■試合の注意事項■
〇攻守交代時に投手のボールを手渡すのは控えましょう。プレートの上に置いておくこと。
■ (事例)交流大会において、攻守交代時に3塁手の守備交代があり、1アウト後に攻撃側監督から「3塁手はオーダー表に載っていない。登録外選手の出場であり、没収試合になるのではないか。」
■(解説)2023.12.26アマ規則委員会通達〔没収試合防止に向けて〕があり、(3)ケース1:試合前に誤記に気が付いた時、ケース2:試合中に誤記が判明した時。 「ただし上記…」以下を参照すること。
■2023.12.26アマ規則委員会通達〔没収試合防止に向けて〕■
ⅷ7 アマチュアでは、登録外選手が試合に出場した場合は、没収試合とする。ボーイズリーグでは、"登録外選手”とは、試合前に提出されている「登録役員選手名簿(25名まで)」に記載のない選手をいう。“オーダー表(20名以内)”ではない。自チームの所属選手(登録役員選手名簿)に記載があり、オーダー表に間違って記載されていなかった場合には、没収試合としない。
■【日本少年野球連盟主催大会規定】■
1. チームの登録選手 中学生の部は11 名以上25 名以内(ベンチ入りは20 名以内)、小学生の部は9 名以上20 名以内とする。
2.出場選手はその大会の登録締め切り日現在連盟への登録済みの者に限る。
4. オーダー表記入選手20 名以内およびチーム責任者、登録された監督、コーチおよびマネージャーのみベンチに入ることができる。
〇「オーダー表」には記載がないが、「登録役員選手名簿」に記載がある選手が出場した場合の処置は、【試合前】ベンチから退去させる(明らかなミスは訂正させる) 【試合中】選手を交代させ継続する(当該選手はベンチから退去) 【試合後】プレイは有効であるので、試合は成立する。
■(事例)前日サスペンデッドゲームとなり、本日ゲームを再開した。前日学校の行事で欠席していた選手が再開後に選手交代として守備についた。選手は「登録役員選手名簿」に記載があり、前日は欠席届も出されていた。プレイ後開始に攻撃側監督から「前日のオーダー表に記載のない選手が出場した。登録外選手の出場で没収試合ではないのか。」
7.02 特別継続試合(サスペンデッドゲーム)・没収試合(フォーフィッテッドゲーム)
BLでは、試合を開始し、正式試合になる前(4回が終了しない場合)、又は4回を超えて同点の場合に、雨や、暗さ等で試合続行できないときは、「特別継続試合(サスペンデッド)」として、後日、同じ状況で再開する。
再開するときは、開始と同じく整列、プレイをかける。メンバー表(守備位置と打順のこと)、ボールカウント、アウトカウント、走者、投球数、選手交代も継続する。なお、再開当日は、登録選手でメンバー表に新たに記載した選手は出場を認める。
7.02c:試合続行は、元の試合の停止された個所から再開。両チームの出場者(守備位置)と打撃順は、停止された時と全く同一にする。規則によって認められる交代は可能。停止試合にいったん出場して他の選手と変わって退いた選手は続行試合に出場することはできない。停止された試合のメンバーとして登録されていなかった選手でも、続行試合のメンバーとして登録されれば、その試合には出場できる。さらに、続行試合の出場資格を失った選手の登録が抹消されて、その代わりとして登録された者でも、続行試合には出場できる。
※なお審判員マニュアルの注:ⅷ5の例1~4までは全軟蓮の特別規則である。
■ 継続試合の再開方法について ■ (by Hide)
■(事例)攻撃側ベンチから、投手が投球動作を開始したときに、「走った」「ゴー」「おい」「わ~」などの大声が出された。守備側監督から「投球動作に入ったときの大声は、規則違反ではないのか。」
【(一財) 全日本野球協会(BFJ)規則委員(事務局より)回答 2022.09】
【質問 】投球動作に入ったときに攻撃側ベンチから大声を発することについて
【回答】いまだにこのような無知なことをする指導者がいることに寂しさを感じると共に、アマチュア野球規則委員会としても野球規則の正しい理解の普及・広報活動をしなければならないと感じております。
投球動作に入ったときに大声を出して「走った、ゴー、おい」などと走者に対して言うことは、明らかに投手を動揺、威嚇、緊張など本来の投球動作をさせないようにする意図があると思います。これは、公認野球規則の6.04a(3)に規定されている「言葉と動作で明らかに投手にボークを行わせようと企てること。」に該当します。ペナルティ:審判員は反則者を試合から除き、競技場から退かせる。なお、投手がボークをしても無効とする。
8.01(d)審判員は、プレーヤー、コーチ、監督または控えのプレーヤーが裁定に異議を唱えたり、スポーツマンらしくない言動をとった場合には、その出場資格を奪って、試合から除く権限を持つ。
スポーツとは、本来、良き仲間、良き相手がいて、お互いがルールとマナーを守り、そして、試合を規則に則りコンダクトする審判がいて、初めて球場にいる皆が試合を愉しむことができるのです。大学選手権でもルールに抵触する違反がありましたので、球審から指導して止めさせました。
指導者の中には、「走者に言っているのだと」と主張される方もいられますが、ベンチの声を聞いてから走者が走りはじめるのと、走者が自分の目でみて走り始めるのでは、どちらが早いかは明らかです。
さらに「投球動作を開始したら声を発してはいけない。」ことのもう一つの理由は、第三者からの情報を得て打撃をすることを止めさせることもあります。これはマナー違反なのです。日本野球で以前は、コースや球種をベースコーチや次打者が声を出して「イケ、イケ」「狙え、狙え」とか「見て、見て」などとチームでコースや球種を打者に伝える行為が目に余る時期がありました。ある国際大会で日本とアメリカが対戦した時のことです。1回表、日本の攻撃時にこのようなことが起こり、アメリカチームから「このようなチームとは試合はできない」と批判を受けました。
※202303 他の中学野球団体・高野連では、2023年大会規定等で以下の文言が追加されています。我がリーグでも考えていきましょう。
【軟式野球連盟 競技規則】
11 マナーアップ
① 攻守交代の際に、控え選手がベンチを出て守備練習を見守ることを禁止する。
② 投手の準備投球に合わせて、先頭打者、次打者が次打者席で素振りをする以外、他の選手がベンチを出て素振りをすることを禁止する。
③ 投手が投げ終わった球種を、次打者他に知らせることを禁止する。
④ 投手が投手板に触れて投球位置についたら、投手の動揺を誘うような大きな声を発することを禁止する。
【一般財団法人日本リトルシニア大会規定細則】
(ベンチ内留意事項)
(27)相手チームや、相手方選手、審判員に対する野次等は、ベンチ内選手はもとより、応援者もこれを禁止する。なお、ベンチ及び応援者のマナーについては、大会役員及び審判員が監督経由で注意する。
(29)マナーアップ、スピードアップについて
① 試合中のマナーアップを図るため、以下の点を順守すること。
イ.得点した時、選手のリーダーが音頭を取り、声を揃えて手拍子する行為は自粛する。
ウ.本塁打を打った選手をベンチから出ての出迎えは禁止する。
ク.グラウンド整備中、キャッチボール及びバットスイングは禁止する。
コ.相手チームのエラーやボークなどを誘発するような言動は禁止する。例えば内野での守備が行われているとき「あるぞ、あるぞ」「あるよ、あるよ」など、相手野手のエラーを誘うような言動や「ボーク、ボーク」と相手投手の投球動作や投球に支障をきたすような言動を発してはならない。
大会運営上の留意事項【周知徹底事項】
⑺ マナーの向上について
④ 投手が捕手のサインを見たあと、投球関連動作に入れば、両チームのベンチおよびベースコーチからの声を控える(発声しない)。[捕手の動きでコースを伝える行為などを避けるため]
③ 走者およびベースコーチなどが、捕手のサインを見る行為、打者にコースおよび球種を伝える行為ならびに打者がベンチに投球のコースおよび球種を伝える行為を禁止する。このような疑いがあるときは、審判委員はタイムをかけ、当該選手および攻撃側ベンチに注意を与え、すぐに止めさせる。
⑦ 本塁打を打った打者や得点した走者の出迎えはしない。また、攻守交代時のベンチからの出迎えはしない。
■(事例)攻守交代の時に守備側控え選手がファウルライン近くまで出ていて、捕手の掛け声とともに声を出して戻ってきている。
【(一財) 全日本野球協会(BFJ)規則委員(事務局より)回答 2022.09】
【質問】公認規則の 5.10k、定義「ベンチ」について
(’回答)ベンチの定義12には、「ユニフォームを着たプレイヤーおよび控えのプレイヤー、その他のチームのメンバーが実際に競技にたずさわっていないときに入っていなければならない施設である。」と規定されています。そして、規則5.10kは、試合を円滑に進めるために規定されたもので、特例として「両チームのプレイヤー及び控えのプレイヤーは、実際に競技にたずさわっているか、競技に出る準備をしているか、あるいは一塁または三塁のベースコーチに出ている場合を除いてそのチームのベンチに入っていなければならない。」と規定しています。
「競技に出る準備をしているプレイヤー」とは例えばブルペンで投球練習をしているバッテリー、あるいは次打者席にいる次打者のことを言います。
日本では、習慣として行われていたインプレイ中にベンチ横でのファウルエリアで行われていたキャッチボールは、MLBや国際大会では厳しく規制されています。日本では、大学連盟、社会人連盟ではこのルールを厳格適用することにしています。
また、攻守交代時でも5.10kは適用されるものであり、攻守交代の時に守備側控え選手がファウルライン近くまで出ていて、捕手の掛け声とともに声を出して戻ってきていく行為は長年の習慣の中で始まったもので、規則の精神に反していますので、控えるようにしてほしいと思います。
ペナルティ:審判員は警告を発した後、その反則者を競技場から除くことができる。