2020年

AMFデジタル 5号 (20201月)

【表紙】 マレーシアの結婚式

【運営部】 ニュース

【社会】 マレーシアにおけるイスラム教徒の結婚

 去年秋マレーシアにてイスラム教徒としての結婚体験記。モスクにてイマームの前でマレー語で結婚の誓いを立てて、認めてもらう。指輪やプレゼントの交換。結婚の衣装は、花婿花嫁ともにマレー系とイスラム教徒の文化が混ざった美しいもの。

【国籍】 ドイツへの帰化申請中 

 私の次女は出生届け(留保届)の遅れで日本国籍を喪失したが、これが自分のドイツ帰化申請のきっかけとなった。妻は日本人で長女は日独二重国籍だ。ドイツ国籍になった場合の利点 〇娘と一緒に行動できる 〇EU内の移動と労働の自由 〇滞在の安定性 〇参政権 〇その他:EUまたはドイツ内での法律的・社会的待遇の差の可能性に備えて 〇リスク回避 ……以上申請は功利的なものであり、感情的なものではない。自分にとって「国籍」とアイデンティティーは関係のないものだ。心情的には日本に愛着があるが、それと国籍は結びつかない。国籍に囚われて苦しむ必要はないのではないか。

【国籍・戸籍】 ZOOM講演:外国人妻の会との共催が実現

 外国人妻の会(AFWJ)は日本人男性と結婚した外国人女性の集まりで、その歴史は長い。今回は、元の国籍を持ったまま日本帰化を実現した方のお話だったので、AFWJの皆さんも誘って開催。それぞれのZOOMシステムで会員にお話を伝えた。

【国籍・戸籍】 ZOOM講演:アメリカ国籍を持ったまま日本へ帰化

 元国籍離脱が前提とされている日本への帰化だが、アメリカ国籍を保持したまま日本帰化を実現した人もいる。その動機と過程を詳しく語っていただいた。いずれの国でも外国人として生活することには限界があるという。

【国籍・入管】 複数国籍者に複雑化する出入国システム

 日米豪のパスポートを持つ息子が中国やアメリカに出入国した時に煩雑さを体験した。その裏には航空会社のコンピューターシステムが複数国籍保持者の想定がないのでは?と考えさせられたが、息子も単一国籍でいい、と言い出して親としては困惑している。

【パスポート】 別名併記のパスポートを持つ方、二重国籍の方へ

 別名併記の旅券、二重国者としての旅券、旧姓併記の旅券を持つ人は出入国の際トラブルに会う可能性があるが、これは現在世界中で旅券上、ビザ上、航空券上の3つの氏名が一致することが要求されることによる。また別名併記は必ずしも外国で知られているわけではなく、説明のために用意が必要な場合がある。

【旅行】 知っておきたい、未成年者の「渡航同意書」

 子どもがひとりで、または片方の親だけと旅行する時用意しておきたい書類。各国でまちまちだが、国際的子どもの連れ去りを防止しようとするハーグ条約の関係で両親の同意の元での旅行であるかどうかをチェックするもの。

【国籍】 国籍請願活動の勉強会

 12月17日に、長く続いている国会への請願書活動について関心のある会員に、広く今後の活動への理解を深めようと勉強会が開かれた際の報告。請願提出の仕組みや署名を集める際の注意事項などについての説明と、国籍法の疑問点などについても答え、今後の運動の仕方について、Zoom参加の先輩会員からのアドバイスも届けられた。メディア等で重国籍についての関心が高まっている今こそ、立法府である国会議員に直接コンタクトできる国会請願の活動方法は今後も是非続けていくことが大切であることを確認しあった。

【入管】 タロウとハナコのドッキリ漫談 「ゴーン氏のパスポート」

年末年始話題になったC.ゴーン氏だが、パスポートは4冊も持っていたことがわかった。しかし日本にいる外国人は本来在留カードだけで十分ではないか、と疑問に思うハナコが入管に詳しいタロウに尋ねてみた。タロウは逃げようと思えばそれは可能で、身分証明書有無の問題ではないという。

【グループ紹介】 「ベルリン女の会」はこんなグループです

 今年結成38年を迎えた。毎月1回定例会を開き話し合う。始まりは日本の国籍法だったが、活動のテーマは年と共に増えていき、各国の女性たちや環境団体との連帯が進んでいった。加齢の影響が活動に出てきているのは否めないが、それでもやることはあるはず、と頑張りたい。

【アート】 あいちトリエンナーレに寄せて(3)最終回

 昨年大きな話題になった芸術祭「あいちトリエンナーレ」への参加レポート最終回。結果的には来場者は過去最高だったので次回に繋がるが、アートととはなにか、行政の果たす役割は何か、など多くの疑問を投げかけるものとなった。

【税】 スウェーデン:SMSで確定申告

 スウェーデンでの確定申告は実に簡単。最初の年だけ銀行口座の登録があるが、後はすべてSMSで用が足りる。

【旅行】 ジャパン・レール・パス 話題2点

 外国から日本を訪れる外国人や在外邦人が利用できるJR乗車パス。利用資格や条件に注意しよう。またこのパスがwebからも購入できるようになる。

【地域の会】 東日本新年会報告

 1月19日新宿にての新年会には海外3名を含む10人が参加した。落ち着いた雰囲気の場所で会員間の交流ができた。

【訂正記事】 4号裁判報告記事:お詫びと訂正

 原告団弁護士のコメント「今の訴訟の裁判長、裁判官の交代は、去年の1月からで、判決まではこの裁判官たち(裁判体といいます)は代わらないと思われます。」

AMFデジタル 6号 (20204月)  

特集「新型コロナウイルスと私たち」


【2020年度運営部よりお知らせ】

・会の新名称:AMF2020

・名称変更の理由:会の構成変更に伴い、会全体の意識を変える必要があった。これからは世界中の日本人とその身近な人たちと共に大きくまとまって一緒にやっていこう、という意思表明である。

・会の構成……会員とは、会の趣旨(新HPに明記)に同意して会費を払った人。AMF2020の会員は基本的特典(一斉送信のお知らせ・会報・オンラインイベント・他団体催しへの参加)を享受する。担当は運営部。会員は、その上に目的別に結成されたグループに任意で参加できる。複数参加も可能。全く参加しないでもよい。会の決議機関は、運営部と各グループの代表1人から構成されるその年度の委員会である。

・2020年度グループ募集日程……どの会員も、一人の単位から自分のグループを立ち上げることができる。事務作業などすべてオンラインで行うことに同意した上とする。

・2020年度会費……額:全会員一律2500円、振り込み口座ご案内

・年会費納入方法 「コロナで外出・旅行ができない今、どうする?」

→ランキング!年会費の振込手数料どこが安い?……国内:インターネットがお勧め。ゆうちょ銀行同士の振り込みなら無料。

→おススメの海外送金仲介会社 TransferWise……国内送金並の手数料で送金できる。コロナウイルスで日本に帰国できなくても大丈夫!

【新ホームページ誕生!】 https://amf2020.net/

 4月1日新しいホームページが誕生した。旧体制から脱却したことを明確にし、会員の受ける基本的特典の保証と、グループ単位の活動の自治を保障するものにした。その上で外部とも連携して繋がっていこうとするポリシーを打ち出している。現在ホームページは最小限のコンテンツであり、これから徐々に増やしていく。

【アンケート/会報読めてますか?】

 回答率は、会のアンケートとしてはかなり高いものになったが、集計作業が遅れている。アナログの方たちはそれなりのライフスタイルを持っている反面、メールアドレスがあっても会報を読んでいない方たちがいることが判明した。この解決を今年度の最優先課題としたい。

【新入会員自己紹介】

【新型コロナウイルスによる日本国籍喪失を防ごう!】

・会報表紙画像の説明……上=コロナウイルスの世界的蔓延が、海外ですでに生まれた&これから生まれる子どもたちの日本国籍喪失に繋がる可能性があること喚起したもの。下=日が経つにつれ、各国とも外出禁止令が厳しくなり、郵便事情も悪化、これは絶望的!と思っていたところ、法律専門家のアドバイスがあり、呼びかけ内容を急遽変更した。いずれも会としてフェイスブック・Twitterに投稿した。

・海外で生まれる子どもの出生届けは3ヵ月が期限

届けないと二重国籍の子どもは日本国籍を失ってしまう! コロナ危機の現在、対策は「期限に間に合いそうにない場合、届出遅れの証明を自分で準備する、新聞・雑誌をスクラップ、テレビ・ラジオをCD/DVDなどに記録、自分で日記・メモをつける、など」

・上記の情報を至急海外の日本人たちに伝える必要がある。現地の日本人の集まりに連絡をとり、メンバーたちに伝えていただくつもりである。

・国籍留保制度(国籍法12条)を考える……ある会員の国籍に関する記事(会報5号)を読み、あまりに簡単に起こる国籍喪失にショックをうけた数日後、同じく届出の遅れで日本国籍を喪失したという友人の孫のニュースが悲しみと共にもたらされた。ところが、話をしたスイスやドイツの友人たちの反応から、国籍に対する概念の違いに気づかされた。国籍とは?アイデンティティとはなんだろう?私たち日本人が理性的に割り切れないのはなぜか? 二重国籍を認めない12条の存在とそれが厳格に履行されることに驚く。しかし、それを支持しているのは現在の日本社会であることに思い至った。必要なのは私たちの意識改革ではないだろうか。

【新型コロナウイルス:人・モノの流れを止める。通信の手段も!】

・国籍はく奪条項違憲訴訟第8回期 報告……ここにもコロナウイルスの影響が!3月5日東京地裁で原告本人尋問に立つはずだったスイス在住の方が、日本から戻った後に長期間の隔離状態に入らされることを懸念して帰国を取りやめられた。

・コロナウイルス!外国のおばあちゃんが心配、電話したい!……インターネットを使わない外国の方へ、安く電話する方法二つ

・海外からの年金受給手続きは可能、しかし!……コロナウイルスのこの時期、海外から年金受給手続きをしなくてはいけない人へ朗報。ここに、居住国から手続きを試みて成功した人がいる。この人にとって最大の障害は日本の役所の徹底したアナログ振りだったという。

・コロナウイルスと遺産相続:正しい知識が海外居住者には必須!……海外に住む会員たちが親の介護や他界に伴う諸手続きに悩まされている。コロナウイルス危機の現在では帰国もできなくなった。しかし、弁護士によれば、本人が帰国しなければ出来ない手続きは結婚と離婚だけ、後は弁護士に任せた方が経済的にも効果的にも良いとのこと。

【編集後記に代えて】

 NGOとしての2018年度までの会の体制を検証し、2020年度から誰もが動きやすい会に変わる鍵はどこにあるか考える。