死別後のグリーフ
親しみや応援の気持ちなど、メディアを通してつながりを持っていた有名人が亡くなった時、ショックを受け、悲しんだり落ち込んだり様々な気持ちを体験することは自然な反応です。
特に深く強いつながりを感じていた有名人が亡くなった時、身近な人を亡くした時と同様の反応が生じることがあります。大切な人やものをうしなったときに体験するさまざまな反応のことを「グリーフ」と言います。
こころの反応の例
大切な人や知っている人が亡くなったとき、私たちはいろいろな気持ちを経験します。人によって感じる気持ちはそれぞれで、その強さも人によって異なります。下に書いてあるようなこころの反応はあなた自身を守るための反応でもあります。自分自身やあなたの周りの人がどのような気持ちを感じているか考えてみましょう。つらい場合は無理をせず、信頼できる人やこころの専門家と一緒に考えてみるのもよいでしょう。
「ただただショックだ」「悲しいはずなのに何も感じない」(ショック・無感覚・麻痺)
「○○さんが亡くなって悲しい」(悲しみ・寂しさ)
「苦しい、しんどい」「どうしたらいいのかわからない」(苦痛や苦悩)
「亡くなったなんてうそだ」(否認)
「○○さんのことが恋しい」「もっと○○さんの作品を見たい」(思慕・切望)
「あなたに私の苦しみがわかるわけがない!」「なんで私を置いて死んでしまうの!」(怒りやイライラ)
「○○さんのいない世界では生きていけない」「希望がない」(絶望感)
「自分はもう何もできない」(無力感)
「これから何が起こるのかこわい」(恐れ)
「あのときにこうしておけばよかった」「自分が何かできたんじゃないか」(後悔や罪悪感)
「私のファン生活もこれで一区切りだ」「○○さんはもう苦しまなくていい」(安堵)
からだの反応の例
こころだけでなくからだにも、下記を例とするさまざまな反応・症状が生じることがあります。体調不良や、亡くなった有名人と同様の箇所に痛みや症状を感じる人もいます。
眠れない、夜中や朝早くに目が覚めてしまう(睡眠の問題)
食欲がない、食べ過ぎてしまう(食欲の変化)
疲れた感じがする、だるい(疲労感・倦怠感)
お腹の調子が悪い、お腹が空っぽな感覚がある(お腹の不調や違和感)
胸が苦しい、胸がつかえる
息苦しい、のどがつかえる
生活や行動の変化
行動や生活に変化が現れることもあります。そこから、自分自身のこころやからだの反応や変化にも気づくかもしれません。
うわの空で気づかないうちに行動している
ひきこもる
泣く
休みなく動き続ける
落ち着きがなくなる
そわそわする
その有名人にまつわるものを見たり聞いたりすることを避ける
人を信じられなくなる
有名人に関するものから離れられない
有名人の夢をみる