取り組むべき項目をまとめたもので、実践してきた内容のふりかえりをするためのものです。計画段階・実施段階それぞれですべきことと、未来向けてすべきことの合計8つの項目から成り立っています。
子どもたちが、社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を身につけられるよう、すべての学校において、児童・生徒・教員、保護者、地域、PTAなど、あらゆる人たちに理解され、学校の核となるキャリア教育プログラムが実施されている必要があります。
【基準項目】
児童生徒の成長・変化の状況を把握や課題を把握し、教職員の想い(意志)を反映させて、育成したい資質・能力(教育目標)を明文化している。
目標に合わせて、いつ・どのような学習活動をするか、キャリア教育の全体計画を作成し、キャリア教育に関係する教職員と共有している。
キャリア教育の全体計画・年間指導計画に関して、実施・評価を中心となって運営するカリキュラムリーダーを置いている。
キャリア教育を行うにあたって、学校長はじめ管理職が積極的にマネジメント(支援)を行なっている。
キャリア教育の全体計画・年間指導計画の見直しを1年ごとに行っている。また、学習単元においては、学期ごとまたは定期的に見直しを行っている。
キャリア教育の全体計画・年間指導計画に関して、ステークホルダーからのフィードバックを受けている。
児童・生徒が、地域社会や大人とのつながりを持ち、未来の自分と結びつけることが最も重要です。各学校が独自性を発揮しながら、地域全体で子どもたちの学びや成長を支えていくために、地域学校協働活動などのような、意見を出し合い学び合う関係づくりが必要です。
【基準項目】
キャリア教育の教育目標を設定するにあたり、地域や保護者想いや願いを反映させている。
キャリア教育の全体計画・年間指導計画、具体的な学習活動の様子を、地域や保護者と共有している。(学校WEBサイトに掲載している)
地域との連携に関する連絡会等を定期的に開催し、キャリア教育に関する協議を行っている。
教員と地域の大人がキャリア教育について共通認識がもてるような学びあいの場(PTAの講演会なども含む)を設けている。
教員が地域のリソースを活用できるような環境や仕組みを整えている。
キャリア教育は、小学校・中学校・高等学校等の学校種を問わず、学校教育活動全体を通して取り組んでいく必要があります。また、体系的・系統的に学ぶことができるよう、特別活動を中心に、各教科の特質に応じて途切れなく実施されることも重要です。
【基準項目】
教員は、それぞれの学年・担当の学習活動・行事などを、キャリア教育の教育目標にひもづけて計画している。または、教員はそれぞれの学習活動や行事がキャリア教育の教育目標とどのように繋がっているかを説明できる。
キャリア教育の取組みが学校全体として体系的・系統的に実施できるよう、学校全体または学年間をつなぐ担当教職員を配置している。
キャリア教育の取組みが学校全体として体系的・系統的に実施できるよう、教職員と学習方法などのノウハウ共有・情報共有を行なっている。
児童生徒の成長や変化を、学年間・教科間で共有する仕組みをつくっている。(例:キャリアパスポートの活用など)
情報共有・ノウハウ共有の環境を整備することを、教職員自身のノウハウ蓄積・指導力向上につなげている。
学校教育活動全体を通した取り組みとするために、教職員同士が協力し合える関係性向上の取り組み(意見交換の場や研修、その他)を行なっている。
学校教育活動は、一人ひとりの多様性に価値を見出し、大切に扱う配慮が必要です。子どもたちがその子らしく学べていない状況は、子どもに障害があるのではなく、学習環境に障害があると捉え、一人ひとりの実情に合わせて、可能な限り障害を取り除き、改善を図る必要があります。
【基準項目】
児童生徒ひとり一人の学習環境・ニーズ・特性にあわせた支援を行うために、学校教育活動の指針として「学習者中心である」というスタンスを明確にしている。
児童生徒ひとり一人の学習ニーズや特性を把握し、ひとり一人に合わせた学習方法を児童生徒本人に
提案している。
児童生徒ひとり一人の興味・関心から自身の将来・キャリアを考える機会を提供し、本人にとって必要と考えられる知識・技能を身につけるための方策を提案している。
全教員が、「児童生徒ひとり一人の学ぶ権利」「ひとり一人が異なる個性を持っていること」を尊重して学校教育活動(主にクラス運営)を行なっている。
児童生徒ひとり一人の学習環境を整える際に教職員の職務範囲を超える場合は、適切な専門家へのリファーを行っている。
すべての児童・生徒が、キャリア形成の機会を探求し、自分と社会とのつながりを知る、職場訪問、ジョブシャドーイング、職場体験、インターンシップ等の社会体験活動に取り組めるようにする必要があります。
【基準項目】
児童生徒のキャリア形成につながる学習活動・社会体験活動を、社会・職業・産業の現状・未来に触れる機会として計画実施している。
発達段階に応じて「社会体験活動(職場訪問、ジョブシャドーイング、職場体験、インターンシップ、ボランティア活動等)」を、各学年、年に1回以上実施している。
児童生徒のキャリア形成につながるよう、「集団の中で役割を担う活動」を発達段階に応じて学習活動に取り入れている。
児童生徒のキャリア形成につながるよう、「他者と協働する活動」を発達段階に応じて学習活動に取り入れている。
児童生徒が自分自身を探究したり、自分自身で探究したりできるよう、複数の職業・働き方の社会人との出会いの機会を、年に1回以上設けている。
地域産業のニーズや社会や産業界の変化に対応した職業・働き方の社会人との出会いの機会を、年に1回以上設定している。
子どもたちにとって、発達段階に応じた継続的なキャリア形成支援と未来への接続の支援が重要です。集団的指導であるキャリアガイダンスと、一人ひとりが抱える課題に対応していくための個別的で対話的なサポート(コーチング)の充実が必要となります。
【基準項目】
現代社会や産業の課題・職業・働き方、進学・就職に関する必要な情報を、発達段階に応じて児童生徒に提供している。
児童生徒が自身の持つ価値観・興味・関心と向き合うために、児童生徒との個別の対話の機会を年に1回以上設けている。(キャリアパスポートの活用などと合わせて)
現代社会や産業の課題・職業・働き方、進学・就職に関して、教員がキャリアガイダンスに生かすための必要な情報収集を行なっている。
個別的で対話的なサポート(コーチング)を実施するため、教員及び関係者向けの研修を実施している。
キャリアガイダンスと個別的で対話的なサポートを継続的・安定的に行うために、外部人材の活用など適切な体制を構築している。
このベンチマークは、日本の学校教育の「変化のフレームワーク」でもあります。その変化は正しく、そして、素早く行われなければなりません。そのために、子どもの学びのリフレクションを促すとともに、関わる大人も取り組みや活動内容について適切なタイミングでリフレクションを行い、改善に努めましょう。
【基準項目】
児童生徒のキャリア形成につながる学習活動・社会体験活動を通して得られる気づきや学びを記録し、児童生徒自身がふりかえる機会を日常的に設けている。(キャリアパスポートの活用など)
児童生徒のキャリア形成につながる学習活動・社会体験活動を通して得られる気づきや学びを、児童生徒自身が言語化する活動を日常的に実施している。
気づきや学びをふりかえる機会を、個別的で対話的なサポートと組み合わせている。
活動のリフレクションを適切な方法・タイミングで実施するための学習の機会を設けている。
キャリア教育は、子どもたちの未来に向けた教育活動です。集団活動・個人活動を問わず、子どもたちの行動をベースとしたプログラムの実施が必要です。また、学習成果のアウトプットだけではなく、未来に向けた創造的学習を組み込むことが重要です。
【基準項目】
子どもたちが、未来を想像し新しいものを生み出す経験の機会を設けている。
児童生徒の興味・関心が未来とどのようにつながるのかが感じられる学びを実践している。
児童生徒の学びを創造的なものにするために、教員は児童生徒の自己決定を尊重し、試行錯誤を支援している。
教員が、創造的な学びの場の創出のための実践手法・実践事例についての情報収集・学習を継続的に行なっている。
学校の教育活動を創造的なものにするために、学校は地域や保護者が教員・児童生徒とともに学ぶ機会を設け、積極的参画を促している。