ー課題の対応事例
課題は基本的にロジカルに考えるトレーニングです。自分が対応できる(できそうな)フィールドで勝負することを心がけましょう。
なお、以下では日産自動車の例で仮説ベースで考えていますが、本当にその通りかどうかは深堀する必要は当然あります。
しかし、仮説ベースでシンプルに物事を捉えると、単純な分析自体は意外と簡単にできるものです。
① 調査対象の企業を決める
【ポイント】
- 有価証券報告書をベースで探すので、上場企業(絶対に有価証券報告書があるから)を対象にする。
- 調査対象の企業など指定がないなら、事業領域がイメージしやすい企業を対象にしておく。
■日産自動車 →クルマなので競合企業や業界がイメージしやすいので選定
② 当該企業の有価証券報告書を探す
【ポイント】
- Google検索ですぐに出てこなければ、対象企業をすぐに変更する(探す時間がもったいない)。
■日産自動車の有価証券報告書はGoogle検索で即検索できました
fr2022.pdf (nissan-global.com)
③ 有価証券報告書から事業領域を探す
【ポイント】
- 「事業」「事業領域」などで有価証券報告書を検索してみる。
■日産自動車の事業の括り:自動車、販売金融の2セグメントのみ(2022年有価証券報告書, p10)
④ 事業領域から各事業ごとの今期・前期の売上を探す
【ポイント】
- 「セグメント」「事業売上」「自動車事業」「販売金融事業」などのワードで有価証券報告書を検索してみる
■前会計年度 自動車事業:7,475,648 (百万円)、販売金融事業:1,031,729 (百万円) 2022年有価証券報告書 p.129
■今会計年度 自動車事業:9,686,842 (百万円)、販売金融事業:1,023,825 (百万円) 2022年有価証券報告書 p.132
⑤ 各事業領域の競合トップを探す
【ポイント】
- ①でイメージしやすい事業・市場の会社を選択しておけば、あまり悩まなくて済む
- 事業領域がわかりにくければ、その事業の特徴的な製品・分野の市場トップ企業を選ぶ
■自動車事業:トヨタが業界トップ
■販売金融事業:販売金融で業界トップを探すのが難しければ、国内金融トップ(三菱UFJ銀行)で仮置きする
⑥ 競合トップの当該事業領域の売上を探す
■トヨタ自動車:29,104,564(百万円:2022年)
■三菱UFJ銀行:2,557,193(百万円:2022年)
⑦ ⑥までのデータから市場成長率、相対的市場シェアを計算する
【ポイント】
- 授業で提示したとおり、正確に市場成長率・相対的市場シェアを調査するのは授業ではほぼ不可能なので、
仮説ベースで以下のとおり考える。
相対市場シェア→ 業界トップの事業売上と事業売上を比較
市場成長率→ 過去の事業売上から類推
■市場成長率 自動車事業:30%、販売金融事業:▲1%
■相対的市場シェア 自動車事業:33%、販売金融事業:40%
⑧ ⑦をベースに、PPMで分析する
■自動車事業 :問題児
■販売金融事業 :負け犬
以上