「能登を味わう復興支援の会」を開催しました。

2024年2月17日に東洋大学白山キャンパスのスカイホールで「能登を味わう復興支援の会」を開催しました。

2022年度、2023年度のフィールド調査実習(SFS能登、国際地域学科主催)参加学生が、お世話になった能登の復興支援のために実習で教わった料理を作成して「能登の味」としてふるまいました。

当日は、これまで能登半島で実施してきた研修・調査など(能登ゼミ)に参加した学生・卒業生が集まり、けん引役を担ってきた卒業生(19年度卒 高野真さん。本学国際地域学研究科進学。)が進行を務めました。学生は、研修で学んだことやレシピを紹介し、能登で教わってきた料理を作成して参加者に味わっていただきました。

学生たちは、2023年度の研修後、その地域で受け継がれてきた伝統や温かい心、美しい自然と人々の暮らしを残したいと考え、能登の暮らしや教わってきた料理のレシピを紹介する「えちゃけまがじん」を作成しました。これを会の開催にあわせてOBOGの協力で印刷・発行しました。


(当日の協力学生の感想)

-今回、SFS能登でお世話になった方や歴代のSFS能登に参加した先輩など、普段会うことのない方々とお会いすることができました。私たちが能登でお世話になった安成寺で教わった精進料理を当日の朝に調理して皆さんに振る舞ったところ、美味しいと言って召し上がっている様子を拝見することができ、能登地震のニュースを拝見し暗い気持ちになっていた心が明るくなりました。能登のお酒や食べ物の販売も好評で即完売しており、皆さんにとって少しでも能登について考えるきっかけや能登の方を元気付けるきっかけになれたなら嬉しいです。この会ではこれまで能登に何かしらの縁があった方たちが多く集まり、能登のつながりを大いに感じました。これから私もその一員としてお世話になった能登に恩返しができたらなと思います。(地域総合専攻3年 工藤 洸)


-私は2022年にSFS能登に参加したことをきっかけに、お手伝いをさせていただきました。今までは同時期に活動したメンバーとの横の繋がりを強く感じていましたが、この会を通して先輩・後輩との縦の繋がりも深まり、多くの人が能登での活動を支えてきたのだと改めて強く実感しました。現地に行った人には共通の味である料理の提供を通じて、「懐かしい」「能登を思い出す」といった声もかけていただき、非常に嬉しく思いました。私も能登で経験した『人』との関係を大切に、卒業してからも関わりを続けたいと思います。(地域総合専攻4年 藤井 澪)


-私たちが教わってきた能登の精進料理を美味しいと言って食べてくださりとても嬉しかったです。食べ物や発表を通して能登の良いところをみなさんに伝えることができたのではないかと思います。(国際地域専攻3年 宮本紀佳)


-今回「能登を味わう復興支援の会」で私たちがお世話になった安成寺さんの精進料理を6品作らせていただきました。学年の垣根を越えて会の準備を行い、先輩方と能登についてお話しながら準備する時間はとても有意義でした。今年度私たちが作成した成果物の一つである「えちゃけまがじん」も配布することができ、実際に手書きしたレシピを見て頂きながら、お品書きを紹介しました。先輩方や参加者の方々から料理について嬉しいコメントも沢山頂き、この会を通して能登を愛する皆さんと良い時間を共有出来た気がします!(国際地域専攻3年 渡部 光)


-約3ヶ月ぶりに精進料理を作ったが、全員が持ち場についてスムースに作業できていたことに驚いた。今回作った精進料理では能登野菜を振る舞うことができ、私たち自身も改めて能登野菜の魅力を感じられてとても嬉しく思う。(地域総合専攻3年 佐藤美愛)


-能登研修では、能登の方々に様々なことを教えていただき「伝えることの価値」を実感したので、今回は自分たちが学んだことを形にして伝えられたことが嬉しかったです。会で初めて会った人達ばかりでしたが、発表や料理を通して1つになれた空間でした。それも能登の力なのかなと感じ、さらに能登を好きになりました!(国際地域専攻3年 塚原成美)


-準備から当日の料理の提供などに携わらせていただきましたが、今回このような会に携わることができ、とても嬉しく感じています。会の準備をしてくださっていた先生方や先輩方の姿、また当日訪れていた方々の姿から、いかに能登が多くの方にとって大切な場所であるのかを再認識しました。また、能登を通じて知り合うことのできた方々との繋がりを大切にしていきたいと改めて感じました。能登を訪れた時期や学年が異なる学生での料理の準備でしたが、能登での思い出話をしたりと懐かしみながら楽しく準備を進めることができました。さらに、当日は実際に能登で今回のメニューをつくったことのある方も多く参加していたため、この食材も能登から取り寄せたんだねという会話や懐かしさを喜ぶ声なども聞こえ、準備段階も含め素敵な会であったと感じています。今度は、能登やこの会を通じて関わることができた方々と能登で集まることができるようになったら嬉しく思います。(国際地域専攻4年 後藤梨沙)


-私たちが研修の成果として作成した「えちゃけまがじん」を配布したところ、嬉しいお言葉を沢山いただき、作成にあたっての目的の一つである、能登の魅力を伝えるということを果たすことができたと思います。また、能登研修の際に教えていただいた精進料理を会で提供し、皆様に美味しいと言っていただいたことがとても嬉しかったです。皆様にも「えちゃけまがじん」を参考に、ぜひご家庭で作ってみていただきたいです。今回の会で、これからも能登と繋がっていたい、能登を応援したいと改めて思いました。(国際地域専攻3年 芝 優音)


―能登地震で大きな被害を受けた地域の方々のために何かできることはないかと考えていましたが、今回このような機会をいただき少しでも力になることができたと、大変嬉しく思っています。SFS能登を通じて多くのことを学び、その中で素敵な出会いもたくさんありました。地域の方々をはじめ、先生方や先輩には大変感謝しています。これからも能登と関わり続けたいという思いが、より強くなった会となりました。(国際地域専攻3年 梅田真梨亜)


―SFS能登の参加者として、そして、高橋先生のゼミ生として、今回の会に携わらせて頂きました。能登で知り合った方々との久しぶりの再会もあり、時間が過ぎるのがあっという間でした。約1年ぶりとなる「おとき」の作成は不安でしたが、自分が能登の味を広める側になるということがとても感慨深かったです。会の運営に携わる中で、改めて能登を通じて出会った人達との絆を感じ、そして、これからも能登に関わっていきたいと思いました。(国際地域専攻4年 篠崎 真侑)


―ほんの数時間ですが、安成寺で作った料理作りを手伝わせていただきました。能登研修の際は何気なく作っていた料理でしたが、今回改めて作っていると安成寺での生活や鵜野屋のきれいな自然や情景を思い出させてくれる特別な料理だと感じました。改めてこのような特別な経験を作り上げてくださった先生方、安成寺さん、鵜野屋の方々に感謝申し上げます。(国際地域専攻3年 中西 稔)

また、卒業生(20年度卒 西原佳美さん)の尽力で能登の産品を取り寄せ、紹介・販売も行われました。開催の準備の段階で被災した事業者の方たちへ販売を提案したところ、このことが事業再開への意欲を取り戻すきっかけとなった方もいらっしゃいました。

なお、当日は会に先立って、能登での研修実施に尽力されてきた髙橋一男副学長の最終講義が行われました。最終講義、復興支援の会では、学生に加えて、髙橋ゼミ・能登ゼミのOBOG、国際地域学部・国際学部国際地域学科の卒業生、本学教職員総勢約100人が集まりました。

いただいたご寄付、会費及び物品販売の売上の合計は520,700円でした(2024年2月23日現在)。当日の経費(203,028円)を差し引いた残りが、今後の復興支援活動にあてられる予定です。

全国各地からのご参加、ご寄付、そのほか惜しみないご協力をいただきました皆様に心から感謝申し上げます。

(執筆者:国際地域学科教員 藪長千乃)