アクセス

倉沢ってどこにあるの?

 倉沢里山は東京都日野市の東南端の「百草(もぐさ)」にあり多摩市の和田に隣接しています。また八王子市にも近く3つの市が交錯する場所に位置しています。昔からあった「倉沢」という地名は今では住居表示としては存在せず、わずかに地区の自治会とバス停の名前としてのみ残っています。京王線の「百草園」駅から百草園の山を越えて徒歩20分程、聖蹟桜ヶ丘駅と高幡不動駅の間を走るミニバスのちょうど中間点にあります。大きく捉えると京王線から南側に見える緑深い崖線から、東電学園のキャンパスを経て万蔵院台地に至り、北部多摩丘陵の東端に位置しています。

倉沢里山イメージマップ

倉沢里山アクセスマップ

倉沢里山の構成

 私たちが活動している倉沢里山は東電学園の南側に広がる山と雑木林そして田畑からなるいわゆる谷戸になっています。小さなエリアですが近隣の山がどんどん開発されて宅地化してしまった中でここだけになんとか昔の里山風景が残されており、日野市内最後の里山と言われています。倉沢ではまだ数軒の農家が農業を営んでいます。養鶏や日野市の支援によるリンゴ園やブルーベリー園で観光農園経営という新しい試みも定着しつつあるようです。

 東電学園の北側の谷戸(百草谷戸)では今でも乳牛を飼育している農家もあり、深く濃い緑が私たちをほっとさせてくれます。

また、最近倉沢に隣接する多摩市和田の緑地も保全されることになり、市民によるボランティア活動が始まっています。倉沢を中心に、百草山、多摩市和田の一体となった緑の保全活動を協力しながら展開していきたいと思います。

倉沢里山の自然

 ここ倉沢には東京都のレッドデータブックで希少種に指定されているような植物などがまだ自然の状態で息づいています。最近日野市が策定した「都市計画マスタープラン」でも、この地域は市民の里山として守り育て農に親しむ地域として位置づけられています。

 つい先日倉沢里山の一角が宅地化のため開発されてしまい現在は新しい住宅が立ち並んでいます。そこに残っていた貴重な野草やかくれたファンも多かった古い大きなこぶしの木も跡形もなく消滅してしまいました。私たち自身もそのようにしてここに住むようになったことを思いながら、少しでもこうした豊かな自然環境と貴重な植物や動物達をなんとか残しあるいは育てていきたいと願っています。

倉沢里山の歴史的背景

多摩丘陵の中の百草山、その南麓に広がる自然豊かな倉沢の里山は、同時に遺跡の多いところです。里山の中心に位置する万蔵院台は縄文時代の大きな遺跡で多くの石器や土器が散布し、古墳時代の小古墳も分布しています。中世~近世にはここに万蔵院というという修験(しゅげん)の坊(寺)があり、鬱蒼とした山林に囲まれた聖地となっていました。(現在の由木養鶏場)

また、庚申塔などの近世の宗教遺物もあり、歴史を体感できる場ともなっています。