【モーションコントロール、バックドライバビリティ、ハプティクス、ロボティクス】
減速機付きアクチュエータの逆駆動性向上手法
日本をはじめとした多くの先進国で、少子高齢化が顕在化しており労働者人口減少が問題視されている。本課題解決に向けて人間支援・協働作業を主眼とするロボット制御技術の開発が望まれている。モータで大きな力を提示するためには減速機が必要となるが、減速機によって摩擦の増大や慣性の増大が問題となり、人間を含む接触対象との間で柔らかい接触タスクを実現することが困難となっている。この問題の本質は減速機付きアクチュエータの低バックドライバビリティに起因する。本研究では、減速機付きアクチュエータが持つ低バックドライバビリティを解決する高バックドライバビリティ制御技術の開発、またアームロボットでの実証を目指す。
二剛性共振系に着目した安定力覚制御系
環境に対する安定な力制御を実現するために、環境モデルを考慮した二剛性共振系モデルを考案している。二剛性共振系モデルは力と速度の双対性に着目して構成しており、従来二慣性共振系の位置制御や速度制御で提案されている手法をほとんどそのまま応用することが可能になる。本研究課題では二剛性共振系モデルに着目して安定な力覚制御系を実現する手法を開発する。
仮想空間と実空間を融合する実世界アバターハプティックシステム(Real-world Avatar Haptic System: RAHS)
VR技術の進展が目覚ましく、実世界との融合の敷居が年々下がってきている。特にMeta Quest2を始めとするヘッドマウントディスプレイの普及からより現実的なものになってきている。本研究課題では実世界ハプティクスと仮想空間を連動してロボットを人間が操縦し、身体所有感を高めて実空間との垣根の無い操作性を実現することを目的とする、アバターハプティックロボットを開発する。
現在はMeta Quest3によるMRとの融合について開発中です。
ROSやUnity, Unreal Engineを活用したモーションコントロール, シミュレーション
自律的に動作するモーションコントロールの研究が注目されている。特に自動運転車や自動搬送ロボット等である。本研究課題では、近年注目されているROSやUnityを活用して自動走行・自立動作を実現するロボットの開発・研究を行う。
現在は、Mission Plannarと連携したシステム開発を行っている。
また、4脚移動ロボット(Unitree Go2)や自作の4脚ロボットを開発しており、4脚移動ロボットを活用した農業DX・省人化に関する研究やモデル予測制御による搬送制御、AI技術との連動制御についても検討している。
冗長マニピュレータを用いたバックドライバビリティ制御
人間の腕を模擬する7DoFマニピュレータに対して冗長性が持つ特有の特徴を活用して、高バックドライバビリティを実現するモーションコントロール法に関する研究を行う。また、可操作性楕円に着目して高効率なバックドライブ制御を実現する。
冗長マニピュレータとRealsense, ロボットハンドを用いたマルチモーダル機械学習とマニピュレーション
人間のような柔軟な動きを実現するには、マルチモーダル的に学習する必要がある。そこで、カメラ情報、位置、電流、力情報などをもとに、学習によってロボットマニピュレーションを実現する。⇔AI研究者との共同研究
【パワーエレクトロニクス、モータドライブ】
人間支援ロボットのための位置センサレスモータ駆動制御
人間支援ロボット, 特に人に装着する電動パワーアシストスーツなどは装着時の重量が問題視されており、より軽量化が求められている。また、モータによる電動アシストを行うためにはモータ本体の小型化が重要である。近年、位置センサレスモータドライブの技術発展により、位置センサレスによるモータの小型化が実現可能となっている。本研究ではパワーアシスト可能な位置センサレスモータ駆動方式の人間支援ロボットを開発することを目的として、位置センサレスモータドライブ技術と機械共振を考慮した位置センサレスモータドライブ技術の開発する。
非接触給電方式によるアシストロボットの駆動技術開発
移動ロボットやアシストロボットのように自由に装備しながら、機能を使用するためにはバッテリーが不可欠である。しかしながら、バッテリーは全体の重量増につながるため、軽量化のためには不向きである。そこで、近年盛んに研究開発が行われている、非接触給電技術を利用したアシストロボットの駆動技術を開発する。
電力計測システム構築に関する開発研究
近年、電力需給量が高まっているが物価高の影響によって電力需給量が契約電力量に迫り、切迫している。この問題に対処するために電力デマンド制御を実施する必要がある。そこで、本研究では安価に電力量をリアルタイムに測定し、契約電力内で電力デマンド制御を実現するためのシステム開発を行う。方法論としては大きく分けて3種類あり、低圧向けスマートメータ、高圧向けスマートメータ、クランプ方式による電力測定がある。低圧向けスマートメータと高圧向けスマートメータはBルート経由での取得法となるが、特に低圧向けスマートメータのBルートはWi-SUN方式によるスマートメータ電力値の取得が可能となっている。本研究では、低圧向けスマートメータに対してWi-SUN方式によるリアルタイム電力量観測システムおよび電力デマンド制御への拡張を目指す。高圧向けスマートメータも同様にBルートのEthernet経由でリアルタイム電力量計測システムおよび電力デマンド制御への拡張を目指す。クランプ方式電力測定においてはも同様にシステム実現を目指す。
再生可能エネルギーを活用した持続可能なメカノケミカル反応装置の開発
メカノケミカル反応を利用した化学反応手法は湿式および加熱式と組み合わせることが出来る上に、物理的な衝突・粉砕を利用する方式で試料を化学反応させるために原子・分子レベルで固有の反応を示すことが知られている。また、本手法は機械エネルギーから化学エネルギーへの変換によって与えられる化学反応方式であるため、近年注目されている。しかしながら系統電力を直接使うというカーボンニュートラル的問題を持つため、再生可能エネルギーを活用したシステム構築が求められている。本研究では、再生可能エネルギーを活用した持続可能なメカノケミカル反応装置の開発を目指す。再生可能エネルギーの切り替えのためにDABコンバータの研究や気象センサを活用した判定装置(AIによる天候画像判定システム含む)の開発も進めていく。
また、並行してコーヒーを転動ボールミルでジルコニアポット及びボールを使用して粉砕して、油分とうまみ成分の解析をしてメカノケミカル反応を応用した新しいコーヒー粉末化とおいしさの探求について電力×化学で進めていく。また、カシスの残渣を活用したフレグランス棒の作成と香料最大化など、様々な用途でDX化技術も展開する。
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