亀田研究室
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亀田研究室の紹介
情報理工学科(人間情報)で2021年度新設の研究室です。ともに研究室を運営し、自らの興味と方向性に応じて主体的に活動し、できれば大学院まで学問する楽しさを感じてほしいですね。画像・映像処理、コンピュータビジョンなどを基盤として様々なテーマを扱いますので画像処理プログラミングは必須です。画像処理の中でも、信号処理や通信などの実用インフラに近い分野になるでしょうか。視覚情報処理の変分オプティカルフロー(見かけの動き)推定法を中核技術として研究します。また、動きで未来を予測する応用研究として、情報通信分野の映像データ圧縮符号化や医用画像の動き解析、気象・地理分布の時系列データ解析などを行っています。そのほか、運動錯視画像の情報学的解析なども行っています。(これまで学生が直接研究したことはないですが、)当学科は数理情報分野もあるということで、数値解析や変分法などの応用数学に基づく画像処理の改良に関する研究も希望があれば実施可能です。他大学から進学した大学院生もいます。
動き推定とは?
視覚を持つ生き物は、運動物体の動き量を見積れるだけでなく、眼の移動による景色の流れからその移動量(自己運動)を見積ることができます。このような運動物体と景色の見かけの動きを合わせた速度場をオプティカルフローとよびます[Optical flow]。視覚心理学の知見に基づき、ビデオカメラの映像情報からオプティカルフローを推定する理論の大枠が1980年くらいに明らかになりました。現在でも様々な手法が提案されていて、深層学習に基づく手法も流行っています。映像から新たに得た動き情報を用いて、本研究室では様々な応用研究をすることができます。
映像処理と変分オプティカルフロー推定、3次元映像処理と変分シーンフロー推定
アルゴリズム(計算方法)の改良
推定のための数理モデル(偏微分方程式系)の改良(数理情報分野関連)
センシング関連:次世代視覚センサ(イベントカメラ)や距離センサのための情報処理
映像データ圧縮符号化(高能率符号化)(情報通信分野関連)
時系列3次元(4D)医用データ解析
運動錯視画像解析(視覚心理学)
研究テーマ案。これらに限らず学生自身で調べたテーマでも構いません。
イベントカメラを用いた超高時間分解能動き推定、奥行き推定
見かけの動き推定による映像データ圧縮
カラー画像・ステレオ画像・3次元画像(奥行き映像)
深層畳込みニューラルネット(深層学習)の応用(データ圧縮、認識、検出など)
(複合知)運動錯視画像のコンピュータビジョン的説明と解析
本学での関連選択科目(履修済みである必要はありません)
3年秋:画像処理工学、実験心理学、離散数学(差分・補間)、リモートセンシング信号処理(隔年)、感覚情報処理(隔年)、偏微分方程式(隔年)、物理における固有値問題、数値伝熱工学I・II
3年春:信号基礎論、生体医工学(隔年)、メディア情報論、ニューラルネットワーク、多変量解析、常微分方程式(隔年)
2年秋:ディジタル信号処理、データ構造とアルゴリズム、数学CII、フーリエ・ラプラス解析、<理工共通>熱力学、物理標準と精密計測
2年春:数値計算法、数学CI、オペレーションズリサーチ、解析力学、自然科学のための数学、<理工共通>幾何学基礎
1年秋:微分方程式の基礎、数学AII、数学BII、数学演習II
そのほか、情報フルエンシーのプログラミング
(参考 高校科目: 物理(光学、波動、力学、電気磁気)、数学(微積、代数、三角関数)、情報I、情報II)
研究室で身につく能力
卒業研究で一般的に身につける能力に加え、Python3、C++20以上、OpenCV最新版など各種最新のプログラミング能力と、アルゴリズム設計能力。希望に応じてLinuxシステムやコンピュータネットワークなど。
研究室設備
インテル RealSense Depth Camera D435i など
Ladybug 360⁰ Spherical Camera
パソコン(一人1台以上。システム的には破壊しても何してもよい)
GPUワークステーション、共有計算サーバ(Linux)複数台(インテルコンパイラ)
NVIDIA A6000x4 搭載 384GB RAM ワークステーション
ファイルサーバ、複合機などその他必要なIT機器
Google Colab Pro+
主な研究室ソフトウェアライブラリ
数値安定性を保証した変分オプティカルフロー推定
数値安定性を保証した変分ステレオシーンフロー推定
数値安定性を保証した変分デプスシーンフロー推定
オプティカルフロー・シーンフロー推定の性能評価
シーンフロー可視化ソフトウェア
研究室の場所
9号館3階355C、356C。直射日光が当たらず、庭園の見える見晴らしの良い部屋です。
https://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya.html
研究室活動
3年生までの学生実験までは上手くいく手順がありましたが、卒業研究ではその手順が分からないところからのスタートです。どの学科の研究も、「何を主題にして」、「何が従来の課題で」、「どのような手順で何が明らかになったのか」を自分自身できちんとまとめて他者に分かりやすく理論立てて説明する能力を養うためにあると思います。研究室在室のコアタイムは今までもなかったので作らないつもりです。卒業研究・大学院研究に必要な演習やミーティングの曜日コマは所属学生達と調整して決めます。予算や制度などが許すなら、積極的に学会の研究会や国際会議の聴講・投稿を補助します。希望者には査読付き国際会議・論文誌への投稿について指導します。歴代で何人かは受賞もしています。
4年生のおおよその年間予定
年間通して、サーベイ(関連・先行研究の文献調査と実装)を実施し、都度学生間や教員と議論します。
4月~5月 歓迎会、各自希望のテーマ調査、基礎プログラミング・OpenCV演習(前期)
6月~7月 テーマ大枠決め、院試、SSIIオンライン参加、MIRUオンライン参加
(どちらもIT系新興企業参加者も多い。他大の学生も多い)
8月~9月 テーマ決め、各テーマ説明会、改良・解決法の調査・実験、議論、9月院試
10月~11月 様々な調査・実験の結果のまとめと考察の試行錯誤と繰り返し、
PCSJ/IMPS参加(NTT、KDDI、NEC等、電機・通信企業参加者が多い)
12月~1月 卒論作成、卒論要旨・本文提出、学会発表(希望者)、忘年会
1月~2月 卒論発表会、2月院試
3月 学会発表(希望者)、研究データまとめと保存(10年間)と次年度引継ぎ
ミーティングでは文章資料作成、スライド作成両方について指導します。
参考:修士課程の年間予定
基本はサーベイと試行錯誤、学生・教員間議論を年間通して実施します。山中研究室との合同研究報告会を開催しています。
M1前半 B4とのチーム編成予定。B4演習補助。学会発表と国際会議投稿準備
M1後半 学会発表・参加、論文誌投稿準備、インターンなど
M2前半 就活、サーベイ、試行錯誤
M2後半 学会発表、論文投稿、修論発表
研究で参考になるリンク集
IEICE総合大会主なイベントの3/10木午前の論文の書き方講座
そのほか上記の関連資料ページから
研究室ICTツール例
Slack。メールやMoodle メッセージなどと異なり、基本的にメンバーに開かれた形で個々人とやり取りします。
Overleaf。学位論文関連と予稿やarticleなどフル履歴付きで多人数と共有編集します。
Mendeley / Refworks。参考文献リストの共同作成にグループを使います。
OneDrive for Business。Officeファイル共同編集やその他クラウドファイル共有に使います。
GitHub Education (Organization)。研究プログラムや実験データの共同編集とアーカイブに使います。
Moodle。内部向けポータルサイト。