異なる数の意味を持つ言葉
Update : 2026/2/23
日本語と英語に限らず、言語はそれぞれの文化と歴史で発展していくため、言葉一つ一つの持つ意味が異なることが多いです。機械翻訳を使った際、翻訳候補が使用頻度などで多岐にわたるということは、現代であれば多くの人間が一度は経験しているかと思います。
複数に翻訳候補が分かれた先で異なる言葉で同じ意味を持つ、というケースも少なくありません。先日翻訳したゲームにあった「Vault」を例にお話しします。
Vaultは一般的に日本語で「金庫」を表します。しかし、その金庫を英語に訳すと「安全(Safe)」、「銀行(Bank)」、「胸/収納箱(Chest)」など、全く異なる言葉に翻訳されてしまいます。
こういった一つの言葉が複数に翻訳されてしまうことはもちろん英語から日本語に翻訳した際にも起こります。以下に一部の例をご紹介します。
日本語から英語
「あまい」
→Sweet:砂糖のような味、甘味
→Lenient:採点の基準やルールが厳しくない
→Native:浅はかな考え、楽観的
「直す/治す」
→Repair/Fix:物理的な修理、修復
→Correct:間違いを訂正する
→Cure/Heal:病気や怪我を治療する
英語から日本語
「Rice」
→稲:田んぼに生えている状態
→米:収穫された穀物の状態、白米
→ご飯:白米。または調理され食事として供される状態
「Brother/Sister」
→兄/姉:年上の兄弟姉妹
→弟/妹:年下の兄弟姉妹
これらはやはり互いの文化が大きく関係しています。
例えば日本では状況やイメージで物事を判断する習慣があります。甘味の「甘い」は「辛い」に比べ誰でも食べやすい、子供向けといったイメージから低い基準、子供みたいのような比喩表現のように使われても多くの人に伝わります。
また、米文化だからRiceの意味は細分化されていたり、上下関係を重んじるため同じ兄弟姉妹の間にも名称には明確に上下関係があります。とは言え、兄弟間での呼び方はあくまでも記号、立場の明確化のような役割であり、兄や姉が家族内で優遇されるなど実際に上下関係が存在することは稀です。
自分の国の文化が他の国と比べて何が特別なのか、それを把握することは意外にも難しく、気付いていないことがほとんどです。だからこそ翻訳の際には言葉の違いより、文化の違いを意識することが重要なのかもしれません。