SSS(スマート・サイエンス・スクール)の記事からあっという間に4か月経ってしまいました。いろいろとやることが多すぎて、サイトの更新がほとんど出来ないまま大晦日になってしまいました。来年は少なくとも月に1回は更新します、いや、したいです。。
8月の終わりには財団の授賞式に出席しました。9月は副担任をしている1年4組の研修旅行引率でつくばのJAXAと国立科学博物館筑波実験植物園に行ってきました。9月終わりから後期の授業開始、10月は体育祭、11月は卒業研究の中間発表、学会参加、12月はSSSの閉校式もありました。野球部の練習試合や審判講習会の引率もありました。
研究の方では、自分の論文が出せなかったのがとても残念ですが、共著論文が1報、著書が2冊出ました。資金面では今年は新しいテーマで2件の財団研究費に採択していただくなど、外部資金はなんとかなったので良かったです。目標の全員学会発表参加も出来ましたし、学生さんの優秀ポスター賞受賞もうれしい限りです。
年明けには卒業研究発表会も待っていますし、後期の定期試験もあります。来年もなかなか自分の研究に割ける時間はなさそうですが、なんとか実験を進めて論文としてアウトプットしていきたいと思います。
皆さまどうぞよいお年をお迎えください。
野球部の引率で上毛新聞敷島球場で行われた審判講習会に参加しました
本校では、中学生向けの体験実験講座として、SSS(スマート・サイエンス・スクール)を実施しています。昨年までは物質工学科が主催でしたが、今年から学校主催の行事となっています。通常、体験授業は午前だけとか、長くても1日で終わってしまいます。このSSSは複数回の日程で、1日だけでは体験できない実験をやってもらおう、というもので、様々な学科の先生方がテーマを出していただいており、今年度は全部で7テーマ開講されています。もともと時間がなくて私は開講しない予定にしていたのですが、生物系が少ないということで、急遽「身近な植物をDNA鑑定してみよう」というテーマを開講することにしました。8月第4週の集中開講です。
参加者の中学生のみなさんに植物の葉っぱを持参してもらい、3日間の日程で、DNA抽出、PCR、電気泳動を体験してもらいました。また泳動後のゲルから切り出し精製して私がDNAシーケンス反応を行い、実際に得られたデータを参加者に解析してもらいました。
急遽設定したテーマではありましたが、参加者のみなさんはとても実験操作が上手で、予想以上にうまくいきました。12月に閉校式があるので、そのときに成果を発表してもらうことになっています。楽しみにしています。
参加者のみなさんはとても実験操作が上手で、全員DNA鑑定に成功です
「地域産業界と群馬工業高等専門学校及び地方公共団体等との産学官連携により、技術交流促進等を図ることを目的」として設立された群嶺テクノ懇話会があります。群嶺テクノ懇話会様からの依頼で、研究内容に関するセミナーを行いました。いろいろな研究をやってきましたが、なるべく身近な話題にしようということで、次世代抗体の現状と応用、というテーマで話をしました。抗体は抗原に特異的に結合する分子で、免疫グロブリンというタンパク質で、抗体医薬品だけでなく、ウェスタンブロットやフローサイトメトリーといった生化学実験のツールとしても広く使われています。
近年、2重特異性抗体や武装化抗体といった次世代型の抗体の開発も進められています。私も前職ではいろいろな抗体の開発に携わってきましたので、どのような現状にあるかを説明させていただきました。
多くの学生さんが聴講しにきてくれて、質問もたくさんいただいたので、とても良かったです。なかなか研究の話を学生さんにする機会がないので、またどこかで話ができればと思います。
新規の内容の1時間のプレゼンはなかなかハードでした
蛍光顕微鏡は細胞の蛍光観察には必須の装置です。培養顕微鏡をセットアップしていましたが、赤色の蛍光が観察できませんでした。前職ではもともとキーエンスのBZ-9000を愛用してタイムラプス観察なども行っていましたが、機器更新のタイミングで、BZ-X700を導入しました(納入の翌月にBZ-X800が発売されたので、ちょっと萎えましたが)。自分の論文のFigureを撮ったのもこの機種で、最初の機器選定や付属品の選定に関わって管理者もしていたので、とても思い入れのある機器です。その後、BZ-9000がほとんど使用されなくなったため、高専に譲渡していただけることになりました。
1,2限の授業を終わらせた後、自動車で柏キャンパスまで顕微鏡を貰いに行き、日帰りで高専に戻って顕微鏡を設置しました。フィルター類はかなり劣化していますが、また水銀ランプも生きているので、しばらく使えそうです。忙しすぎてほとんど細胞使った実験が出来ていない状況ですが、機材が揃ってきたのでデータも出していきたいと思います。
台車の振動を危惧して手で運びましたが、重いです。。
群馬高専に着任して、1年経ちました。研究室のセットアップも進み、ようやく研究室らしくなりつつあります。昨年度は初年度のため学生配属なしで、完全ぼっち研究室だったのですが、今年度は専攻科生1名、本科5年生が3名研究室に所属して研究活動を行ってくれます。先輩もいない新しい研究室を志望してくれた学生さんに感謝です。
早速卒業研究のテーマについて、朝から打ち合わせを行いました。いろいろなテーマがあるので、できるだけ興味のある内容で進めてもらいたいと考えています。皆さん優秀な学生さんなので、今年度中に学会発表することを進捗目標に、頑張ってもらえればと考えています。
3月は雪が積もったり、31日は25℃以上になったりと、変な気象状況でした。4月は暖かくなりそうですが、どうなるでしょうか。着任した1年前を思い出しながら、管理棟のそばの八重桜の写真を撮ってみました。去年は満開でしたが、今年はまだつぼみですね。昨年度は論文を出せなかったので、今年はこれから咲くであろう八重桜のつぼみが開花する勢いで頑張りたいと思います。
東京大学の情報学環・福武ホールで開催された、精密測定技術振興財団の40周年記念講演会と研究助成の贈賞式に参加しました。今年度はほとんど出張がなかったので、久しぶりの東京出張となりました。
少し早めに東大本郷キャンパスに着いたので、学食で食べようと思ったら、第1食堂が工事中で閉店、第2食堂も大混雑で断念しました。初めて文学部の建物内にあるメトロ食堂に行ってみましたが、学内で精密工学会が開催されていたこともあり、参加者で混雑していましたが、こちらは座るところがありそうだったので、海鮮かき揚げ丼を食べて腹いっぱいになりました。
会場に入るまで全く知らなかったのですが、財団は精密工学会と深い繋がりがあったのですね。それで会期中に記念講演会が開催されたのだと、ようやく気付きました(遅すぎ)。精密工学に関するいろいろな講演があり、わからないことだらけではありましたが、異分野ということで新鮮な気持ちで拝聴することができました。
講演会後は懇親会がありました。異分野なので、知り合いの先生は全くいませんでしたが、採択されている高専の先生といろいろ話すことができました。また、少しでも研究に関係ありそうな先生方と名刺交換もでき、とても有意義な会にお招きいただいたことを感謝しております。
まだ論文に出来ていないテーマなので、来年度中必ず論文として発表する!と帰りの新幹線のデッキで立ってビールを飲みながら固く誓った次第です。引き続き頑張ります!
4年に一度の2月29日で、今年の2月ももう終わりです。年度末に向け、CO2インキュベータや顕微鏡カメラなど必要な備品類を導入してきたところですが、今年度最後の備品として、自動セルカウンターが納入されました。
細胞にプラスミドをトランスフェクションしてタンパク質を作らせる実験をよくやるのですが、前職ではバイオラッドの製品を使ってセルカウントしていました。現職では予算も限られていたので、当初はワトソンのセルカウンタープレートを使って手動で細胞数カウントをしてきました。来年度は授業だけでなく、学生指導や校務も増えるので、今年度より研究の時間がとれなくなるのは明らかで、少しでも時短になるものは積極的に導入しようという方針で、優先順位をつけて機器選定を行いました。
当初は中古のセルカウンターを考えていたのですが、色々あってサーモフィッシャーのCountess3を導入することにしました。オンラインで取り扱い説明をしていただいたのですが、使い勝手もよく、画像の保存もできるので非常に便利になりました。チャンバースライドが今のところ使い捨てなので少しコストはかかりますが、時間には代えられません。積極的に使い倒して、データを出していきたいと思います。
オシャレなタッチパネル式
細胞培養にあたり、細胞の形態を観察することはとても重要です。細胞の増殖具合を観察するのに培養顕微鏡は必須なので、独立を見越して前職時代に購入していました。蛍光顕微鏡としても使えるようにLED光源を増設し、後足りないのは記録するための顕微鏡用カメラでした。精密測定技術振興財団の研究助成に採択していただいたので、CO2インキュベータに加え、顕微鏡用カメラもこのタイミングで導入することにしました。
エビデントのCKX-53を使用しているのですが、純正のカメラは非常に高価なことと、そこまでのスペックは必要ないということで、使い勝手のよいものを探していました。こういうときに私がよくやるのが、他機関で入札されたものを調べることです。いろいろ検索したところ、神戸にある企業Visualix社の製品を導入しているところがあり、問い合わせしてみました。スペックも価格も自分の研究用途にはぴったりだったので、Visualix STD3と専用モニターのデモ機を貸していただき、使い勝手も確認してその日のうちに導入を即決しました。
忙しくてほとんど細胞培養は行えなかったのですが、納品までデモ機を貸していただけ、その間研究室見学に来てくれた学生さんに見てもらうこともできました。そして本日、無事納品となりました。
がん細胞の観察など、これで論文用のデータをとれるようになります。来年度に向けてアウトプットを増やせるよう引き続き頑張ります!
1台目の中古CO2インキュベータを導入したのが昨年10月でしたが、温度を変えて細胞培養したいのでなんとかもう1台導入したいと思っていました。幸いにも精密測定技術振興財団の研究助成に採択していただいたので、さっそく中古CO2インキュベータを購入することにしました。10月に購入した1台目は既に製造中止となった機種(もちろん壊れるまでは使えます)でしたが、今回は現行品が出品されていたのでそちらを購入することが出来ました。
問題は設置するスペースです。2段積みが可能な機種なので、両者を重ねられるかメーカーに聞いてみたのですが、残念ながら機種が違うと無理とのことでした。そこで作業台を新規に購入して、よく使う新しい方を上に、古い方をローラーベースに乗せて下に置くことを想定して配置を検討していました。耐荷重や高さ(洗濯機用のかさ上げ台を自腹購入)、奥行きなどは何度も計算して問題ないことを確認していたのですが、ローラーベースが作業台の脚の幅より微妙に大きいことを、ローラーベースを購入した後に気付くという凡ミス。結局、洗濯機用のかさ上げ台で古いインキュベータもかさ上げ、作業台もかさ上げすることでぎりぎりぴったり収まりました。ローラーベースしか購入していないのに、CO2インキュベータの移動までお手伝いいただいた代理店のみなさまに感謝です。
2台とも扉の向きが違うという中古あるある(ない?)も重なり、写真のように向きをずらして設置しました。今までドラフト内に仮置きされていた培養用のシェーカー3台ともインキュベータ内に入れて、ようやく完全体です。これでリコンビナントタンパク質をたくさん作ることができます。頑張ります!
早いもので今年度もあと2か月で終わりです。4月から卒研生が配属されるので、実験スペースを確保しようと、間借りしている測定室を整備しています。
この部屋には研究設備のところでも紹介している装置たちが置いてあります。遺伝子組み換え実験は隣の建物の共用の遺伝子実験室を使う予定ですが、それ以外の実験は他に場所がないのでこの部屋でやってもらおうと考えています。もともと共通の測定室ですので、パイプ椅子などは置いてありましたが、実験用の椅子がありませんでした。実験するにはパイプ椅子だとちょっと腰も痛くなるししんどいですよね。そこで、Chem-Stationの記事「快適な研究環境を!実験イス試してみた」も参考に、キャスター付きで高さが調節できて、ちょっとした背もたれがついているものを探して、サンワサプライのOAチェアを買うことにしました。病院の診察室でよく見るようなタイプですね。もう少し数があってもいいと思うのですが、まあまあ高いのでとりあえず今年度は2脚導入しました。
組み立ては簡単で、1脚5分もかからずにできました。実際座ってみましたが、座り心地もいいですし、高さ調節も楽々でした。自分もこの部屋で測定するので、頑張って実験データを出していきたいと思います。
実験机(左上にちょっと写っている)に合わせた色にしてみました
みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
元旦から能登半島地震、2日は羽田空港での飛行機衝突事故と大きな災害、事故が続いています。亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。少しでも早く平穏な生活が取り戻せることを祈念しております。
年末年始は遠出することもなく、家族でゆっくり年越しができました。年始には毎年元日に行われているニューイヤー駅伝も間近で見ることができました。高崎はだるまの街としても有名ですが、高崎駅前で開催された高崎だるま市にも行くことができました。食べ過ぎて体重が若干増え気味なので、節制していきたいと思います。。。
4日は学校は一斉休業ですが、今日から仕事始めということでプラスミド調製などしておりました。今年度も残り3か月、教育・研究にと頑張っていきたいと思います。
高崎だるま市の会場近くのビルに飾られていた干支だるま