明け方までの激しい雨風が収まって、陽射しを感じ始めた午後、会員の発表と中村先生の講座が始まりました。
会員の家族や知人はもちろん、興味を持っておいでいただいた方々で観客席もほぼ埋まりました。
さて、日ごろの成果はいかんなく発揮されたでしょうか?
古名は「相生」「相生松」。松を譛美する詞章が聞かせどころ。テンポの早い神舞を舞うさっそうとした神姿が見せどころ。「高砂」「羽衣」とは知名度において能の双壁で共にのどかな春の曲です。
法然上人が加茂明神にご参詣のおりに拾い育てた敦盛の子が、亡くなった父に会いたいと願い津の国生田の森へ赴く。父敦盛の霊が現れ物語する。 「栄華をきわめた平家一門が花の都を追われ西海へ。慣れぬ旅の道中、須磨の山路の一の谷、生田の森に。ところが範頼や義経の軍勢が攻め寄せ、平家の運も尽き皆ちりじりに成り果てて自分も身を捨ててしまった」 重々しく、表現したいと思います。
渋谷セルリアンタワー能楽堂にて2月に金春流の仕舞いの会が開かれそこで玉葛も演目の一つとなっておりました。これはぜひ自分のものにしたいと思い稽古いたしました。源氏物語を上手く取り上げた美しい作品です。聞いていただければ幸いです。
古戦場八島(屋島)を訪れた旅僧の前に現れた義経の亡霊を演じます。死後修羅道に堕ち、永遠に戦い続けなくてはなりません。いかにも武士という型が次々と出てきて、 稽古の際は いつも慌てていいかげんに動いてしまいます。一つ一つを正確にできるよう、落ち着け落ち着けと念じながら挑戦します。
生まれて初めての仕舞いの「七騎落」です。ちょうど「鎌倉殿の十三人」が始まった時からの練習でした。石橋山の戦で負けて帰ってくる時に、舟から降りた一人が、後続の舟に助けられ無事に帰ってくる、という大団円の物語だそうです。助けたのは大好きな和田義盛。しかし、初めての仕舞いの所作も難しく、私の七騎落が仕上がった時には大河ドラマは家康になっていました…。なんとか明るく舞えますように。
「練習では、キビキビせず、酒に浮かれながら舞い謡うようにすることに、苦労しました。