この地で学ばれていたそうです。当時とは変貌したであろう校舎の中、お二人は講堂のご本尊前で思いを馳せながらお念仏申され、学院をあとにされました。
今、社会は目まぐるしく変化し、世間体だけの価値観で閉鎖しています。いまこそ、僧侶が伝えなければいけません。もう一つの世界観があることを。閉鎖された狭い世界が、広く輝く世界に転じられる教えがあることを…
この学院で、その教えに出遇って頂きたい。ともに教えを聴く法友に、出遇って頂きたい。時代が変わっても変わることのない、本当の拠り所となるものに出遇って頂きたい。あなたと学院をつないだのは、遠い過去から還り廻ったご縁だと思います。
本学院本科は、「得度講習会及び得度考査免除教育機関」「教師養成施設」として認定されており、本願寺派の僧侶・教師に必要な真宗学・仏教学をはじめ、宗教・歴史や、勤式・伝道等の実践的な科目を学ぶことができます。既に僧侶・教師である方や、他の仏教学院で学ばれた方にも、さらに研鑽を積んでいただける内容となっており、研究科進学に向けた力を蓄えていただくことができます 。
研究科は、仏教・真宗の学びを深めるとともに、あらゆる人々に真実信心と念仏者の生き方を正しく・わかりやすく・ありがたく伝えることのできる教師の養成を目的とする「教学・伝道課程」、本願寺派僧侶の勤式作法の技術向上のため、一般寺院などでの法要や仏事において正しい勤式作法を行い、その指導にも携わることのできる僧侶の養成を目的とする「勤式課程」の2課程を用意し、より専門性の高い教師を目指します。
浄土真宗の教えを伝えていく、次代を担う僧侶を育てる場所。それが中央仏教学院です。院長室の扉は、私が居るときはいつでも開けております。
…あなたが訪れてくれる日を、待っています。