人のこころを癒していく心理療法。
体の怪我であれば、どれくらいの重症度か、どんな治療が必要か、どれくらい治ってきているのかが目に見えてわかりやすいものです。
一方、人のこころは目に見えません。また、同じ言葉を言われてもそれに対する感じ方がさまざまであるように、こころは一人ひとり異なります。
そのようなこころを癒していく心理療法では何が起こり、どのように治療につながっているのでしょうか?
具体的には、以下のようなテーマに関心を持ち、研究を進めています。
・イメージを用いた心理療法の治療機序に関する研究(箱庭療法はなぜこころの治療法となる?箱庭を作ることで作り手にはどのような心の動きがある?)
・クライエントとセラピストの関係性に関する研究(クライエントとセラピストは対話をもとに心理療法を進めているが、両者は相手との関係のなかでどんな体験をしている?その体験はクライエントの心の変容とどのように結びついている?)
臨床現場での実践経験をもとにした研究も行っています。
現在は、糖尿病を抱える方への心理的ケアに関する研究をしています。糖尿病に罹患すると、病院で治療を受けるだけでなく、日常生活の中で食事、運動に気を付けたり、服薬、自己注射をしなければならないこともあります。また、糖尿病は一度かかると完治することの難しい慢性疾患です。糖尿病を抱えながらも、その人らしく生きていくことができるような、心理的アプローチについて研究しています。
また、児童養護施設での臨床経験をもとにした子どもや愛着、母子関係、家族関係のテーマ、高齢者施設や物忘れ外来での臨床経験をもとにした高齢者、認知症のテーマにも強く関心を持っています。
治らない病や簡単には変えることのできない境遇を抱えながらも、その人らしく、よりよく生きていくための心理的ケアについて、研究しています。
千葉の詳しい研究業績はこちら