グリーフワーク
死別を体験してからできることの一つに「グリーフワーク」と呼ばれるものがあります。これには諸説ありますが、「大切な人やものを失ったときのこころやからだの反応に対する主体的な取り組み」ということができます。
「いつ、どこで、どのような形で大切な人をなくしても、その人が必要とするサポートを確実に得られる社会の実現」を目指している一般社団法人リヴオン(2021)は、グリーフワークを「亡くなった人に想いをめぐらせたり、自分の抱えているグリーフを表現したりすることを通じて、グリーフを抱えやすくすること」と定義しています。
下に示したのは、これまでの研究でわかってきたグリーフワークの一部に、有名人の死に関する知見を適用したものです。必ずしも取り組まなければいけないものではなく、選択肢のひとつとして参考にしてください。無理にしようとせずに、自分自身の状態や気持ちのペースに合わせ、やってみようという気持ちになったときに取り組んだり、安心できる人と一緒に取り組んだりしてみましょう。
その有名人を同じように知る人と
気持ちを共有しあう
気持ちを共有しあう
有名人との心理的なつながりを同じように持っているファンがいたら、気持ちを共有してみましょう。同じファンでなくても、あなたの有名人に対する気持ちを理解してくれる身近な人に話をしてみましょう。インターネットを使う場合には、「インターネットの使い方」を参考にしてみてください。
その有名人への思いを文章や芸術で表現する
誰かと共有しなくても、自分の気持ちを内側から外側に表現していくことは大切です。例えば、有名人への気持ちを手紙に書いてみたり、これまでの感謝の気持ちを絵などで表現したりしてみることは、グリーフとともに進んでいくことに役に立つかもしれません。
その有名人が大事にしていた
ものを大事にする
ものを大事にする
有名人の好きだった食べ物を食べたり、音楽を聴いたり、映画を見たり、熱心に関わっていた慈善団体に寄付したりしてみましょう。また、その有名人にゆかりのある場所を訪れてみるのもよいかもしれません。
その有名人との
ポジティブな経験を思い出す
ポジティブな経験を思い出す
有名人と結びついているポジティブな経験、つらいときを支えてくれた言葉、感銘を受けた作品、わくわくしたイベント、笑った映像、温かい記憶をたどってみましょう。
公式の喪の儀式に参列する
ファンが参列できる告別式やお別れ会が開かれる場合、お別れの時間を持ってみましょう。
思い出を振り返る
有名人に関するグッズを整理したり、アルバムをつくったりする時間をもつことも、グリーフワークになります。
亡くなった有名人とともに生きていく
有名人が遺したさまざまな作品やあなたの経験はなくなっていません。また、あなたが結んだ絆もあなたの中にあります。作品や思い出を通して、あなたが好きだった有名人との関係性をまた新たに結んでいき、生きていきましょう。