海外英語実習体験談(2022年度)

Short-intensive Program (ShIP)/海外英語実習 学生の声(2022年度参加)

 

2022年度は3年ぶりに海外でShIP (Short Intensive Program) を実施しました。

実施校はマレーシア科学大学、サンカルロス大学(フィリピン)、トンプソンリバーズ大学(カナダ)で、計81名が参加しました。

 

以下、本年度に実施した実習(10月1日~11月6日)に参加した学生に、現地で苦労したこと、実習を経て自分のなかで成長したと思うこと、思い出エピソードを聞きました。

最終発表会後の全体集合写真

マレーシア科学大学(USM)コース

1年 長谷川百花

 

1.最も力を入れたこと

会話の中で自分が分からなかった表現、単語をそのままにしないことです。毎日の生活の中で英語を使わなければならない環境に飛び込み、初めの頃は言語の壁をたくさん感じました。英語を使えるチャンスなのに上手く英語を話せないから積極的にバディさんに話しかけられない状況をなくしたい。そこで自分が英語で伝えられなかった表現、バディさんが使っていた単語を毎日ノートにまとめることにしました。分からなかった表現を携帯にメモをする、学校が終わってからノートにまとめ次の日に実際に使ってみることをしていました。例えば、"まじで"のようにカジュアルな会話の中でしか使われないような表現、日本語でよく使うのに英語になるとわからない表現が実際に多くありました。またその英語を実際に使って会話の中で練習することを心がけるようにしていました。

 

2.自分の中で成長した点

行動力はこのプログラムを通して大きく成長しました。PBLの活動では実際に街に出て自分たちで調査、インタビューをしなければならなかったし、全部の授業が英語で行われるので分からないことがあったら先生に質問しにいかなければならない。さらに、私達はコロナの影響で一部オンラインに予定が変更されたのもあり、限られた時間内でどう行動しバディさんとコミュニケーションとっていくか"自分から"を意識させられる場面が多くありました。そのため、自分から行動した分より多くの経験を得られたと思います。

行動力をつけられたことで英語の授業内での発言、PBLの活動に積極的に参加できるようになっていったように感じます。またマレーシアの多様な文化に触れた経験によって私の自身の考え方、知識の輪を今まで以上に広げてくれたと思います。

 

3.印象深いエピソード

村を訪れた時にマレー式の結婚式を体験したことです。私は花嫁役をやらせてもらい服から式の内容まで実際の結婚式と同じように全て行いました。結婚式中、笑顔を維持するのに疲れて引きつってきた頃に「何度も笑って!」と現地の人に声をかけられ、お母さんが結婚式で娘を見守ってくれているかのように感じ、とても温かい気持ちと不思議な感覚になりました。現地の方が何から何までサポートしてくださり、全ての経験がこのプログラムに参加していなければ一生できない貴重な体験をすることができたと思います。一カ月は一瞬に過ぎてしまい、最終日はバディさんの顔を見るたびに涙が止まりませんでした。でも、今も電話をするほどUSMのバディ、チューターさんと家族以上のように仲を深めることができ、語学面以外でも一生忘れない経験をすることができました。

村でのホームステイプログラム

フィリピン・サンカルロス大学(USC)コース

2年 塩谷菜歩

 

1. プログラムで最も力をいれたこと

プログラムで力をいれたことは、間違えてもいいからとにかく英語を話すことです。最初の頃は自信がなくて授業中もなかなか積極的に話しかけることができなかったのですが、先生が「間違えてもいいからとりあえず話してみて」と何度も言ってくれたのでだんだんと積極的に手を挙げて発言することができるようになりました。フィリピンでの生活では思うように自分の考えを言葉にすることができず、もどかしいこともありましたが、そのときはすぐに自分が言いたいことを調べて実際に使い、何度も繰り返し話して定着させることを意識していました。現地の学生(バディ学生)もみんな本当に陽気で優しくて、たくさん話しかけてくれて、学校終わりにはご飯に連れて行ってくれたり買い物に付き合ってくれたりしたので、学校外でも日常会話をすることができました。このプログラムを通して英語を話すことに対して抵抗がなくなりました。

 

2. 自分のなかで成長した点

私はこのプログラムを通して、自分にとっての当たり前が誰かにとっての当たり前ではないということに気づき、異文化を理解するための姿勢を学ぶことができました。水道水が飲めない、公共のトイレにトイレットペーパーがない、道路は整備されていなくて歩く人は信号無視しないと渡れないなど、日本では考えられないことがフィリピンでは当たり前だという事実を目の当たりにして、私を含め多くの日本人学生がここでずっと暮らすなんて考えられない、というのが最初の頃の正直な気持ちでした。しかし、暮らしていくうちにそれが当たり前のことだと肌で理解することができるようになっていきました。最初は皆日本が恋しいという話ばかりしていましたが、2週間も経つとフィリピンの生活にも慣れ、帰りたくないとずっと話していて、1ヶ月の間にここまで気持ちの変化があると思わなかったので自分でも驚きました。フィリピンでの生活を通して、他者・他文化を理解するという点で、自分自身成長できたと強く感じます。

 

3. 印象深いエピソード

スクワッターエリア(不法居住地域)からリロケーション(政府の再定住政策)で引越してきた人が住むフィリピンのバンカル(Bankal)という地域に行った時、そこに住む人たちの食事に関してインタビューをしました。私たちはある家族にインタビューをしたのですが、毎日何を食べているのか質問した時、「お米に醤油をかけたものを主に食べている」と言われて衝撃を受けました。さらに私たちは、「食事をしているときは幸せですか?」と聞いたのですが、「家族みんなでご飯を食べることができて幸せだ」と話していました。そこで私は、衣食住が整った日本で暮らす私たちは小さな幸せに気づくことができなくなっているということに気がつきました。日本に暮らしているとあれも食べたい、これも欲しいと貪欲になってしまいますが、家族と一緒に美味しいご飯が食べられるということは幸せだと改めて気付かされ、日本での日常に感謝しなければならないと感じました。

Balay Samaritanoで出会った子どもたち

カナダ・トンプソンリバーズ大学(TRU)コース

1年 森村宥美

 

1. 最も力を入れたこと

自分の意見をはっきり伝えることでした。日本では明確に伝えなくても意思が通じてしまう場面がしばしばあります。しかし、外国では自分の意見をきちんと言わなければ意見は通りません。そのため、いろいろな場面で自己主張をするようにしました。渡航当初の数日は緊張で上手く自分の考えがまとまらず、曖昧に返事することが多かったように思います。ですが、生活に慣れてくるにしたがってきちんと自分が言いたいことが言えるようになりました。単語が分からずどうやって伝えればいいか分からない時もそのまま諦めるのではなく、知っている単語を使って全力で伝える姿勢をとりました。そのおかげもあって、ホストファミリーや先生やバディとも距離が縮まりました。また、分からない単語や知らないスラングと出会った時はすぐにそれを調べたり、ホストファミリーや先生に尋ねるようにしました。その後その単語を会話の中で使うようにすることで、自分のなかでの定着を図りました。

 

2. 自分の中で成長した点

英語に対するハードルが低くなったことが成長だと思います。私は昔から英語が苦手でした。ShIPに参加することを決めた時も正直なところ不安でした。授業についていけるかどうか、ホストファミリーと意思疎通できるか、異国の地で買い物できるかどうかすべて不安でした。カナダ行きの飛行機に搭乗する際にも自分の英語能力の場合カナダコースではなく、他のコースの方が良かったのではないかと考えていたぐらいです。ですが、現地で一心不乱に授業を受け、ホストファミリーと会話を続けていくうちに英語に対する苦手意識がなくなっていきました。エッセイで満点をとった時は英語が苦手でも頑張ればきちんと評価されることが実感できて嬉しかったです。プログラムが終わる頃にはもっと英語を勉強したい、もっと英語で会話したいという気持ちが強くなっていました。

 

3. 印象深いエピソード

ホストファミリーと過ごした日々がとても印象深くて忘がたいです。私はホームステイは初めての経験でしたので最初はとても不安でした。よくホームステイは合う場合と合わない場合があることも聞いていたので、私のホームステイ先が厳しい家庭だったらどうしようと心配していました。ですが実際には、その想像とは全く異なり、ホストファミリーたちはとても優しく私に接してくれました。最初は緊張していて自分から話しかけることは少なく、そのためにホストマザーに気を使わせてしまいました。しかし、プログラムの最後の方には自分の悩みや将来の夢などなんでも打ち明けられる関係になりました。ホストマザーは私の事を本当の娘のように思っていると言ってくれ、嬉しい気持ちと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。日本に帰る日はホストファミリーとの別れが辛くて泣いてしまったほどです。カナダ以外の他のコースを選んでいたならば、このような体験は出来ていなかったので、カナダコースにして良かったと実感しています。

Short Tripの日の様子