Resilience, Stewardship, and Cultivation
— 私たちは、災害に対する強靭さ(Resilience)を持ち、学校と地域の未来を担う責任ある存在(Stewardship)として、防災を日常に根づかせる文化(Cultivation)を育てていきます。
全国生徒会防災サミットは、災害という不可避のリスクに対して、事後的に対応するのではなく、事前に備える力=Resilienceを中高生自身が自らの手で高めていくことを目的としています。学校における防災教育は、多くの場合“受動的”な講義や訓練にとどまりがちですが、このサミットでは、生徒会という当事者が「主体的に企画し、提案し、実践する」経験を通じて、危機を想定し、それに向き合う“構え”を文化として定着させることを重視しています。自分たちの学校の課題に合わせてアイデアを出し合い、現実的なアクションへと落とし込むプロセスそのものが、未来への“しなやかな強さ”を育てるResilienceの実践なのです。
このサミットでは、生徒会が単なる行事運営の担い手ではなく、学校という共同体の「守り手」としての責任=Stewardshipを果たす存在であることを明確に位置づけています。防災とは、教師や行政のみに委ねられるべきものではなく、生徒自身が「未来を預かる存在」として学校の安全や地域の持続性に関心を持ち、関与していくことが求められます。本サミットはその意識を育てる場であり、災害の発生に備えるだけでなく、災害後の支援・復興にどう関わるかという“責任の想像力”を培うことを目指しています。未来の学校・地域のために行動する――その自覚と倫理が、Stewardshipの核心にあります。
防災を一過性の学習や行事ではなく、日常の文化として根づかせる営み=Cultivationこそが、本サミットが最も重視する価値です。「防災の日」や避難訓練だけでは、防災意識は継続的に育ちません。そこで本サミットでは、参加者が自校の現実に即した企画を立案し、持ち帰って実践することで、学校ごとに防災文化を“耕し”、育てていく起点をつくることを意図しています。また、秋の「DAY4」開催や常設コミュニティの構想などを通じて、単発のイベントではなく継続的な対話と共有によって文化を更新し続ける仕組みを構築しています。Cultivationは、そうした長期的視野と内発的動機に根ざした“文化の創出”を象徴するキーワードです。
全国生徒会防災サミットは、「中高生の防災意識を高めたい」というNSF PROJECTsの原点と、「生徒会における内務活動に還元できる外務活動を創りたい」という生徒会会談の理念が出会って生まれた、新たな一歩です。防災は、特別な立場の人たちだけが担うものではありません。どんな社会課題よりも“いまこの瞬間”に起きうるものであり、私たち自身の命や暮らしを守るための“自分ごと”として向き合うべきテーマだと思います。
正直に言えば、私の通う学校でも、これまで生徒会が防災に関して本格的に取り組んできたとは言えませんでした。文化祭や体育祭と比べれば、防災はどうしても“地味”で“仕方なくやるもの”として扱われがち(もしくは、話題にすらならない)です。しかし私は、小学生から続けているボーイスカウトの活動の中で、防災意識とは「誰かに与えられるもの」ではなく、「自ら築くもの」であることを学びました。「そなえよつねに」――この言葉に込められた精神は、決して一人だけの話ではなく、仲間とともに、社会とともに実現していくものだと信じています。
このサミットは、ただの一過性のイベントにしたくありません。集まった中高生が「今日は良い話を聞いたな」で終わるのではなく、それぞれの学校に戻って、自分たちなりの防災アクションを考え始める。そんな循環を生み出したいのです。「防災サミット」は一年に一度、決められた日にだけ考える“特別な日”ではありません。日々の行動の選択肢に自然と溶け込むような、“習慣”であり“文化”であるべきだと思うのです。
そのために、私たち運営チームはこのサミットを単発で終わらせず、継続的に開催することを目指しています。次なる一歩として、秋にはDAY4の開催をすでに企画中です。また、イベントの枠を超えて、生徒会同士が日常的に防災について語り合える常設コミュニティの設立にも取り組んでいます。そこでは、地域も、学校の規模も、学年も問わず、誰もが“防災”という共通の関心を起点に学び合える場を目指しています。
最後になりますが、この活動が広がっていくには、皆さん一人ひとりの関心と行動が必要です。全国生徒会防災サミット、そしてNSF PROJECTsと生徒会会談の活動に、これからもどうかご理解とご協力を賜れれば幸いです。
全国生徒会防災サミット2025実行委員長
久保 壮太郎