松丸 亮 (国際学部学部)
本活動では、2024年の能登半島地震および同年9月の豪雨によって大きな被害を受けた奥能登地域を対象に、地域資源の調査および復興に向けた活用可能性の検討を目的として活動を実施した。活動は、事前調査、現地調査、分析・考察の流れで進めた。
まず事前調査として、インターネット等を用いて能登半島地震や豪雨の被害状況、復興ボランティアの動向、地域資源(伝統文化、伝統産品、観光資源など)、既存のブランド資源や観光ルート等について情報収集を行った。また、地域資源を組み合わせた新たな価値創出の可能性についても検討した。
次に第1回現地調査(9月8日~12日)では、災害ボランティア活動として被災家屋の修復作業に参加するとともに、地域の文化・観光資源に関する視察および聞き取り調査を実施した。具体的には、蛸島キリコ祭りの視察、珠洲ホースパーク、珠洲市役所での聞き取り調査、見附島や白米千枚田などの観光資源の視察、さらに輪島塗や和ろうそくの体験調査などを行い、地域文化や観光資源の現状を把握した。
さらに第2回現地調査(1月9日~12日)では、食文化をテーマとした調査を実施した。日本酒やワインなどの酒類関連事業者を中心に、酒蔵やワイナリー、クラフトビール施設等を訪問し、試飲や施設見学、事業者への聞き取りを通して、地域産業としての食文化の現状や課題について調査した。
これらの調査結果をもとに、地域資源の活用可能性や復興に資する取り組みについて分析・検討を行った。
現地調査および分析を通じて、能登地域には伝統文化、景観、食文化など多様な地域資源が存在し、それらを組み合わせることで新たな魅力を創出できる可能性があることが明らかとなった。特に、地域住民のつながりや伝統文化の継承といった要素は、復興に向けた重要な基盤となっていることが確認できた。
一方で、交通手段や宿泊施設の不足、観光拠点の営業状況の不安定さなど、観光客誘致における課題も多く存在することが分かった。また、酒類や食文化などは地域内では広く流通しているものの、全国的な発信は十分とは言えない状況であることも確認された。
これらの調査結果を踏まえ、能登の魅力を高めるためには「風景」「伝統工芸(体験)」「食(食べ物・飲み物)」といった地域資源を組み合わせることで、交通や宿泊の不便さを補う価値を創出できる可能性があると考えられた。また、若者を中心とした認知拡大を図るため、SNS(特にTikTokなどのショート動画)を活用した情報発信の可能性についても検討を行った。
本活動を通じて、現地調査によって初めて認識できる地域資源や復興に向けた取り組みを数多く把握することができ、能登地域の魅力を全国へ発信していく必要性と今後の課題を整理することができた。