大学に入学して部屋を借りる場合,札幌は首都圏や関西などと比べて家賃が安いです.また,首都圏では敷金,礼金,関西では保証金などの負担が大きいですが,札幌ではそれらの金額も小さくて済みます.学生向けのアパートやワンルームマンションは大学の近くが多く,自宅外生の多くは徒歩や自転車などで大学に通学しています.これは家賃の安さに加え,通学にかかる交通費と時間の節約になります.在学する4年間(かそれ以上)を通して考えるとこの差は大きいです.
夏休みになると本州から大学生達が大挙して北海道にやってきて,短い期間にあわただしく観光名所を巡っていきます.ただ,北海道は日本の国土の約1/4と広いので,旅行で回れるのはその一部です.北大のある札幌は北海道のほぼ中央に位置していて,道内の各所に週末やちょっとした休みを使って気軽に出かけることができます.観光客で混み合うことのないオフシーズンに,ふらりと訪れることができるのは,道内に住んでいる者の特権です.道外から北大に入学した学生も,大学4年間の間に道内の主だったところは見てまわっているようです.
観光客が行かない道南・せたな町西大里からの眺め
北海道大学には日本全国から学生が集まります.2019年度入学者の出身地内訳は地元北海道が31.8%,東北4.2%,関東26.8%,北陸・中部14.9%,近畿12.9%,中国・四国4.3%,九州・沖縄2.8%,海外他2.3%で,全国各地から入学しています.同郷の人がいないのでは,という心配はありません.また日本全国の出身者と友人になるチャンスがある,それが北大です
北海道にはほとんど杉の木がありません.杉が生育できる環境の北限に近いので,山に杉を大規模に植林することがなかったからです.おかげで,本州のように春にスギ花粉が大量に飛び散ることも,深刻なスギ花粉症で悩むこともほとんどありません.そのため,北海道は同じく杉林のない沖縄とともに,スギ花粉症が重症な人にとって緊急避難場所になっています.
実はスギ花粉症のかわりに,北海道にはシラカバの花粉症の人はいるようですが,スギ花粉ほど猛威はふるっていません...
キャンパス内のシラカバ並木
北海道は食べ物がおいしいです.カニやウニ,ホタテなどの魚介類,ジャガイモやアスパラガスなどの野菜類,新鮮な牛乳やアイスクリーム,チーズ,バターなど乳製品,それにジンギスカンや豚丼,ラーメンにスープカレー,など.20歳を過ぎたらジョッキで飲む生ビールもよいですね.手軽に入れる回転寿司のレベルの高さも北海道の自慢です.サーモンやサンマ,ホッキといったネタが安くてお勧めです.
札幌で暮らしていると色々な食のイベントがあります.大規模なものは毎年9月に大通公園で開かれる「さっぽろオータムフェスト」で,北海道内のおいしい料理や食材が集結します.また,北大キャンパス内でも,毎年晩夏に農学部前の緑地を使って有志による食の祭典「北大マルシェ」が開かれ,道内の生産者の自慢の作物や食品を楽しみにした市民で賑わいます.(北大百年記念会館1階に常設の北大マルシェ Cafe&Laboがあります)
農学部前の北大マルシェの様子
北大では,一般教養(全学教育)と専門課程(各学科の講義)を同じ札幌のキャンパスで学ぶことができます(函館に専門課程のキャンパスを持つ水産学部を除く). 教養課程と専門課程とでキャンパスが違う大学が多い中で,同じキャンパスで4年間継続して学ぶことができるのは,勉学や生活,クラブ活動などの面で大きな利点です.学生によると,全学教育の講義単位を落として再履修しなくてはいけなくなったときに,その有り難さが実感されるようです.
他大学における共通・専門のキャンパス分離の例
東大:駒場→本郷,柏,京大:吉田→桂,阪大:豊中→吹田,東北大:川内→青葉山,星陵,雨宮,九大:伊都→箱崎,馬出など
全学教育を行う高度教育機能開発総合センター正面玄関
北海道はウインタースポーツが盛んです.札幌でも大学から車で30分ほどのところに本格的なスキー場がありますので,平日は授業が終わってから近場で一滑り,週末にはちょっと足を伸ばしてニセコや富良野へ,という学生も多いです.リフトやゴンドラのシーズン券も十分に元が取れます.また,市内の公園でも気軽に歩くスキーなどができます.そのほかにも,スノーシューをはいて近郊の森林公園を散策,といった楽しみ方もあります.
スキーやスノーボードの他にスケートリンクやカーリング場も札幌市内にあり,スポーツ好きの人には冬でも運動する場がたくさんあります.
大倉山ジャンプ場近くにあるウインタースポーツミュージアム
北海道といえばジンギスカン.雪解けを迎え暖かくなるとキャンパスのあちこちでコンロを囲み,研究室やサークルでジンギスカンを楽しむ様子が見られます.キャンパス内にはジンギスカン公認エリアが設定されています.また,キャンパス中央にあるコンビニの2階にはジンギスカンテラスが新しくオープンし,コンビニで調達した食材とコンロで気軽に楽しむことができます.2018年からは7月下旬に北大メインストリートを使った「緑のジンギスカン」が催されています.
野外でのジンギスカンのパーティー(ジンパ)は,北大での見慣れた風景の一部です.
研究室の恒例のジンパの様子
札幌農学校の初代教頭クラーク博士は,わずか9ヶ月しか滞在しませんでしたが,その残した"Boys, be ambitious!"の言葉で有名です.また,その創設期の学生だった新渡戸稲造,内村鑑三,宮部金五,広井勇などの足跡は大学の総合博物館でたどることができます.
大隈重信の早稲田大学,福沢諭吉の慶應義塾大学,津田梅子の津田塾大学,新島襄の同志社大学など,私学では大学創設者のストーリーが語られ,大学のアイデンティティを形作ることが多くありますが,国立大学法人としては希な例でしょう.
ポプラ並木を背に建つ新渡戸稲造博士胸像