『AEW: Fight Forever』インタビュー(2) <レスラー編>日米を股にかけて活躍するスモールモンスター!可憐にして最強な里歩選手にAEWやゲームについて聞いた!!

by 馬波レイ ライター

🕓 2022/11/07 17:00 更新

古今東西老略男女、さまざまな人種の参戦選手がリング狭しと活躍するAEW(オール・エリート・レスリング)。その中でもひときわ小さく、可憐で、それでいて強い日本人女子レスラーがいるのをご存知だろうか。

そのレスラーの名前は里歩。一見するとどこにでもいそうな20代の女の子だが、その実プロレス歴16年にして初代AEW女子王座という快挙を成し遂げた彼女に、現在のAEWについて、そしてテレビゲームへの興味について聞いた。

●里歩 プロフィール

AEW所属の女子プロレスラー(1997年生まれ)。驚くべきはそのキャリアで、AEWでも活躍するさくらえみの指導を受けて小学3年生でデビュー(相手は高橋奈苗)。小学生レスラーという肩書きは賛否両論がありつつも大きな注目を集め、その対戦相手の中にはAEW設立メンバーでもあるケニー・オメガもいた。2019年には長年所属していたプロレスリング我闘雲舞(ガトームーブ)を退団。AEWに参戦するや、3ヶ月という短い期間で初代AEW女子タイトルを獲得するという快挙を成し遂げている。

身長155cmと小柄ながらも、16年のキャリアに裏打ちされた的確な技と試合運びで観客を魅了。特に試合中盤で見せるダイビングクロスボディのフォームは美しく、強さと可憐さを持ち合わせたキャラクターは唯一無二の存在だ。得意技は蒼魔刀、くるくるリボン、ジャンピングニーほか。

■公式サイト:Small Monster
https://www.small-monster.com/

――『AEW:Fight Forever』をご覧になっての感想はいかがでしょうか?

里歩:自分がゲームに登場するのかはまだわからないんですけど、やっぱり選手の姿とか動きとかがリアルで臨場感がありますよね! AEWのリング上でいつも行われていることがゲームで再現されているのは不思議な感覚です。

――『AEW:Fight Forever』をプレイするならゲームでは誰を使ってみたいですか?

里歩:「自分では絶対にできない試合スタイルなので、ダービー・アリンを使ってみたいです。めちゃくちゃ高いところかダイブをしたり、毎回とんでもないことをしますからね」

――ちなみにゲームは日常的に楽しまれるのでしょうか?

里歩:最近はゲーム実況動画を見ることも多いんですけど、『Dead by Daylight』だったり『スプラトゥーン3』をよく遊んでいます。けっこう旬のモノはおさえているんですよ。オフの日もあまりでかけたりせずゲームを遊んでいることが多いので、日本にいるときと変わらないですね(笑)。

▲取材中に『AEW:Fight Forever』を実際にプレイしてもらう一幕も。大巨人ポール・ワイト選手を使ってケニー選手をバチボコにしていた(笑)

――里歩選手のプロレス活動についてお伺いしていきます。まず改めて、アメリカでに拠点を移そうと思ったきっかけはなんだったのでしょう。

里歩:日本で長く活動してきたので、やることはだいたいやっちゃったかなと。我闘雲舞を卒業してフリーになってからもスターダム、東京女子プロレスと参戦してきたので、だったらアメリカかなって。

――そこでアメリカにポンと行けるフットワークの軽さがさすがです。そんなアメリカで試合をしてみて、日本との違いを感じるところはありますか?

里歩:日本のお客さんは試合を見守ってくださるんですけど、アメリカのお客さんはこんな感じで(手を突き上げながら)自分たちで盛り上がろうとしてくれるんです。それにあわせて戦い方を変えたほうがいいのかな、と感じるようになりました。

――具体的に変えたところはありますか? AEWでの試合を拝見していると、日本よりも技と技との合間のテンポを落としているように思えます。

里歩:そうですね。会場の大きの違いもあって、日本だとすぐに反応があるお客さんからのレスポンスが、アメリカだとワンテンポ遅れて来るんです。なので、お客さんがより盛り上がれる“間”を作れるってことに気づきました。

――AEWに参戦してみて一番驚いたことって何でしょう?

里歩:やっぱり規模の大きさですね。町中のお店とかにいってもAEWの試合やCMが流れているし。アメリカは日常の中にプロレスがあるんだなって思いました。日本でのプロレスは、知っている人や好きな人が見に行くものだけれど、アメリカはお子さんとかでも見やすい環境があるんです。

――2019年にはAEW参戦から3ヶ月という期間でナイラ・ローズに勝利して、AEW女子王者となりました。そのときの気持を改めて教えていただけますか?

里歩:チャンピオンになったときは素直に「嬉しい!」しかなかったです。でも、そのあとファンの皆さんの応援に応えないといけないというプレッシャーでナーバスになったりもしました。でもいまとなってはいい経験だったと思います。

――初代王者という記録は一生残りますものね。ところでAEWには里歩選手以外にも多くの日本人選手が参戦していますが、安心感はあります?

里歩:安心感はありますけどリングに上ってしまえば関係ないので、どっちかっていうと「敵が増えたな」って感じです(笑)。とはいえ日本人同士で仲良くはしていますよ!

――これから先々のAEWでの展望はありますか?

里歩:これまでのプロレス人生は流れに身を任せてきて、気づいたらアメリカにいました。なのでこれからは、やるべきことを探していけたらいいですね。ゲームに入れるかもまだわからないくらいなので(笑)。

▲『AEW:Fight Forever』のプレイを終えると笑顔に。ゲームに里歩選手が登場することを期待せずにはいられない!

――となるとゆくゆくは、AEW大会の日本開催も実現したいですね。

里歩:もちろんです! アメリカのプロレスってやっぱり遠いじゃないですか。せっかくこうやって東京ゲームショウにリングを建てていただいて試合を見せられるのもそうだし、ゲームを通じて知っていただけるチャンスが増えるのはうれしいです。

――ゲームへの登場、そして日本公演の実現を楽しみにしています!

▲THQ Nordic ブースで行われたエキシビションマッチに出場。自身もスポット参戦する東京女子プロレス所属の乃愛ヒカリ選手と対戦。蒼魔刀で勝利を収めた