八木 裕子 (福祉社会デザイン学部学部)
2025年11月、学生3名を引率して輪島市で災害支援活動を行いました。能登半島地震と豪雨で被災した認知症グループホームとデイサービスで利用者支援に取り組み、最終日は輪島市の地域踏査と社会福祉法人佛子園が運営している仮設住宅の集会室(コミセンBASE)の見学を行いました。
本活動は、能登半島地震および豪雨によって大きな被害を受けた地域において、学生が現地で支援に取り組むことで、能登半島地域のさらなる発展に寄与することを目的として実施しました。認知症グループホームやデイサービスにおける利用者支援、地域踏査、仮設住宅コミセンの見学を通じ、学生が被災地の現状を直接把握し、復興に向けた地域の歩みを深く理解する機会となりました。また、地域の方々からは活動継続への期待が寄せられ、大学の取り組みが地域社会から信頼されていることを実感する成果も得られました。
さらに今回、コミセンを運営する社会福祉法人佛子園より、コミセンでの社会福祉士のソーシャルワーク実習の受け入れについて打診をいただきました。佛子園は輪島カブーレ(障害者、高齢者など多様な住民が共に過ごす「ごちゃまぜ」の運営を行う拠点)をはじめ、被災後の地域福祉を支える多様な施設を展開しており、学生はその運営の工夫と課題を現地で学ぶことができました。復興途上の輪島で、福祉施設がどのように地域を支え続けているのかを知ることは、学生にとって大きな学びであり、社会福祉士を志す者にとっても実践的な視点が得られる貴重な経験となりました。
このような現場での学びには、学生の参画が不可欠です。学生は柔軟な発想力と行動力を活かし、利用者との関わりや地域住民との交流を通じて温かな雰囲気を生み出し、地域に活気をもたらしました。また、復興途上の地域で直面する課題を自らの目で確かめることで、社会課題に主体的に向き合う姿勢が育まれました。こうした経験は、大学の教育理念である実践的学びを体現するものであり、学生の成長に大きく寄与しています。
さらに、学生の交通費等の経費支援は、活動の質と継続性を高めるうえで重要な役割を果たしました。遠方の被災地での活動は経済的負担が大きく、自己負担のみでは参加できる学生が限られてしまいます。経費支援によって多様な背景や専門性を持つ学生が参加可能となり、①支援体制の強化、②活動内容の充実、③災害支援・福祉分野の人材育成といった具体的な効果が生まれました。経費支援は学生が安心して活動に参加し、責任を持って取り組める環境づくりの基盤となっています。
以上のように、本活動は能登半島地域の復興と発展に寄与すると同時に、学生の教育的成長にも大きく貢献しました。佛子園からの実習打診や地域からの期待は、活動が一時的な支援にとどまらず、今後の継続的な連携へと広がる可能性を示しています。学生参画と経費支援を両輪として、大学として持続的に社会貢献活動を推進していく意義は大きいといえます。