2020年11月22日に開催された第35回日本リウマチリハビリテーション研究会から、4年が経過しました。
当時、日本はCOVID-19パンデミック第3波(2020年11月~2021年1月)の影響を受け、東京オリンピック2020の延期に象徴されるように、社会全体が混乱していました。その後、2021年2月に医療従事者へのワクチン接種が開始されましたが、変異株の拡大、東京オリンピック期間中の医療逼迫、過去最大の感染者数を記録した2022年7月の第7波、そして2022年末から年始にかけての第8波と、感染拡大は続きました。しかし、2023年5月8日にはCOVID-19の感染症法上の分類が5類へ移行して、季節性インフルエンザと同等の扱いとなりました。
この間、日本リウマチリハビリテーション研究会の学術集会や研究会誌の発行は一時中断を余儀なくされました。代表世話人として、皆様にご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。しかし、世話人有志の皆様から研究会の再開を求める声が寄せられ、2024年7月に臨時世話人会を開催し、2024年度内の学術集会の開催と研究会誌の再発刊を決定しました。
今回の学術集会の準備は、蓬莱谷耕士先生(OT)を中心としたチームにより進められました。そして、島原範芳先生(PT)、田口真哉先生(OT)、佐藤信治先生(OT)、中村めぐみ先生(OT)、櫛田里恵先生(PT)、谷村浩子先生(OT)の超人的な働きにより、2025年2月16日に「リウマチのリハビリテーション治療の再起動」をテーマとする第36回日本リウマチリハビリテーション研究会を関西医科大学 牧野キャンパスで開催できる運びとなりました。この場をお借りして、心からお礼申し上げます。
そして、本大会を通じて、「療法士の、療法士による、療法士のための」研究会の原点に立ち返ることができたと考えております。
関節リウマチの治療は、強力かつ有効な薬物治療の発展により、機能予後・生命予後が大きく改善しました。しかし、寛解を達成しても治癒には至らず、薬物治療の継続が必要な現状は変わりません。また、生命予後の改善によりリウマチ患者の高齢化が進み、フレイルやサルコペニア、がん、脳血管疾患、心大血管疾患、肺炎、認知症といった加齢に伴う課題も新たに浮上しています。
今回の学術集会では、準備期間が短かったため一般演題の数は限られますが、日本の超高齢社会に対応する「2040年地域医療構想」(2025年地域医療構想の次のステップとして、2040年を見据えた医療提供体制の改革を目指す)を踏まえ、「薬物治療で落ち着いているリウマチ患者さんが最期まで安寧に生きるためには?」というリハビリテーション医学・医療の理念を実現するためのヒントとなるような特別講演・教育講演・ランチョンセミナーを企画しました。
リウマチのリハビリテーション医療の新たな一歩を踏み出します。ぜひ現地またはオンラインでご参加いただき、共に未来を考える機会とできれば幸いです。皆様とお会いできるのを楽しみにしております。