国際学部 国際地域学科 4年 三浦 朋美

1.活動のきっかけ

 私は、岩手県の沿岸部に位置する大槌町の出身で、小学校6年生の時に東日本大震災を経験しました。私は、震災当時からこれまで故郷の復興について考え活動し続けています。大学生になり、地元の被災者女性が立ち上げた団体の活動をお手伝いしたりして、自分が故郷岩手のためにできることはないかと模索していました。そんな時、ゼミの担当の中村先生と大阪にある豊能障害者労働センターを訪問したことをきっかけに、「人と布プロジェクト第3弾」に参加させて頂けることになりました。

写真:大槌町のシンボル「蓬莱島」と2012年に再建された赤い灯台

写真:被災者女性が立ち上げた岩手県大槌町の団体のイベントに参加した時の様子

2.「人と布プロジェクト」

 「人と布プロジェクト」というのは、大阪府箕面市にある豊能障害者労働センターが企画する、それぞれ違う場所の人と人を布でつなぐプロジェクトです。今回は、宮城県気仙沼市、アフリカ・ケニア、大阪府・茨木市と箕面市の人びとをつなげ、ケニアから直接輸入した大胆なデザインのキテンゲ生地を使った「サコッシュ」を作りました。私はこのプロジェクトの企画の部分に関わらせて頂き、「サコッシュ」作りを提案しました。サコッシュ作りを提案したきっかけは、2019年の夏のアフリカ旅行にあります。私は、国際地域学科のゼミの仲間とアフリカを旅行しました。現地で見たアフリカの人々が身につけている布に私の目は釘付けでした。色鮮やかさだけでなく、模様の種類も様々で、植物、動物、果物から、ニワトリ、鍋や水道の蛇口など、日本では見られないような柄が多く、布選びにワクワクしたのを覚えています。「日本でもこのアフリカの布を身に付けたい!気軽にスマホやお財布が持ち運べて両手が自由に使えるサコッシュなら・・・!」そう思ったのがサコッシュを提案したきっかけでした。

写真:価格交渉する様子

気に入った布を選び、カタコトのスワヒリ語で価格交渉を行いました。

写真:洋服店での記念撮影

自分たちが選んだアフリカの布でスカートやシャツを仕立ててもらいました。

写真:豊能障害者労働センターのスタッフの方とディスカッションを行う様子 

3.震災エッセイ

 共に作業をする中で、私が故郷のために何かしたいと考えていることを知った豊能障害者労働センターのスタッフの方にお声がけをいただき、センターの機関誌に私自身の被災体験についてのエッセイを寄稿する機会を頂きました。今まで語ってこなかった思いや、無意識に封印していた感情を表現する為の言葉選びは難しく、文章を書こうと思ってから、常にそのことを考えるようになりました。ノートを常に持ち歩き、大学の講義を受けながら、関連して思い出した事やふとした友人との会話から感じた事などをすぐにメモしたりしました。それは、現在の大学での授業や生活と当時の経験を関連させて物事を見つめ直す作業でした。震災直後のこと、大学生になってからのこと、そしてこれからのこと。自分の思いを素直に綴りました。

震災エッセイ「9年目のメッセージ」