ブタ肺炎などの慢性疾病は、増体重などの生産性を下げる要因の一つです。そのため、慢性疾病に対して遺伝的に抵抗性を示すブタ集団を対象に、その遺伝的特性を明らかにするための研究を行っています。また、飼料摂取量や体重などの毎日の変動は、ストレスに対する耐性(レジリエンス)として評価できる可能性が考えられています。そこで、ブタを対象に飼料摂取量などの変動に関する遺伝性を調査し、ストレス耐性としての育種指標となりえるか検討するための研究を行っています。
研究業績
Homma et al. (2021) : https://doi.org/10.1016/j.animal.2021.100384
Uemoto et al. (2021) : https://doi.org/10.1038/s41598-021-95339-2
Uemoto et al. (2023) : https://doi.org/10.1111/asj.13827
近年の社会情勢や円安による飼料価格の高騰は、輸入飼料に依存しているわが国の肉畜生産において深刻な問題であり、肉用牛やブタにおける飼料利用性の向上は重要な課題です。そこで、肉用牛やブタを対象に、飼料利用性を改良するための研究を行っています。
研究業績
Takeda et al. (2018) : https://doi.org/10.1093/jas/skx054
Takeda et al. (2019) : https://doi.org/10.1111/asj.13316
Homma et al. (2021) : https://doi.org/10.1016/j.animal.2021.100384
Shinoda et al. (2022) : https://doi.org/10.1111/asj.13691
Kemmotsu et al. (2024) : https://doi.org/10.1093/jas/skae176
ウシのルーメンで発生しゲップとともに排出されるメタンは、畜産分野における温室効果ガスの主要因として考えられており、効果的な抑制方法が求められています。ウシのメタン排出量は、これまで飼料やルーメン微生物叢の影響が大きいことが知られていました。しかし、近年の研究から個体自身の遺伝的能力によってメタン排出量に差が見られることが分かってきました。そこで、メタン排出量を抑制するための育種方策について検討する研究を行っています。
研究業績
Uemoto et al. (2020) : https://doi.org/10.1111/asj.13341
Uemoto et al. (2020) : https://doi.org/10.1111/asj.13383
Uemoto et al. (2024) : https://doi.org/10.5713/ab.23.0120
ウシの受胎率などの繁殖形質は、雌牛を対象とした遺伝学的な研究がこれまで行われてきました。しかし、雄側にも影響があることが分かってきたことから、雄側の形質としての受胎率や精子活力など、オス繁殖形質の遺伝性を調査することで、繁殖形質を改良するための研究を行っています。
研究業績
Nagai et al. (2022) : https://doi.org/10.1016/j.animal.2022.100472
Nagai et al. (2022) : https://doi.org/10.1093/jas/skac241
Kinukawa et al. (2023) : https://doi.org/10.1016/j.animal.2023.100804
Uemoto et al. (2024) : https://doi.org/10.1016/j.animal.2024.101137