Proceed Magazine 2024-2025 No.31 「People Of Sound」
ROCK ON PRO - 株式会社メディア・インテグレーション
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People of Sound 第53回 Wang Oneインタビュー
Text by 恒吉隆治(MiM Media)
音をクリエイトし、活躍している人をご紹介するコーナー「People of Sound」。このコーナーでは制作者の人柄が、サウンドにどうつながっていくかに注目します。第53回目は Wang One(ワンワン)。2024年7月17日に楽曲『Walk On Shame』でデビュー。サウンド・プロデュース、作曲、キーボード、ボコーダー、ベース、DJを担当する上海出身のCase Wang(ケース・ワン)さんと、シンガー、作詞作曲を担当する南京出身のLola One(ローラ・ワン)さんが東京で出会い結成。Synth Wave、Sad Core、Indie Pop、Nu-Discoといったジャンルを横断するエレクトロ・デュオです。中国で育った若者二人がここ東京で出会い、デビューまでに至った「運命」的なストーリーを伺っていきます。
それぞれの音楽スタート、中国。
Rock oN(以下、R) : よろしくお願いします!お二人とも中国のご出身ということですが、まずは、初めて音楽に出会った話をお伺いしていいですか?
Case Wang : はい。僕は上海出身なんですが、家には5.1チャンネルで組んだスピーカーが置いてあったり、海外や中国のアーティストのCDも壁を半分埋め尽くすほどあって、それをずっと聴いていたんです。両親とも飲食関係の仕事だったので音楽とは関係ないんですが、二人とも音楽が大好きで常に音楽が流れている環境だったので、僕も気付いたら音楽を好きになっていた感じですね。
R : では、Lolaさんの幼いころの音楽の思い出はどうでしょう?
Lola One : 私は南京出身なんですが、親戚の結婚式で父から促されてステージに上がり、みんなの前で歌ったことを覚えています。当時の中国のヒットソングを歌ったんですが、みんなから褒められたこともあって歌うことが好きになりました。
R : 2人とも音楽がそばにある中で生まれ育ったんですね。では、自分から演奏しようとか、歌おうとか、曲を作ろうというタイミングがあったと思うんですが覚えてますか?
Case Wang : 覚えてます。幼稚園の時にドラムを始めたんです。単純ですがドラムは一番音が大きいし、見た目が格好いいのでドラムを選びました。中学時代から友達とバンドを始めましたが、高校生になったらそれだけでは満足できなくなって独学でDTMとDJを始めました。
R : ご両親に「ドラムやりたい!」と頼んだんですね!
Case Wang : そうです。両親は快諾してくれたんですが、練習が大変でした。家で練習するには音が大きいので、ドラムの上に布を当ててミュートしながらやっていました。
R: なるほど。中国の住宅事情はどんな感じですか?
Case Wang : 一番問題になるのは防音です。中国の一般的な家はだいたいが鉄筋コンクリートですが、さすがにドラムみたいな大きな音を出すと問題になります。スピーカーで大きな音を出すくらいなら大丈夫なんですが。
R: なるほど。日本のアパートだとスピーカーで大きな音を出すと怒られるでしょ(笑)?
Case Wang : そうですね。東京に来たばかりのころはよく注意されました(笑)。 中国では高校のクラスメイトと一緒にカバーバンドを始め、最初はAC/DCなどのハードロック、その後は中国でも人気が出たリンキン・パークなどのニューメタルみたいなバンドの曲を演奏していました。加えて、学校の友達は日本のアニメが好きだったのでアニメの曲も演奏してました。
R: 日本のアニメは色んな国で人気ですもんね。例えばどんなアニメの曲ですか?
Case Wang : ええと、日本語のタイトルはなんだっけ?歌えばわかりますか?
〜 ここで少し、その曲を口ずさむ 〜
Lola One : 『東京喰種トーキョーグール』じゃない?
Case Wang : あ、そうです(笑)!当時、中国ですごく流行ったんです。
R: 解って良かった(笑)!Lolaさんは結婚式のステージで歌った後どのようなことをされていたんですか?
Lola One : はい。私もずっと音楽を聴いている学生でしたが、中学の時に周りにバンドをやってる友達がいて「いいな〜」と思ってました。それで私も夏休みにギターを買って練習を始め、最初は簡単な曲からギターを弾いて歌っていました。高校生になってからはバンドに誘われて、当時はアヴリル・ラヴィーンが好きだったのでそのコピーバンドをやっていました。
R: Caseさんは上海出身。Lolaさんは南京出身で、どちらも都会ですよね?周りの友達にはバンドやDJなどをやっている人がたくさんいたんですか?
Case Wang : いましたけど、そんなに多いわけではなかったです。僕ら二人は周りに比べたら音楽を始めたのは早かったと思います。
R: Caseさんは中国に住んでいる時にDTMやDJを始めたとのことですが、当時どんな機材を買ったんですか?
Case Wang : DJに関しては、当時はクラブではなくライブハウスでDJをやり始めたんですが、そのライブハウスにはDJ機材が置いてなかったので、Pioneer DJ DDJ-SXを手に入れて、家で練習してライブハウスに持ち込んでいました。その後、上海にも大きなクラブができたんですが、日本と比べると音楽を中心としたクラブは少なかったです。フロアやスクリーン、スピーカーの設備の規模は大きいんですが、フロアの真ん中にはテーブルが置いてあって、どちらかというとお酒を飲んでパーティーをするのがメインの場所でした。
R: なるほど。シリアスに音楽だけを楽しむんじゃなくて、パーティーを楽しむ場所だったんですね。
Case Wang : はい。音楽重視のクラブもあるんですけど、そこは日本のクラブよりも小さな場所ですね。本当に音楽が好きな人はそこに行ってました。
R: Lolaさんは南京でバンドを組んでライブをやってたんですよね?
Lola One : はい。コピーバンドの後、オリジナル曲を作るようになって演奏してました。そのバンドで私はギターを持たずにボーカルとしての参加で。ギターを家では弾いてましたが、ただの自己満足的な感じでした(笑)。ただ、ギターの技術は全然駄目だだったけど、ギターを弾きながら曲を作ることを始めたんです。
R: 当時、例えばオーディションに参加してプロになるとか、そういった活動はしてなかったんですか?
Lola One : 私のバンドのリーダーは、会社としては小さい規模ですがあるライブハウスの社長に誘われて音楽の仕事をやりだしたので、それをきっかけに私たちのバンドが色んなライブに誘われるようになったんです。そういったイベントのライブでは、たくさんのバンドが出演するのでお客さんも結構入っていて、その前で演奏していました。同じ中国でも、違った都市で生まれ育った二人ですが、日本で出会うまでの準備期間として、幼かったころの二人がそれぞれ、上海と南京で音楽に出会い、その後、一緒に音楽を作るための資質を育んできたストーリーとして読むと、まるで映画の伏線のようにも見えてきて面白く聞こえます。現在、本当にたくさんの観光客が海外から日本を訪れていますが、多くの人が幼いころから日本のアニメに親しみ「いつか日本に来てみたかった」と言うのをYouTubeをはじめ、ネット上でしばしば見ることができますが、Wang Oneの二人にも共通項として日本のアニメへの言及があるのは興味深いですね。
二人が日本を選んだ理由
R: さて、いまお二人は東京に住んでるわけですが、東京に来ることを決めた理由や経緯をお伺いしていいですか?
Case Wang : はい。先ほどの通りDTMとDJを独学で始めたんですが、その当時中国ではEDMが盛り上がっているタイミングでした。でも、自分の趣味とは違っていてあまり興味を持てなかったんです。色んなエレクトロミュージックを聴いていたんですが、ダフト・パンクから始まり、過去にどんどん遡ってクラフトワークやYMOなどの優れた音楽と出会い大好きになったんです。それで「もっと勉強したいと」思って選んだのが日本でした。あと、日本のシティーポップは現在まで長い間、中国で流行っています。中国でバンドをやっている若い世代は日本のシティーポップが好きな人が多いんです。ハーモニー、コードワークといった曲作りから、アレンジメント、あと楽器の演奏技術がすごく高いですよね。加えて、日本に来たもうひとつののきっかけは、やはりアニメですね。
R: 中国では、日本の音楽はインターネットで聴いてたんですか?
Case Wang : はい。中国で一番人気のストリーミングサービスはNetEase Cloud Musicといって、海外の音楽もたくさん聴くことができました。
R: そうなんですね。では、次はLolaさんが日本に行こうと思った理由をお聞かせください。
Lola One : 中国ではオリジナル曲のロックバンドをやってましたが、割とオーソドックスなスタイルのサウンドだったので、もっと新しい要素を取り込みたかったんですけど、それには自分の実力が追いついてなかったので日本で勉強したいと思ったんです。あとはCaseと同じく日本のアニメで、特に『ONE PIECE』に夢中になっていて、毎日『ONE PIECE』を産み出した国の環境の中で暮らしたら、色々と刺激を受けていいアイデアが出てくるだろうなと思ってたんです、ちょっと極端な話なんですけど(笑)。もちろん中国にも音楽大学や専門学校はありますが、クラシック音楽を主体にしたところばかりなんです。日本だとクラシック音楽のほかにも色んな音楽を学べる学校がたくさんあるので、二人とも、東京の同じ音楽専門学校に入ったんです。
R: その学校を決めるにあたって、情報はどうやって集めたんですか?
Case Wang : 最初はネットで検索して情報を集めました。それから、音楽大学、専門学校も含め、たくさんの学校のオープンキャンパスに足を運んだんです。その中でその音楽専門学校が一番自分のやりたいジャンルと合うと思って選びました。
Lola One : 私も情報集めは、Caseと同じくネットですね。音楽専門学校には、日本人のほかにアメリカ人の先生もいて「インターナショナルな知識も得られるかな」と思ったのが理由の1つです。
東京で起こった運命的な出会い
R: 日本の専門学校ではどのようなコースに進んだのでしょう?
Case Wang : 二人は同じ年に入学した同級生なんですけど、僕はDTM、作曲、アレンジのコースを選びました。
Lola One : 最初はギターのコースでしたが、2年生になったら音楽プロデュースのコースに学部を変えて作曲を勉強しました。
R: では、入学した時は別の授業をとっていて顔を合わせることはなかったんですか?
Case Wang : そうです。2年生になってからです。1年生のときはLolaの存在は知らなかったんです。
R: では、2人が2年生になって初めて会って最初に話した時のことは覚えてますか?
Case Wang : それは多分、プリプロダクションの授業の時ですね。クラス内でチームを作り、一緒に曲作りをしてコンペする授業で、その時Lolaは違うチームだったんですが、授業の後に中国人みんなでご飯を一緒に食べに行こうとなり、そこで初めてLolaと話しました。実は、その時までお互いが中国人だとは認識してなかったんです。ご飯を食べに行って初めてお互いに中国出身だと分かったんです(笑)。
R: それはびっくりしたんじゃないですか!
Case Wang : はい。その時はコロナ禍で多くの授業がオンラインだったので、お互いに顔を合わす機会がなかなかなかったんです。
R: なるほど。でも中国から同じ時に同じ東京の学校に入るなんて、ちょっと運命的に感じますよね?
Case Wang : はい、日本語でいうと「ご縁」ですね(笑)。
ボーカリスト・Lola One(ローラ・ワン)と、DJ・Case Wang(ケース・ワン)が東京で出会い、
エレクトロニック・ポップ・ユニット「Wang One(ワンワン)」を結成。バンド名の由来は、二人の名前「Wang」と「One」を合わせたもの。
Lola One(ローラ・ワン):中国、南京出身。シンガー、作詞作曲を担当。ステージ上ではクールな表情と歌声で幅広い世代を魅了する。英語で書かれる歌詞は深くコアな世界観を持っており、新世代のエレクトロニック・ポップを予感させる。
Case Wang(ケース・ワン):中国、上海出身。サウンド・プロデュース、作曲、キーボード、ボコーダー、ベース、DJを担当。彼の指先から繰り出される多彩なサウンドとビートはWang Oneの「頭脳」であり「心臓」。そしてボコーダーによるコーラスはWang Oneのもう一つの「声」である。
そもそも、世界中の中からある人と出会うこと自体がもしかしたら「運命的」なことかもしれませんが、Wang Oneの二人が異国の地で出会い音楽デビューを果たしたことは、確率的に言っても「運命的」と言う言葉がふさわしくありませんか?Caseさんが「ご縁」という言葉を残しましたが、その言葉を聞いた日本人の私は「そう、それがご縁です!」と思わず反応してしまいました。
Wang One結成、
デビューにも運命的なストーリー
R: では、一緒にグループを始めようと最初に誘ったのはどちらだったんですか?
Case Wang : 僕からLolaを誘いました。二人でグループを組む前に、ある授業でみんなの曲を一緒に聴く機会があって、その時Lolaは彼女が以前やっていたロックバンドの曲を提出してみんなで聴いたんです。僕は「Lolaのボーカルはすごいな」と思いました。ロックのソウルを持ってるような感じでした。一方、僕はエレクトロのトラックを作っていて、これは面白い組み合わせになると思って誘ったんです。
R: Lolaさんは誘われて、どう思いましたか?
Lola One : 「ああ、やっと楽になるな」と思いました(笑)。一緒にチームを組めば、曲作りやアレンジ、トラック作りなど、色々とCaseが助けてくれると思ったので。Caseは色んなことができたので、めちゃくちゃいいチームになると思いました。日本に来た最初のころ、自分で曲を作って、メンバーを探してリハーサルをしてみたんですがなかなか上手くいかなかったんです。皆さん、どちらかというとプレイヤー志向で、曲を作る上でのアイデアを一緒に出し合う感じではなかったんです。Caseみたいな曲を作りあげられる才能ある人に出会えたのはすごく良かったです。
R: なるほど、二人で組むことになって最初からうまく曲はできました?
Case Wang : 最初にできた曲は、Wang Oneのデビュー曲『Walk On Shame』なんですが、最初にLolaがLogicにボーカルラインを入れて僕がデータをもらいました。それに対して僕が色々とアイデアを入れて完成させました。
R: なるほど。Lolaさんがメインとなるアイデアを作り、それをCaseさんがアップグレードさせた。いいコンビネーションだったんですね。
Lola One : はい、そうです。Caseがアップグレードしてくれました(笑)!
R: そして日本でデビューが決まったわけですが、その経緯をお伺いしていいですか?
Case Wang : 学校の卒業制作としてアルバムを作る授業があり、そこで2人の曲を提出したんです。その時の講師がプロデューサーの藤井丈司さんだったんです。藤井さんに僕らの曲を気に入ってもらい、藤井さんがレーベルのU/M/A/A (ユーマ)に紹介してくれてデビューが決まりました。
R: なるほど。それも運命的な出会いですね!その学校で二人が出会い、さらに出会った先生がデビューのきっかけになった訳ですから。
サウンドを作り出す機材たち
R: ここから機材の話を聞いていきますね。Caseさんが使っているDAWは何ですか?
Case Wang : 中国ではWindowsが主流ですのでImage-Line Software FL STUDIOを使っていましたが、日本に来てからApple LogicとAbleton Liveを使い出しました。
R: 学校でLogicの授業があったんですよね?
Case Wang : はい。ただ、やっぱり自分で触ることが大切ですので、独学でも深く学んでいったという感じです。Cubase、Pro ToolsといったほかのDAWも一通り使いましたが、音質の違いはともかく一番フィーリングにしっくり来たのがLogicとAbleton Liveでした。僕はアナログシンセサイザーが大好きでいくつか持ってるんですが、シンセをいじってできたサウンドからインスパイアされて曲を作ることもよくあります。もちろん、シーケンサーで組み立ててからスタートすることも同様にあります。
R: 一番好きなシンセはなんでしょう?
Case Wang : ベースの音が大好きなんですが、一番かっこいいベースサウンドを出せるのはMoog sub 37ですね。あと、汎用的に一番使えるシンセはやはりXFER RECORDS SERUMですね。
R: Lolaさんの家にも音楽機材はあるんですか?
Lola One : 私はギターとステージ・ピアノのRoland RD-2000だけなんです。自宅で曲のスケッチを作った後はCaseのスタジオで作業する流れです。
R: ボーカルレコーディングもCaseケースさんのスタジオで?
Case Wang : そうです。自宅にボーカルブースの部屋があって、NEUMANN U 87でレコーディングしています。
R: まだデビューから日が浅いと思いますが、毎日音楽を作ってる感じですか?
Case Wang : そうでもないんですよ(笑)。2人ともインスピレーション系の人間なので、ちゃんと休憩してインプットがないと曲ができないタイプなんです。ただ、一旦アイデアが蓄積されたら、そこからたくさんの曲ができていきます。加えて、僕はDJもしてますので、トラックのアイデアの断片に関しては常に作ってます。
R: ライブ活動の状況はどんな感じですか?
Case Wang : デビュー後はまだ2回だけなんです。今年9月に音楽イベントumi conexión “Hayamatic!” 2024に出演し、2日前まで大阪にいたんですが、FM802の主催のMINAMI WHEELに出演しました。あと、デビュー前にSTOLENという中国バンドが来日した時にオープニングアクトとして大阪(2024年1月30日)と東京(2024年2月1日)でパフォーマンスしました。
中国と日本のオーディエンスの違いは?
R: 日本のオーディエンスや、ライブハウス、クラブの状況は中国と比べて違いますか?
Case Wang : オーディエンスに関して言うと、東京は中国よりちょっと静かでおとなしい感じがします。ただ、大阪の人は中国みたいに賑やかな感じがしますね(笑)。
会場の話をするとサウンドは結構違います。中国の会場の音は、ヨーロッパやアメリカのトレンドのように低音を厚く出す感じですね。日本の会場は中域付近の音に焦点を当てて大切にしているように感じます。あと、中国の会場は日本に比べると大きなスクリーンを備えた場所が多く、VJなどのビジュアル面に関しても設備が充実しています。ただ、中国では設備や機材はしっかりと備わってるんですが、残念ながらプロフェッショナルに使いこなせるスタッフが少ないんです。一方、日本のプロの方々は皆さん総じて高い技術の人ばかりで驚きました。
R: これからのWang Oneの予定を伺っていいですか?
Case Wang : 現時点では、7月17日にデビュー曲の『Walk On Shame』を、9月9日には『(I Don’t Give a) Crap』の2曲をリリースしています。そして、ちょっとバラード寄りな曲になる予定ですが、年内にサードシングルをリリースする予定で進めています。可能であれば、来年アルバムを出したいですね。
Lola One : そうですね。アルバムでは中国の雰囲気を感じさせるような曲を、中国出身の私たちでしかできないような曲を作りたいですね。
Case Wang : 将来的には、例えば5年後に世界中の色んな大きなフェスに出れたらいいですね。
Lola One : 私はヨーロッパやアメリカでも活動できるようなシンガーになれればいいなと思ってます。
R: 最後の質問ですが、お二人にとって音楽は何でしょうか?
Case Wang : 音楽はリズムとメロディーの組み合わせですが、リズムは人を踊らせる要素があり、僕がダンスミュージックが好きな一番の理由はそこです。一方、メロディーは曲の魂になり、時には歌詞と組み合わせて人の心に働きかける。その組み合わせが僕にとっての音楽です。
Lola One : 私にとって音楽は力です。どういう力かというと、人を癒す力です。私の作る歌詞と歌声をもって、私が音楽に抱く世界観をリスナーの皆さんに届けて、癒すことができればいいなと思っています。
「世界の共通語」のように語られる音楽ですが、国や地域によってそれぞれの特徴や違いがあり、だからこそ音楽が面白いと言える要素でもあります。Wang Oneの二人は今後、世界への進出を視野に持った活動を志しているようですが、中国、日本という二つのバックグラウンドを持って、これまでになかったユニークな海外進出のあり方を実現してもらいたいですね!
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