「井上円了が志したものとは」作品募集

井上円了の大いなる志はどのようなものであったのか、井上円了の教育理念等を中心に探求し、それを現在の自らの生き方に照らして、いかに活かしていくかを考え、文章にまとめ表現した作品を募集します。

応募は下記のGoogleフォームからお願いします。(応募期間2024年4月27日~7月15日)

・東洋大学生の部(東洋大学生は、大学のgoogleアカウント[@toyo.jp]を使用してください。)

東洋大学生の部はコチラ


・一般の部(作品提出には、googleアカウントが必要です。)

一般の部はコチラ


[参考書籍]

・チャレンジャー井上円了

・井上円了の生涯ー哲学の伝道者をめざして

・東洋大学史ブックレット

・ショート ヒストリー 東洋大学

・井上円了の教育理念

募集要項はコチラ

2023年度 東洋大学長賞受賞者の声

<東洋大学生の部> 福祉社会デザイン学部社会福祉学科1年 角田駿介さん

この作品には「差別と哲学」というタイトルをつけました。それには、私の体験が深く関係しています。私が高校三年生のときに、多くの周りの人たちから進路について尋ねられました。その際に私が「大学に進学します」と答えると、「大学に行けるなんて凄いね」と言われたことがあります。ちなみにこの時点で大学名は明かしていません。つまり、大学のイメージや偏差値は関係なく、大学に進学すること自体を称賛しているということです。しかし、本当に大学に進学することは凄いことなのでしょうか。文部科学省によると、令和4年度における大学(学部)進学率(過年度卒を含む)は56.6%であるといいます。つまり、高等学校等卒業者の半数以上が大学に進学しているのです。このことから、大学に進学することは凄いこととは言えず、私に障がいがあるからこそ言われた言葉だと分かります。

では、このような差別や偏見を無くすためにはどうしたら良いのでしょうか。私はその答えこそ井上円了先生が説いた「哲学」だと思っています。哲学を学ぶことによって今まで当たり前となっていた偏見や先入観を見つめ直し、一人一人が自分自身の頭で考え、判断することができるようになると思います。結果として、差別や偏見を無くすことにつながるのではないでしょうか。今回、私の作品を読んで障がい者への差別や偏見について考えるきっかけになれば嬉しく思います。

<一般の部> 土師康生さん

私は、岡山県の倉敷高校で国語科教師をしております。現在は非常勤講師として、定年退職までは、中学・高校の教諭として、古文や漢文を主に担当してきました。ライフワークとして、随筆や短歌や川柳などの創作もしています。

仕事、また趣味として長年日本語について勉強をし、指導をしてきた環境・立場から見て、明治初頭に起こった漢字廃止論の動きに反対し、漢字の必要性を訴え、漢字を守った井上円了先生の考えにたいへん感銘を受けました。井上先生のさまざまな業績の中でも、この事柄について掘り下げて、考えてみたいと思い、学び、私なりの文章にまとめ、応募しました。その文章を学長賞という形で認めていただいたことは、大きな喜びであり、今後の私自身の教育活動や創作活動への大きな励みとなります。

井上先生の業績を学ぶことは、今に続く日本の文化、日本の社会、そして日本人の心のありかたについて考えることであり、入賞するしないに関わらず、自分自身の向上につながります。私自身、今回の作品募集で、井上円了という素晴らしい先人とその功績を知り、漢字についての考えが深まったと思います。そして、それ以外の、井上先生の業績をこれからも学んでいこうと思います。 

※2023年度の結果はこちら