スピーカー

[畠山 重篤 氏]

1943年中国上海生まれ。宮城県気仙沼水産高等学校卒業後、気仙沼湾で家業の牡蠣、帆立 の養殖業を継ぐ。 昭和40~50年代にかけて気仙沼湾に発生した赤潮によって廃棄処分される牡蠣を見て、き れいな海を守るための森、川、海の関係に目を向ける。海に注ぐ川と上流の森を守ること の必要性を感じ、平成元年より気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山に植樹活動を行う。 2009年にはNPO団体「森は海の恋人」を設立し、現在も植樹活動を継続している。


[中井 徳太郎 氏]

1962 年生まれ。東京大学法学部卒業。85 年大蔵省入省。主計局主査(農林水産係)な どを経て、99 年から 2002 年まで富山県庁へ出向。生活環境部長などを務め、日本海学 の確立・普及に携わる。02 年財務省広報室長。04 年東京大学医科学研究所教授。09 年 財務省理財局計画官。10 年財務省主計局主計官(農林水産省担当)。東日本大震災後の 11 年7月の異動で環境省に。総合環境政策局総務課長、大臣官房会計課長、大臣官房 秘書課長、大臣官房審議官(総合環境政策局担当)、大臣官房審議官(総括担当)、廃 棄物・リサイクル対策部長、総合環境政策統括官を経て、20年7月から環境事務次官。東京都出身。

[鳥居 敏男 氏]

 京都大学農学部林学科卒、環境省参与。環境省では2014年から森里川海のつながりを回復し、そこから生まれる恵みを賢く活用して地域を元気にする「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」に取り組んでいる。地域循環共生圏の構築にもつながるこの取組では、今や絶滅に瀕している「森ガキ・川ガキ・海ガキ」の復活を目指して、子どもたちが自然のおもしろさに気付き、自然体験に関心を持つきっかけになるような本「森里川海大好き!」を制作しました。そのご紹介を通じて、次の世代を担う子どもたちの自然体験がいかに大切かについてお話し頂きます。

[大久保 規子 様]

 大阪大学大学院法学研究科教授。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。ドイツ・ギーセン大学法学修士,博士(法学)。群馬大学専任講師,甲南大学教授を経て2005年より現職。専攻は行政法・環境法。環境法政策学会常任理事,日本学術会議会員,中央環境審議会委員,交通政策審議会委員等を務める。

2010年から環境政策への市民参加に関するグリーンアクセスプロジェクトを主宰。その一環として,現在,自然と人の権利の体系化をめざす共同研究を実施中。

~大久保様からのメッセージ~

現在,世界で 100万種もの生きものが絶滅の危機に瀕し,日本国内の絶滅危惧種も約4000種に及んでいます。日本では,人以外の生きものが権利の主体になれないのは当然だと考えられて,アマミノクロウサギやムツゴロウが生息地を守るための訴訟を起こしても門前払いされてきました。しかし,近年,エクアドルやボリビアなどでは,先住民族の考え方に学びつつ,山や川にも憲法や法律で自然の権利を認め,森里海のつながりを大切にし,人中心の考え方を転換しようとする試みが始まっています。今回は,そのような国際的な動きを紹介し,日本における自然の権利の可能性について考えます。

[飯島 博 氏]

認定特定非営利活動法人アサザ基金代表理事。1995~湖と森と人を結ぶ霞ヶ浦再生事業「アサザプロジェクト」を開始。独自のアイデアで様々なビジネスモデルや事業を提案、上流~下流、地域住民、学校、企業や行政、農林水産業を結ぶネットワーク事業「市民型公共事業」を展開。2009年環境省第1回生物多様性日本アワードグランプリ受賞。北海道から沖縄まで全国各地の学校で自然再生と地域振興の授業を行い、竜や河童、キジムナー、子どもたちと一緒に社会の壁を溶かし膜に変える取みを展開中。当日は、「絶滅危惧種と子どもには、社会を変える力がある」についてご講演いただく。

[野中 ともよ 様]

 NPO法人 ガイア・イニシアティブ 理事長、ローマクラブ正会員2007年8月に立ちあげたNPO法人ガイア・イニシアティブ代表として地球環境・エネルギー問題と地域活性化に取り組む。主なプトジェクトとして、沖縄県久米島町第2次総合計画策定、インドの無電化村にソーラーランタン及びソーラーマイクログリッドを広げる「ソーラーランタンプロジェクト」、長野県木曽郡王滝村の森林保全及び環境教育を行う「+1の森プロジェクト」など。


[NOMA 様]

佐賀県出身。自然の中を駆け回って育つ。生命や宇宙の不思議に惹かれ、グローバルな学びを深めながらモデル業をスタート。自然の力を取り入れたライフスタイルを求め、時に自然科学の案内人として「WE EARTH」のような注目の書を世に問う。

環境省森里川海アンバサダー、グリーンピースオーシャンアンバサダー等エコロジストとしての活動も継続する。