大学院とは4年間の大学生活(学部)を終えた後で進学するところで,普通は2年間の修士課程とそれに継続した3年間の博士課程があります(一部の大学院では仕組みの違うところがあります).
北海道大学は大学院重点化大学として,大学院組織の充実が図られています.たとえば,私の所属する工学の分野で,は大学院修士課程に進学する学生の割合が8割を越えるほどになっています.ですので,大学の選択の際には大学院進学のことも視野に入れておいた方がよいでしょう.
北海道大学では12の学部に対応した大学院に加えて,特化した専門分野の大学院もあり,優れた人材を社会に輩出しています.
札幌の中心部は碁盤のように直角な道路で区切られています.住所も北12条東2丁目とか,南4条西3丁目のように表記されます.交差点の信号には住所表記の標識がついていますので,自分の行きたい場所の住所さえわかれば,地図がなくてもたどり着くことができます.また,1条や1丁目はだいたい100mですので,目的地までの距離もおおよそわかります.よそから来た人にもわかりやすい街です.
漢字が読めない外国の人にも,N13W9やS4E2のような省略表記でコミュニケーションできるのも便利です.
注記:同じ交差点でも標識の支柱が立っている隅で東西,南北の数字が1つ違うので要注意です.
信号機に取り付けられた住所表記標識
北海道大学は先進的な教育研究を行う大学です.北大の教員は講義や実験・演習でみなさんを教える教育者としての顔の他に,それぞれの専門分野において真理を探究する研究者としての顔を持っています.
入学して1,2年生の間は,こうした研究者としての教員を意識する機会は少ないかもしれませんが,専門課程に進学すると,講義やゼミ,卒業研究指導などで研究の内容に触れる機会がどんどんと増えていきます.
北大の教員がどのような研究をしているかは,各教員の所属組織のHPに加えて,大学が編集する「北海道大学研究シーズ集(research profiles)」でも知ることが出来ます.
2010年の鈴木章北大名誉教授のノーベル化学賞受賞は,北大の研究力の高さを世界にアピールしました.
道外の人は北海道は遠いと感じていると思います.帰省の労力のこととかを考えると北海道は...とためらう人も多いでしょう.でも飛行機を使うと意外と近いのです.新千歳空港と札幌駅との間は直行の快速エアポートで最速37分.新千歳空港との間で直行便で結ばれている道外の空港は,青森,花巻,秋田,山形,仙台,福島,新潟,茨城,成田,羽田,松本,富山,小松,静岡,名古屋,大阪(伊丹,関空),神戸,岡山,広島,松山,福岡,那覇と全国に広がります.(これらに加えて,札幌丘珠-青森三沢便もあります.)
新千歳空港から直行便がない空港へも羽田経由の乗り継ぎ便がお得な運賃で利用できます.
気になる航空運賃についても,低運賃が魅力のLCCに加えて,ANA, JAL, AIR DOなどのキャリアも各種の割引運賃などをうまく使うとかなり安くすることができますよ.
新千歳空港国内線ターミナルビル
北大のキャンパスは札幌市街地の中心部,都会にあります.まわりには高いビルが立ち並びます.でもキャンパスの中には広大な農場と牧場があります.キャンパスのメインストリートから中に入ると,広い牧場で牛がのんびりと草を食べている姿が見られます.ちょっと心が疲れたとき,ボ~とするには良いでしょう.
馬が見たいときには獣医学部の方に行くと見れます.(大学近くの桑園にも馬はたくさんいますが,ボ~とするにはあまり向きません.)
ちなみにこれらの農場も正式名称は「北海道大学北方生物圏フィールド科学センター」という組織の研究教育施設のひとつです.すこし古い2013年のデータですが,札幌キャンパス内の農場で飼育されている家畜動物は,牛44頭,豚10頭,めん羊27頭,鶏278羽です.
北大農場の草地に放牧されている牛
「都ぞ弥生」は札幌農学校時代の学生寮である恵迪(けいてき)寮の寮歌で,明治45年(1912年)に作られました.それから綿々と歌い継がれて,北大を代表する歌となっています.「嗚呼玉杯に花うけて」(旧制一高)と「紅萌ゆる」(旧制三高)と併せて,日本三大寮歌と言われています.100年以上前に作られた歌ですが,瑞々しい歌詞とゆったりとした曲の調べは,今でも多くの人に愛されています.
ちなみに,一番の歌詞冒頭の「都ぞ弥生の雲紫に 花の香漂う...」は,入学前の本州の都会の情景で,これが一番歌詞終わりの「星影さやかに光れる北を 人の世の 清き国ぞとあこがれぬ」とまだ見ぬ札幌農学校への想いへと向かいます.北大入学を考えている今のみなさんにつながりますね.
キャンパス内に設置された「都ぞ弥生」1番歌詞の歌碑
札幌の市街地は土地が平坦でしかも道がまっすぐで広いので,自転車に乗るのに適した街です.市内のたいていのところには自転車でいけます.支笏湖など,札幌郊外に伸びる自転車専用道も整備がされています.
大学のキャンパスも休み時間には自転車で移動する学生でにぎわいます.バイクのキャンパス内への乗り入れは禁止されていますので,学生の移動の"足"はもっぱら自転車です.
便利で快適な自転車ですが,キャンパス内外で歩行者との接触事故が起きています.十分に注意しましょう.夜間の無灯火走行もいけません.あと,冬場にも自転車に乗って通学する学生がいますが,危険も多く,あまりお勧めできません.また,積雪期に駐輪場に自転車を放置したままにしておくと,春にタイヤのリムがグニャグニャになって雪の中から出てきます.
休み時間中の北大・メインストリートの様子
北海道の冬は寒くて生活するには厳しい,と思っていませんか.確かに冬の屋外は寒いですが,寒冷地仕様の建物の中は暖房がよく効いていて暖かいのです.「冬の北海道人は部屋の中ではTシャツ姿でアイスクリーム」というのを聞いたことがあるかもしれません.あながち誇張とも言えません.窓も断熱に優れたペアガラスに二重サッシが多く使われ,道外で寒さの元になるすきま風を防いでいます.
そうした屋内で身体が十分に温まってからしっかりと防寒着を着て外にでると,不思議と寒さを感じません.(もちろん,長時間,屋外にいると寒いですが.あと,寒さは足元から来るので,そこに注意が必要です.)それと,札幌市内は地下街が発達していて,冬の間も買い物などを気軽に楽しむことができます.寒がりの人ほど,実は向いているのかもしれません.
窓下設置の温水暖房パネル
北大は教育研究機関ですが,実は観光地でもあります.札幌を紹介した観光のガイドブックにもかならずはじめの方に登場します.あの有名な札幌の時計台も実は北大の前身である札幌農学校の演武場として作られたものです.
観光地なのでキャンパスの中には観光で訪れた旅行者がよく歩いています.それでもキャンパスが広いので別に邪魔になったりはしません.北大生がボランティアでキャンパスツアーなどを企画・実施して観光客や市民を案内していることも良くあります.
建物内は一部の公開施設をのぞいて関係者以外立ち入り禁止ですが,毎年夏に開催されるオープンキャンパスと大学祭の時には,建物の中を見て回る機会があります.大学HPの広報のお知らせに注意してください.
また,札幌キャンパス正門脇にある北大交流プラザ「エルムの森」では,北海道大学にちなんだ様々なお土産品を販売しています.北大オリジナルグッズは総合博物館ミュージアムショップでも販売しています.
モデルバーンで昆虫観察をする子供達
大学生活で重要なのは本.大学図書館や大学生協の書籍部の活用は当然として,それ以外に市中の本屋さんの存在も重要です.最近はインターネットで書籍を注文することも多くなってきましたが,やはり実物を見てみないとわからないことも多いです.
札幌にも大型書店チェーンが進出しています.札幌駅近辺では紀伊国屋書店,三省堂書店,大通では丸善&ジュンク堂書店などがあります.郊外型のコーチャンフォーも書籍フロアの広さに圧倒されます.大学生協書籍部の書棚にない専門書も,こうした大型店舗では入手できることが多いです.
最近,本を買わない若者が増えていますが,是非,書店にも足をはこんでみてください.書棚ごとに知らない世界が広がっていますよ.
札幌の大型書店