条件が整い次第連鎖する大型イベント
シリアスなストーリーです。
帝国軍のある提督を中心に展開する深刻な事件。勝利の余韻に包まれた戦場の裏で、突如発せられた緊急連絡が彼の運命を大きく揺るがす。忠誠と復讐、策謀と悲劇――帝国の権力構造と人の情が交錯するなか、彼はある決断を下すことになる。静かに始まったこの一連の出来事は、後に帝国史に刻まれる波乱の序章となる。
コテツ「皆、ご苦労だった。我々の完全勝利だ。戦闘配備を解除してくれ。」
副官「て・・提督。大変です!!提督の家宰殿から緊急連絡です。提督のご領地の惑星ロンメニャードで奴隷達による反乱が勃発。ご邸宅が叛徒どもに襲撃されたとのことです!」
コテツ「なんだと!?馬鹿な・・・。あ・・モモは!?大丈夫なのか!?」
副官「そっそれが・・・お嬢様は・・・叛徒どもによって・・・この報を伝えたあと家宰殿も身罷られました。お嬢様を守り切れなかったことを詫びておられました。自決です。」
コテツ「ば・・馬鹿な・・。うぅぅぅ・・・おのれぇ・・叛徒どもぉぉぉ。第5ニャー艦隊は任せるぞ。私はモモに会いに行く・・・。」
コテツは帝国貴族でもあったが、比較的人格者であり、奴隷に対しては格別厳しく当たっているわけでもなかった。ただし他の帝国貴族達による奴隷への虐待は常態化しており、恨みの矛先が貴族に向かうことは珍しくなかった。
早くして愛する妻を失った彼は目に入れても痛くないほど可愛がっていた純真無垢な一人娘が無残に殺されて黙っていられるわけがなかった。
その後、コテツ提督の消息がしばらくつかめなくなった。
トラツネ「コテツ、こんなところにいたのか。皆が心配しているぞ。」
コテツ「ふん。トラツネか、お前には関係ない。」
トラツネ「私にもご息女と同じくらいの娘がいる。もしお前と同じ立場になったら私とて冷静ではいられないだろう。人づてに聞いたぞ。ご息女は叛徒どもに目の敵にされて、とても涙なしでは語れぬ状況だったらしいな。」
コテツ「私は先ほど娘と会ってきた。あの状況下で娘の亡骸だけでも連れ帰ってくれた家臣達には頭が上がらぬ。それと同時に奴らへの怒りも抑えられん。私はこれからロンメニャードに向かう。ここは黙って見過ごせ。」
トラツネ「我が第6ニャー艦隊は対惑星破壊兵器コロッサスが帝都に移動する際の護衛任務を仰せつかった。コロッサスの起動コードは******だ。」
コテツ「どういうつもりだ?」
トラツネ「思えばお前とは常に反目しあってきたが今回ばかりはお前の気持ちが痛いほどよくわかるということだ。」
コテツ「トラツネ・・・。恩に着る。」
コテツの乗るコロッサスはロンメニャード軌道上に到達した。
そのまま攻撃態勢がとられ、コロッサスの外壁が開き、中から巨大な砲台が出現したあと、エネルギーが充填されていく。ロンメニャードでは急な襲撃により、市民・反乱奴隷ともども混乱を極めている。
コテツの私有艦隊が軌道上を警備し、逃げ出す船舶は全て有無を言わさず撃ち落した。
コテツ「憎き叛徒どもよ。怖いか?モモも怖かっただろう。それをお前達が・・・。滅せよ!」
コロッサスの凝縮されたエネルギーがロンメニャードを粉々に吹き飛ばした。
その様子を見届けたコテツはゆっくりと拳銃を頭に当て自決した。
「陛下、コテツ提督はロンメニャードを粉砕した後、自決なさいました。」
侍従が神聖女帝に報告した。
「そうですか。コテツ提督も早まったことを。たかが叛徒と共に星を一つ破壊した程度で自決する必要もないものを。惜しい人材を亡くしました。」
「実は裏にもう一つ話がありまして、トラツネ提督が最初の反乱の扇動とコロッサス強奪の手引きしたという調べが我が諜報部より上がっております。」
「ほぉ!前触れのない大反乱、侯爵家の私兵を打ち倒す叛徒達の武装。これには黒幕が居るだろうとは思っておりましたが・・・。確かにあの二人はいつも反目しあっておりましたね。つまり全てトラツネ候の手の内だったということですか?ふふふ、見事に政敵を排除しましたね。」
「罰しますか?」
「冗談を。これ以上提督を失っては我が軍の戦力が低下します。それに権謀術策など貴族の嗜みでしょう?・・・・こんな古典的な陰謀に屈するとは・・。わたくしはコテツ候のことを買いかぶっていたのかもしれませんね。コテツ侯爵家に全ての罪を償わせて家を断絶させなさい。そして先ほどの調査結果は他言無用です。第5ニャー艦隊の後任をトラツネ候に任せ、第6ニャー艦隊の後任も早急に選定しなさい。」
こうして一つの侯爵家が歴史から抹消された。