トルコ・シリア地震被災地支援 チャリティー・ディナーを開催しました。

5月19日夕、東洋大学白山キャンパスのスカイホールにて、トルコ・シリア地震の被災者支援のイベントを開催しました。シリアンハンズ(在日シリア人が中心のボランティア団体)を、子島ゼミをはじめとする東洋大生のボランティアがサポートする形で行い、学内外から100名が参加するイベントとなりました(東洋大から40名、学外より60名)。おいしいシリア料理を食べた後に、現地で活動するモルハム・チーム(シリア人のNGO)からの報告をオンラインで聞きました。 

当日は大粒の雨が降る悪天候となりましたが、学外からも卒業生、大塚モスクの関係者、ジャーナリスト、そして白山キャンパスのご近所のみなさんと、多くの方が関心をもって参加してくれたことに、感謝します。

おかげさまで、10万5270円を今回のイベント収益として、シリアンハンズよりモルハムに送付してもらうことができました。  

このイベントは、友人のザイナ・ホサム・エルデインさんからの相談を子島が受けて、開催する運びとなりました。シリア出身のホサムさんは、在日シリア人や日本人と協力して「シリアンハンズ」という団体を作り、難民や国内避難民(IDP)となった同胞を10年にわたって支援してきました。東京周辺のさまざまな場所で行われるバザーやお祭りに参加し、難民となった女性が作った手工芸品やシリアのお菓子(在日シリア人によるお手製)を販売しつつ、寄付を呼びかけてきました。豊島区にある大塚モスクとも協力して、食料配布、住居、教育分野の人道支援のために送金した額は、これまでに8000万円を超えています。

2011年の「アラブの春」以降、シリアでは独裁的なアサド政権が民主化を求める自国民を攻撃する事態がつづいています。シリア内戦をモニタリングしているSNHRによると、20万人を超えるシリア国民が、自国政府による攻撃で命を落としています。

https://snhr.org/blog/2021/06/14/civilian-death-toll/?fbclid=IwAR0y2lPuK6iNWdAbgx1eRwANI5broaAq8VkM4NdTGBvHO5YSDkziYuZWuKw

ホサムさんたちが支援しているのは、トルコに逃げて難民となっているシリア人、そしてトルコとの国境に近いシリア北部で暮らす人々です。北部で暮らすシリア人はアサド政権に抵抗しているため、日常生活のあらゆる面で物資の欠乏に悩まされています。また政府軍からの攻撃によって住居も繰り返し破壊されてきました。そのような厳しい状況で暮らす人々を、2月の大地震は襲いました。

参考情報 シリア北部の窮状を伝えるBBCのビデオです。

Syrian earthquake survivors feel 'forgotten' - BBC News

震災後すぐに救援活動を開始した団体の一つにMolham Volunteering Teamがあります。モルハム・チームは2012年にシリアの大学生が立ち上げた団体です。現在、NGOとしてトルコ、ドイツ、スウェーデン、カナダに拠点を置いて活動しています。2018年夏、子島はホサムさんの紹介でこの団体の本部を訪れ、インタビューを行いました。それが今回の地震の最初の震源地となったガズィアンテプ(Gaziantep)です。

モルハム・チームHP

震災後、彼らはすぐに住宅再建のための支援活動を開始しました。プロジェクトの第1段階として、2000万ドル(約26億円)を集め、4000世帯が入居できる集合住宅を建てることを目標としています。もともと、アサド政権による攻撃で家を失った人々のための再建プロジェクトとして始まっていたことから、すでに入居が始まっています。

نحن الحالمون، نحن.. فريق ملهم || We are the DREAMERS!

参考情報 モルハムの活動に言及しているロイターの記事です。
Donations and despair: Syria's north-west tries to rebuild after quake- Reuters

子島進(国際学部国際地域学科教授)