国際地域学研修(マレーシア)を実施しました

 国際学部国際地域学科では、国内外での「地域づくり」の知識と、「現場」でそれを実行できる人材の育成を教育目標としており、実践的な行動力とグローバル社会で必要なコミュニケーション能力を高めるための国内外の専門研修や実習が充実しています。

2024年2月19日~3月1日には、都市難民に対する教育について学ぶため、2~3年生の計18名がマレーシア・クアラルンプールで研修に参加しました。マレーシアは東南アジア最大の難民受け入れ国でありながら難民キャンプが存在せず、難民たちは都市で不法移民と同様の位置付けで暮らしています。

子どもたちは正規の教育を受けることができないため、非正規のコミュニティスクールで学んでいます。学生たちはこうしたコミュニティスクールを訪れ、子どもたちと勉強や遊びを共にしたり、グループごとにテーマを決めて、教師や運営者への聞き取りや授業・活動の観察を行いました。

その他、現地の私立HELP大学ではバディ学生との交流や旧正月フェスティバルでのパフォーマンス披露を行ったり、在マレーシア日本国大使館では報告会を実施するとともに大使館アタッシェから業務のお話を伺いました。

コミュニティスクールの学習環境は決して良いものではありませんでしたが、だから即、支援が必要だという我々の考え方とは異なり、設備を自分たちで修理したり、学習意欲が削がれることなく熱心に何事にも取り組むなど、「難民=暗い、かわいそう」といった元々のイメージは覆されることになりました。ニュースやインターネットで得られる情報を鵜呑みにするのではなく、現地を訪れ、実際に人々と時間を共にすることの大切さを、身を持って体験することができました。

 

(執筆者:国際学部国際地域学科 金子 聖子)