私たちが暮らす日本では、地震や豪雨などの自然災害が避けられない現実として存在しています。その中で「防災」とは、単に備蓄や避難訓練を行うだけでなく、自分や周囲の命を守るための知識と行動を備えることを意味します。近年、「防災」は専門家や行政だけの問題ではなく、地域や学校に生きるすべての人にとっての「ジブンゴト」として捉える必要性が強調されてきました。
そうした中で、学校の中で重要な役割を果たし得る存在が「生徒会」です。生徒会は、学校内での意見集約や行事の運営などを通して、多くの生徒に影響を与える力を持っています。もし、生徒会が防災に真剣に取り組むならば、学校全体、さらには地域社会にも大きな変化をもたらすことができます。 例えば2011年の東日本大震災では、岩手県釜石市の小中学生が日ごろからの防災教育を活かして迅速に避難し、約570人全員が無事だったという「釜石の奇跡」が知られています。この奇跡を支えたのは、「自分の命は自分で守る」という意識と、「助けられる人から助ける人へ」という文化でした。 生徒会は、このような意識を学校全体に広げることができます。避難訓練に参加する姿勢を変える、防災マップを生徒と一緒に作成する、災害時の行動について話し合う場を設ける――こうした取り組みは、すべて「ジブンゴト化」への第一歩です。
また、生徒会が地域の防災訓練に参加したり自治体と連携した防災プロジェクトを提案することもできます。生徒の声が行政に届くことは、共助や公助の力を強めることにもつながります。 つまり、防災を自助・共助・公助の三本柱で捉えるならば、生徒会はその中心に立つことができる存在です。大切なのは、生徒一人ひとりが「防災は自分のことだ」と実感し、行動を起こせるように促すこと。生徒会はその旗振り役として、今後さらに大きな役割を担っていくことが期待されます。 防災の主役は、特別な誰かではなく、私たち一人ひとりです。そして、生徒会はその「一人」をつなげ、動かす力を持っています。だからこそ、今、私たちの学校から「防災の文化」を育てていきましょう。