地域の様子
本校は、平成27年に三川小学校、平成30年に富里小学校と統合し、大塔地域に1校の小学校となった。校区は東西22㎞、南北約18㎞に拡がり、総面積は219.06平方キロメートルとなり、大阪市(225.21平方キロメートル)とほぼ同じの広大な校区となった。児童は交通量の多い国道311号線を横断しての登下校や三川、富里地区からのスクールバスによる通学もあることから、その安全確保も課題となっている。
校舎は、鮎川地区のほぼ中央に位置し、通学の形態はほとんどの児童が徒歩通学である。三川地区、富里地区からはスクールバスによる通学を行っている。また、国道311号線沿いで遠距離の児童については、バス等による通学を認めているが、現在、該当の児童はいない。
地域の特色としては、過疎化に伴う人口流出を食い止めるための施策として、旧大塔村当時より地場産業振興や団地造り、宅地造成等に力を注いでできた。このような施策を進めてきたものの、本校の児童数については減少傾向にある。特に、三川・富里地区は人口減少が著しく、65歳以上の高齢者の割合は共に50%以上あるなど、少子高齢化の進んだ地域である。そんな中、平成22年に児童養護施設「くすのき」が開所し、そこからの児童も登校するようになった。
保護者の職業は、9割以上を山林が占める本地域にあっても、農林業関係に従事している方は少なく、市内及び近隣の町への勤めが大半を占め、共働き家庭がほとんどである。
地域や保護者の方々は学校教育に対する関心は高く、学校運営にも協力的でPTA主催の校内整備作業では多くの保護者の参加が見られる。また、地域の方においても学社融合事業であるふれあいスクールや読み聞かせやミシンサポーターなど授業支援等でも多くの方に協力を得ている。また、本校の学社融合を進める上で公民館の支援が欠かせないものとなっている。さらに、校区に位置する田辺消防署大塔分署には緊急搬送や救命救急訓練、避難訓練等で特に連携を密にとってくれており、児童の安心安全面で大きな支えになってくれている。
28年度、国・県・市の指定を受け、地域や公民館の協力を得ながら大塔地域共育コミュニティ本部事業発表を終了することができたが、この取り組みは今後ともを継続していくこととして、平成30年度発足の「大塔地域学社融合推進協議会(大塔CS)」の活動においても、更に保護者や地域、関係機関との連携をより充実させていく必要があると押さえている。
児童の様子
本校の児童はおおむね明るく、素直で、与えられた課題には真面目に取り組むなどの良さあるが、昨年度の実施状況報告からは次のような課題があげられている。本年度、これらの児童の課題基本的な生活習慣の課題・学校生活での社会性・学力等の課題、デジタル社会での問題があり、課題の解決に向けて取り組みを進めていきたい。
学校運営方針
1.本校の教育目標
『豊かな心をもち、生き生きと活動する子どもを育てる』
2.本年度の研究テーマ
『学び合いを大切にする授業づくり』
3.めざす学校像
(1)楽しい学校
(2)安全・安心な学校
(3)基礎基本を充実させる学 校
(4)よくわかる学校
◎「よくわかる学校」とは、
①子どもにとって
ア、授業がわかる
イ、自分が大切にされていることがわかる
ウ、自分が必要とされていることがわかる
エ、誰が支えてくれるかがわ かる
②学校にとって
ア、何が児童、学級、学校、地域の課題なのかがわかる
イ、自分が何をすればよいのかがわかる
ウ、取り組みの方法や手順がわかる
エ、保護者、地域との連携の仕方がわかる
③保護者にとって
ア、学校、学級が何をめざし、何をしているかがわかる
イ、子どもが大切にされていることがわかる
ウ、何ができるかがわかる
エ、誰が支えてくれるかがわかる
④地域にとって
ア、学校が何をめざし、何をしているかがわかる
イ、何を協力すればよいのかがわかる
4.めざす児童像
(1)よく学ぶ児童(考える子)
(2)明るく思いやりのある児童(助け合う子)
(3)ふるさとを愛し、たくましく生きる児童(元気な子)
5.めざす教師像
(1)一人ひとりを大切にし、粘り強く指導に取り組む教師
(2)専門職として授業力を磨く教師
(3)チーム学校の一員としての教師
(4)鮎川小学校の職員として自覚をもち、高め合い助け合う教師
(5)率先垂範する教師。
取組目標
1.確かな学力
(1)基礎的・基本的な学力を習得させ、定着を図る。
(2)一人ひとりを生かし、自ら学習していく力をつける。
(3)思考力や表現力を育てる。
(4)学習規律の徹底を図り、学習への姿勢をつくる。
(5)聴き合い、学び合える学級風土をつくりあげる。
(6)学習習慣をつけるために、家庭学習の充実を図る。
2.豊かな広い心
(1)児童の内面を耕し、美しい心や根気強い心を育てる。
(2)自他を大切にすることを基調に、寛容な心を育てる。
(3)基本的な生活習慣の形成に努める。
(4)思いやりの心を育てる指導に努める。
(5)人を大切にする教育、福祉教育の充実に努める。
(6)読書による間接体験で豊かな心を育む。
3.個と集団の好ましい関係
(1)集団の中で自己を生かし、共に高めあう態度を育てる。
(2)縦割り活動の充実に努める。
(3)集団の一員としての自覚を持ち、役割を意識して行動する態度を育てる。
(4)自他を大切にする性学習や食育、安全教育の充実を図る。
4.運動に親しみ、健康な生活
(1)めあてを持ち、楽しんで運動に参加する子の育成に努める。
(2)健康な生活を送るために、食生活や生活習慣の改善に努める。
(3)安全な生活をするよう心がける。
(4)体育行事に積極的に参加する態度を育てる。
(5)防災教育の充実と災害対応能力を育てる。
5.開かれた学校・学社融合 ※大塔地域学社融合推進協議会(「大塔CS」)
(1)公民館との連携を密にし、学社融合に努める。
(2)学校の情報を保護者、地域に積極的に提供する。
(3)全職員で学社融合の推進を図る。
(4)地域の教育力を生かした授業づくりに努める。
(5)PTA活動の充実を図る。
6.特別支援教育の充実
(1)特別支援の必要な児童の教育的ニーズを把握し、適切な支援を行う。
(2)特別支援学級、特別支援通級指導教室の運営の充実を図る。
(3)特別支援教育に関する現職教育を充実する。
(4)特別支援コーディネーターを中心に組織的な対応を行う。
7.共育コミュニティの推進 ※大塔地域学社融合推進協議会(「大塔CS」)
(1)小中一貫教育の改善・充実を図る。
(2)家庭学習の充実を図る。
(3)生きて働く学力のための授業改善を図る。
(4)ふるさと学習の改善・充実に努める。
(5)鮎川・三川・富里地域へ出向き、計画的な交流を図る。
8.教育環境の改善
(1)興味・関心・意欲を高める環境づくりに努める。
(2)安全で潤いのある学校環境、学習環境づくりに努める。
(3)地域の物的・人的環境の活用に努める。
(4)公民館と連携しながら、体験的な学習を促す地域環境の探求と整備に努める。
学校スクールプラン