能登におけるフィールド調査実習の報告会(オンライン)を開催しました。

2024年1月18日に、能登におけるフィールド調査実習(SFS能登)の報告会を実施しました。

フィールド調査実習は、真のグローバル人材を育成することを目的とし、学部の教育目的である現場主義に立脚した「地域づくり」を学ぶとともに、学生一人ひとりが「哲学」を獲得することを目指して、国際地域学科が設置している科目です。学生は大学での事前学習で基礎調査を実施し、現地での活動目標と調査計画を立て、現地では教員の引率なしにグループで調査を実施する実習です。

SFS能登では、2023年11月下旬に石川県志賀町鵜野屋地区で2班の学生が入れ替わりでそれぞれ4泊5日の調査を実施してきました。現地調査後、2か月にわたって調査の成果をまとめ上げ、現地で受け入れを担当していただいた安成寺様、能登定住・交流機構代表の高峰博保様にオンラインで報告しました。

安成寺様は1月の能登半島地震で被災しましたが、寺に残って地域の方と助け合いながら片づけなどをされています。高峰様は被災状況の確認、営業再開や道路・電気・水道等の復興情報などをまとめて発信する活動をされています。そのような状況の中で、報告を聞いていただきました。以下、それぞれの班からの報告です。


A班

私たちは現地調査を通して過疎地域の現状を知り、魅力を活かしながら課題を解決して地域振興につながる林業再生プロジェクトを提案しました。

研修を通して地域の皆さんの温かさに触れ、大切な場所や人々がたくさんできました。そして、こうしたご縁で巡り会えた大切なものをずっと残していきたいという思いでプロジェクトを作りました。私たちのプロジェクトがいつか実現し地域のために少しでも力になれたら嬉しいですし、今後もまちと関わり続けて私たちなりに恩返しをしていきたいと思います。

B班

私たちB班は、インタビュー調査や5日間の成果から、本研修の目的となっていた過疎地の課題発見・解決策の提案ではなく、この研修で目にしたこと・学んだことを伝えたいという結論に至りました。そこで、お世話になった地域の方々への感謝を伝え、私たちの経験を可視化し、残すことを目的としたブックレットの作成を行い報告書とともに発表しました。内容は、私たちが研修を通して学んだことや口伝えで伝承されていた精進料理のレシピをまとめたものになっています。貴重な経験をさせて頂き、たくさんの人と交流することができた研修のまとめとして、お世話になった方々に成果発表をすることができました。また、大変な状況の中、住職や坊守の変わらない笑顔を見ることができ安心しました。

 

ビデオ会議システムで顔を見たときに、お互いに涙があふれてきました。安成寺様は、何よりも学生の顔を見られるのが励みになるとおっしゃっていました。復旧・復興のために少しでも力になりたいと考えています。

最後になりましたが、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。被災地の皆様の安全と一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

(執筆者:国際地域学科3年 河上叶宝、渡部光)  

安成寺様

A班プレゼン

B班プレゼン

能登定住・交流機構 高峰様