代表メッセージ
代表メッセージ
食肉は多くの過程を経て食卓にあがってきます。
私たちはその過程の一つである食肉処理施設で検査にあたっている公務員獣医師であると畜検査員です。食肉処理施設とは、主に牛や豚、緬羊等の哺乳類家畜を扱うと畜場とブロイラーや成鳥(採卵鶏)等の家禽を扱う食鳥処理場です。
当たり前のことですが、農場で飼養された、生きた(命ある)牛や豚、ブロイラー等が運ばれ、食肉として処理、加工されます。その処理とはとりもなおさず命を奪うことです。私たちはたくさんの命を糧にして私たちの命をつないでいます。
アニマルウェルフェアとは「動物が生きている間は心身ともに良い状態を保てるよう配慮する」という考え方です。命をいただくわたしたち人間にとって、「配慮しよう」ではなくて「配慮しなくてはならない」ことだと思います。
食肉処理施設での命ある家畜、家禽の取扱いについては、日本では今まであまり取り上げられてきませんでした。衛生的に処理し食肉に処理するということ、家畜や家禽に苦痛を与えないように取り扱う、この二つは食肉処理施設では大変大事なことです。衛生的観念に比べると、家畜の取扱いへのと畜検査員の関りは希薄である、ないがしろにされてきたと、私たちの勉強会は始まりました。
分からないことや知らないことがたくさんある中で、私たちは少しでも多くの情報をつめ知識を蓄積し意見交換を積み重ね、施設や取扱いの改善に活かしたいと考えて勉強しています。家畜や家禽の取扱いを改善することは、そこに関わる私たちと畜検査員や施設の作業者の体の負担や心の重荷を軽くすることでもあります。
日本では食肉処理施設の運用に関する法規の中に、家畜や家禽に関する明確な項目やガイドラインは存在しません。繋留所(家畜を待機させる場所)に飲用水設備が設置されていないと畜場もあります。現在、私たちの取り組んでいることの一つにガイドラインを作成があります。多くのと畜検査員や関係者が参考にできるような内容になることを願って話し合っています。
私たち、獣医師であると畜検査員が協議を重ね、食肉処理施設でアニマルウェフェアの観点から話し合う場を設け、情報を発信することが、食の不可欠な過程として食肉処理施設が社会的に認識されるために、必要であると考えています。
食肉処理施設のアニマルウェルフェア勉強会
代表 奥野 尚志 (獣医師・と畜検査員)