スペシャルセッション

 雪氷研究大会(2022・札幌)では,以下の6つのスペシャルセッションを開催いたします.みなさまの積極的な研究発表登録,参加をお待ちしています.日本雪氷学会または日本雪工学会の学会員が著者に含まれていれば,会員以外も研究発表を行うことができます.ただし,発表者(招待講演者を含む),聴講者ともに,大会参加登録が必要です(参加費用がかかります).発表をご希望の方は,研究発表登録時に下記セッション番号を選択してください.なお,スペシャルセッションは,発表登録数が十分な数に達しない時は,中止または他のセッションと合併されることがあります.

SP1: 2021/22大雪の記録 -人的被害の軽減に向けて-

・代表コンビーナ:諸橋和行(日本雪工学会除雪安全行動研究委員会)

・共同コンビーナ:堤拓哉(日本雪工学会雪害調査委員会)

・共同コンビーナ:上石勲(雪氷学会災害対応委員会)

・キーワード:雪害,除雪,屋根雪処理,安全対策,落氷雪,除雪機事故

趣旨

 2021/2022冬季における雪による人的被害や住家被害は2020/2021冬季と同水準の被害規模であり,2年連続の受難の冬となった.本セッションでは,2021/2022冬季の雪による被害のうち主に人的被害を中心に,全国的・分野横断的な視点で把握・分析し,被害状況をアーカイブするとともに,被害の軽減に向けた今後の論点・教訓を明らかにする.

 なお,本セッションは日本雪工学会除雪安全行動研究委員会及び雪害調査委員会,雪氷学会災害対応委員会の共同企画ではあるが,会員各位に広く研究発表を呼びかけるものである.

SP2: 2021/22大雪の記録 -雪に強い都市を目指して-

・代表コンビーナ:白川龍生(北見工業大学)

・共同コンビーナ:尾関俊浩(北海道教育大学)

・共同コンビーナ:金田安弘(北海道開発技術センター)

・共同コンビーナ:松岡直基(北海道気象技術センター)

・キーワード:都市型雪害,降雪,積雪,災害記録

趣旨

 近年,毎年のように大雪及び関連する災害が発生している.大雪時は,積雪による家屋の倒壊や交通・物流などの社会的混乱を招く. 2021/22年冬期は,今回の開催地である札幌都市圏にて降雪・積雪とも平年を上回る大雪となり,厳冬期に都市型雪害ともいえる状況が続いた.

 そこで本セッションは,2021/22年冬期における札幌都市圏の大雪に焦点をあて,この大雪災害の記録や得られた知見についての研究発表を募集する.

 当日は発表内容を踏まえた上で,現在の社会情勢や交通環境に適応した「雪に強い都市」を目指すために必要な論点・教訓について,参加者間での活発な議論となることを期待したい.


SP3: 地球環境変動観測ミッション(GCOM)の成果と雪氷圏リモートセンシングの未来

・代表コンビーナ:堀雅裕(富山大学)

・共同コンビーナ:榎本浩之(国立極地研究所)

・共同コンビーナ:青木輝夫(国立極地研究所)

・共同コンビーナ:島田利元(宇宙航空研究開発機構)

・キーワード:衛星観測,GCOM,AMSR,SGLI

趣旨

 JAXAの地球環境変動観測ミッション(GCOM)は「地球環境変動の監視・解明」「地球環境変動に関する政策立案」「現業利用」への貢献を目的として計画され,現在運用中のAMSR2を搭載した水循環変動観測衛星「しずく(GCOM-W)」とSGLIを搭載した気候変動観測衛星「しきさい(GCOM-C)」の2つの衛星による全球高頻度観測を基に,水循環・放射収支・炭素物質循環を構成する気候必須変数(ECVs)の実態把握や気候モデル連携など,衛星地球観測の中心的な役割を担っている.

 2022年に「しずく」が打上げから10周年(先代のAMSR-Eからは20周年),「しきさい」が5周年を迎えるのを機に,本セッションではGCOM衛星を中心とした雪氷圏における長期的な大気・海洋・陸・雪氷の観測データの蓄積・解析成果,気候モデルとの連携やデータ同化,現業利用の進展等についての最新の研究成果を集約すると共に,後継機計画や激変する雪氷圏を取り巻く衛星リモートセンシングの将来展望について議論する.


SP4: ここまできた凍害対策技術2022

・代表コンビーナ:吉村優治(岐阜工業高等専門学校)

・共同コンビーナ:熊谷浩二(八戸工業大学名誉教授)

・共同コンビーナ:東海林更二郎(高座サーチ)

・共同コンビーナ:堀江征信

・キーワード:寒冷地環境,凍上,凍害,対策

趣旨

 地盤の凍上・凍害は,最近の温暖化による降雪減少を含む気候変動により,現象の激甚化や発生地域の拡大化が生じている.

 日本雪工学会凍害対策委員会の活動の一環として,「ここまできた凍害対策技術2018(札幌大会),2021(千葉大会)」に続き,最近の知見とともに,実用化されている工法や技術に関した発表・討議を行うこととした.大会に参加できなかった非会員の会社・技術者を対象に2021年大会の講演要旨集(30部)を配布した中で,①温度測定その他の基本的情報の取得が的確に実施していない事例,②計画・設計段階で予防的に対策をとるべきと判断できる情報・事例の発信,③地球温暖化に伴う地盤凍結範囲変化の推定,④簡易な水路目地補修工法の凍害による排水工破損への適用などが注目され,これに類する相談が寄せられている.委員会として,凍害対策を検討している技術者に,凍害対策は土構造物などの耐久性を延ばす重要な役割があり積極的に取組んで欲しいことをもっと発信する必要性を痛感している.本セッションでは,これらの研究や対策についての討論を通じて,凍上・凍害の知見や対策技術がさらに普及・貢献することが期待できる.


SP5: 学校教育における雪氷

・代表コンビーナ:安達聖(防災科学技術研究所)

・共同コンビーナ:尾関俊浩(北海道教育大学)

・共同コンビーナ:勝島隆史(森林総合研究所)

・共同コンビーナ:小西信義(北海道開発技術センター)

・キーワード:学校教育,雪氷教育,教育実践,教材開発

趣旨

 「学校教育における雪氷」では,小・中学校などの学校現場における雪氷教育の実践に関する研究を対象とします.

 例えば小学理科では雪氷現象の仕組み,小学社会科では雪国の暮らしについての授業が行われています.また,2002年に教科の枠を越え地域や児童の実態に応じた実践を行う総合的な学習の時間が創設され,札幌市などでは「雪」をテーマにした展開が行われています.出前授業や雪氷楽会においても新学習指導要領を意識した指導内容を計画することにより,高い学習定着率を望める教育活動となると考えられます.本SSでは学校現場での雪氷に関する教育の実践事例や枠組みについて共有し,学校教育における効果的な雪氷教育の展開や,教育現場との連携を図ることを期待します.


SP6: 雪氷圏での極端気象

・代表コンビーナ:山崎哲(海洋研究開発機構)

・共同コンビーナ:本田明治(新潟大学)

・共同コンビーナ:鈴木和良(海洋研究開発機構)

・共同コンビーナ:川瀬宏明(気象庁気象研究所)

・共同コンビーナ:紺屋恵子(海洋研究開発機構)

・キーワード:大気大循環変動,地球温暖化,極端気象

趣旨

 雪氷圏のなかでも特に極域や山岳地域は,地球温暖化に伴う気候変動の影響を大きく受ける.最近では,気温上昇に伴う積雪や氷河域の減少だけでなく,熱波などの気象の極端化の影響も注目されている.例えば2021年8月には,グリーンランドのサミット基地において降雨と表面融解イベントが発生した.一方で,雪氷圏の一部では温暖化による極端気象を介した降雪量の増加も予測されている.しかし雪氷圏での極端気象による降雪や冬季の降雨,融雪についてはまだ不明な点が多い.さらに国際北極科学委員会雪氷圏ワーキンググループの科学活動目標には,「雪氷圏の極端気象の理解」が謳われており,本セッションは国際的な研究目標に対する貢献が見込まれる.

 そこで本セッションでは雪氷圏での極端気象に着目し,観測・データ解析・数値実験等の手法,および将来予測と水文現象への影響の観点から議論を行いたい.

雪氷研究大会(2022・札幌)プログラム委員会



■雪氷研究大会2022スペシャルセッションコンビーナーガイドライン

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