このページでは教育方法や授業方法に関する事を書きます。
教育方法や授業方法を専門としていないので,しばらくは授業アンケートの集計などを行います。
何かに発展できれば良いと考えています。
アンケートの自由記入欄には
授業で学んだこと
授業(教員)への不満
をお願いしましたが、区別が曖昧なのでまとめて書きます。
( )内は、感想に対する私のコメントです。
エントロピーS という物理量がどんな性質を持っているか、学ぶことができた。
断熱操作や等温操作でのエネルギーの違いと、その差から熱Qを出せることがわかった。また断熱準静操作で変化しない量としてエントロピーSを定義するためにヘルムホルツの自由エネルギーF の温度変化を定めることがわかった。
サイクルの式や U やF の関数から求めることができた。説明がていねいだった。
熱力学の講義で学んだ定理などの証明。原理から全て証明していた。
理想気体やファンデルワールス気体の V, P, S などを求める。
できるだけ分かりやすく説明しようとしてくれて、とてもわかり易かった。ありがとうございました。けど、少し問題数が多かった。
Kelvin の原理が大事であることがわかった。あと、F の基準点を決めたり(S が変化しないよう)、理想気体のF の積分定数のことなど、細かいところも丁寧に説明して非常に良かった。
プリントに解法が載っていたことが良かった。準静操作とそうでない場合の違い、( )と[ ]での使い方の違いがわかった。
熱力学を学んで、ふだん何気なく使っている熱について学んだけど、そこにたどり着くまでの大変さとか、いろんな要請や操作について、理解するのが大変でした。授業で学んだことは、テストで見せつけたいと思います。
問題が考察しがいのあるものが多く、勉強になった。
先生が熱心に自分達を教えてくれて嬉しかった。
前野先生と同じ田崎 『熱力学』ベースで、初学者にとって為になる良問が多くてとても身についた。
Legendre 変換は大切だが、実際に熱力学で使う範囲まで扱っていないので、最初ではなく最後に回して、もっと相転移の方まで進めて欲しかった。
(参考になりました。相転移まで議論できるように授業の構成を変更します。)
熱力学と熱力学演習の授業時間を交換して欲しい。熱力学で学んで、演習で解く方が頭に入りやすい。
(これは私が決められないのです。。。)
必修の講義よりも説明が細かった。ノートが取りやすい。
(講義では、熱力学の概念全体・体系全体を話していたのだと思います。一方、演習では個々の問題の解法に焦点を当てました。そのため個々の問題に関しては、演習の解説が細かくなったのでしょう。講義・演習ともに支え合って、学生の理解を促しています。いわゆる共生。車の両輪です。これは、初等量子力学の講義と演習でも同じです。)
小テストがあると良かった。
小テストをやって欲しい。
(テスト範囲が広すぎるってことかな。下のように検討します。)
発表したくなかった。
(学生による発表形式をやめて、毎回の授業の半分を解説、半分を小テストする形式を考えてみます。)
人が多すぎて、たまに教室が狭く感じる。
(履修学生の数に対して教室が狭いかもしれません。再履修する4年生が多いのも一つの原因です。前の席が2~3人分空いているので使いましょう。)
反対側の黒板をもっと使って欲しい。
(下と正反対の意見。どうしよう。)
後ろの黒板は使わないで欲しい。小さくて学生によって見えにくい。
(上と正反対の意見。どうしよう。)
最後に証明問題の解答例まとめが欲しい。
学生によって見づらい、分かりづらい解答とかもあったので、プリントとして解答があったら嬉しかったです。
(来年度から解答例を準備します。)
演習と初等量子力学(講義)の日にちを交換して欲しい。その方が納得しやすい。
(これは私が決められないのです。。。)
ガウス積分や定常状態についての波動方程式を学んだ。
学生の解答への補足や助言が分かりやすかった。
問題の質・量共に初学者にとってとても良いレベルだと思った。解き方や考え方が見について良かった。
Schrodinger 方程式から変数分離形を使うと時間に依らないSchrodinger 方程式を出せることや、規格化、確率密度などを学んだ。
先生のプラスの解説が分かりやすかったので、学生の発表ではなく、熱力学演習のように先生の解説が良いと思いました。
(進度が遅いこともあるので、授業形式については検討します。)
量子力学の初歩から、考え方や問題の解き方を学んだ。
量子力学を考えるもととなった光の粒子性、波動性、物質波を学んだ。
Schrodinger 方程式を用いて自由粒子や水素原子、ポテンシャルのある粒子の波動関数を求めた。
座標系を揃えることの大切さを学んだ。発表の難しさを学んだ。
物理学演習とはいうものの、ほとんど数学をやっている感じだったので、物理をするには数学もちゃんとやらないといけないと思った。
演習の模範解答があればいいなと思った。
もう少し難しくしてもいいと思った。もう少し魅力ある説明をしてもらいたかった。
(学生の発表にしろ、私の解説にしろ、説明に不足を感じたら質問・コメントをしましょう。あなたの発言がより魅力的な授業を作ります。あなたの発言は、あなたにしか出来ないのだから。)
高校までほどんど無かった「問題について、発表すること」は、基礎の深い理解に役立つと思った。今までやったことがなかったので、こういった授業を受けられて良かった。
数学の厳密な解説がもう少し欲しかったです。あとこれ、力学基礎演習でしたよ!(笑)
(近似は使っていませんよ。ε-δ 論法的なことを期待しているのかな?授業の名前は物理学基礎演習ですよ!)
あと、学生間でのディスカッションをもっと増やしたほうが楽しいかも! 楽しくてなんぼだと思います!でも先生の雰囲気楽しかった!
(発表の質問タイムで、もっとディスカッションして欲しかったです。学生同士、遠慮していたように見えました。)
微分や物理学の基礎的な原理をより深く追求できた。
発表を学生の挙手でなく、先生が指名した方が授業がスムースに進み、かつ学生自身が得意な問題を答えることがなくなっていいと思った。
(挙手制か指名制か。考えます。)
1回しか発表していないのですが、相手に分かりやすく大きな声で説明(解説)していくのは大変だった。教員って毎回の授業の予習が大事であるということが身を持って感じました。
最初らへんの授業でよくあったのが、質問している時間の学生のおしゃべりがすごく気になり発表者に迷惑かけているような気がします。
(ただのおしゃべりか、問題を議論しているのか、分かりにくい場面もありました。この辺りは私の授業コントロール能力にも依りますので、改善を心がけます。ご意見ありがとう。)
人に説明するのはで、人に理解してもらうのはもっと大変だった。
授業で学んだこと、発表の難しさ。
自分が納得していても人に伝わるとは限らないと思いました。式で考える人や図で考える人、知識のある人も高校までの知識しかない人も皆分かるように教えるのはとても難しいことだと思います。頭が良い人も教えるのが上手いとは限らないですし、本当に適正とかもあるのだと感じました。
不満点は特に無いです。確かに発表はあまりしたくなかったですが、自分のためになったとは感じています。
前半でやった身近なことを物理的に見るのは考えるのも説明を聞くのも面白かった。
自分の考えを他の人に教える大変さを知りました。
自分の発表ができたのも良かったが、大田くんの発表が聞けたのが良かった。
定義や本質を理解している人としていない人では、説明の聞きやすさが違った。意識しようと思った。
もう少し難しくてもいいと思った。
(問題のレベルは検討します。)
最初は、高次のオーダーを無視するというのが、なんで無視できるの?と思ったけど、人生で初めてやった図解で微分するとこれ位だったら無視してもいいかという風に図形の小ささを自分の目で見ることで、そういう風に思えて、納得と理解ができました。良い問題です。分かりやすかったです。
発表の練習ができて、物理学現象をよく分かるようになりました。数式よりちょっと現実問題であればもっと良い授業だと思う。
自ら理解した上で、皆さんに教えるのは良かった点だ。
いろいろな人の発表が聞けてとても新鮮だった。
高校以上の内容で微分・積分を理解できてとても面白かった。
不満:学生による発表形式なのはとても良いと思うのだが、授業の進むスピードがまちまちで少し遅いようにも感じた。演習問題も答えを配っていただけたらより復習しやすくなると思いました。
今後の授業で必要な知識を学べたと思う。自分は理数教科が苦手だから、発表が嫌だった。
(物理系なので、物理・数学と仲良くしてください。)
高校の内容より深く入るので、問題が面白かった。問題の解答スペースが欲しい。
(自分でノートを準備しよう!)
高校では、ただ公式を与えられ、それを用いて解くということが多かったけど、今回は公式を導き出したり、証明したりして、人前にでは発表するという体験ができた。大学で習っているとういう感じがした。
(高校で学ぶ、いわゆる”高校物理”には、”高校物理”ならではの魅力があると思います。”高校物理”の範囲で何が出来るのか考えてみることをお奨めします。)
機械的に問題を解くのではなく、論理的に解く方法を学ぶことができた。
多くの人の発表を聞くことで様々な意見を聞くことができた。
授業の感想にも事細かくコメントしてくださり、不満はありません。発表の際のサポートやちょっとしたアドバイスなど大変ためになりました。また授業を受けたいです。
自分では理解できても、人に理解してもらうのは大変だと思った。
好きじゃない数学が多くて苦痛だった。
(数学によって、物理の可能性が広がります。ぜひ数学と仲良くしてください!)
発表(プレゼン)の練習として演習できた。高校で習った物理をさらに探求できた。
物理の問題に関して数学的に論理立てて解説を他人に対してすることによって物理に対する理解を深めることができました。
質問しなければならないという雰囲気がつらかったです。
(雰囲気が重かったかな?)
学生同士で話し合ったりするので他の人の考え方や解き方を知ることができたので、参考にしやすかったのと考え方が広がった。
自分とは違う解法があるとは分かっていたけど、改めて気付かされたような感じというか、驚きというか、そんな感じ。
いつのまにか長ズボン。
(話そう思っていましたが、誰からもツッコミが無かったので。。。)
良!全員発表なので自分の発表することに積極的になれた。
理学部棟に冷水機が無い。
(それは理学部事務に言ってください。)
質問されるのが怖かった。
(優しくしたつもりだけど。。。)
自分で理解していても、口に出して説明するのは難しかった。以下にして全体に説明するか考えることを学んだ。不満は特に無いです。
高校の知識で少し難しい問題が解け、理解が深まった。
学生が難しく説明しようとしすぎている。
(簡潔に説明するのは難しいです。問題のポイントを把握しないといけませんから。)
発表する形式が良い。
暑い。
(よりによって7月後半にエアコンが故障しましたからね。)
教員が面白い。
(真面目にやっていたのですが。。。冗談を言うこともなかったし、なぜでしょう?)
全員が発表して、その機会があったのはよかったと思う。基礎的な知識を取り入れる機会で良かったと思う。
図で書いて説明しても、他の人に伝わらないこともあった。
授業アンケートについて
自由記入欄には
授業で学んだこと
授業(教員)への不満
を書くようにお願いしました。その回答です。
幾つかの回答にはコメントしました。青色がそれです。
多少,イタズラと思うコメントもいくつかありますが,明らかな誤字以外は,原文のままです。
()内の文字は,私が補足しました。
ときおり出てくるTAとは,Teaching Assistantの略。実験をサポートする大学院生のことです。
物理学実験(医学部クラス)
有効回答27名の内24名が自由記入に回答。
物理学実験(理学部クラス)
有効回答29名の内25名が自由記入に回答。
各節ごとの点数を知らせる事はしません。
その代わり,各節ごとに必ず1つ以上の添削やコメントを書いています。
それらを参考に学習し,レポートを改善して下さい。
今後,あなたがレポートや報告書等を,教員や先輩(在学中),または上司や先輩・同僚(卒業後)に見せるとき,
各項目ごとに「何点満点中何点」といった評価は,毎回聞けることでは有りません。
もちろんそういった説明をする人もいます。しかし全員ではありません。
評価の全てを何点満点中何点といった形式で表現するのは,ナンセンスだと私は考えています。
レポートの採点は,評価基準として配布・説明したとおり,1レポート10点満点。
理論1点・方法1点・結果5点・考察3点です。
以下,各項目の目標。その到達度で点数を決めています。
理論:目的の物理量を得るために最も重要な概念や数式を書き,それを説明する。
方法:この部分だけを見て実験を進めることが出来る。
結果:得られた実験結果を生データを含めて全て書く。
有効数字を含めて正確な計算結果を得る。
指定された表やグラフを正確に書く。
考察:自分で得た実験データや実験中の現象について,その妥当性や原因・理由を説明する。
課題がある場合はそれが点数の半分。
結果は,正確なデータや計算の割合で決まるのでおよそ見当がつくと思うので,
恐らく,疑問なのは理論・方法・考察なのでしょう。返却されたレポートの理論・方法欄に
「〇〇が書いていない」,「△△の説明が不十分」とあれば,それを参考に不足を補いましょう。
考察では,「□□と主張する根拠を説明せよ」,「この説明では不十分」,「他の可能性はないか?」
などは,論理的な意味で不足が有ることを表します。また,「言いたいことは想像できるが,
日本語として不自然である」,「意味がわからない」,「字が読めない」などは,国語としての問題を表します。
2012年度前期の授業アンケートについて
自由記入欄には
授業で学んだこと
学びたかったけど学べなかったこと
を書くようにお願いしました。その回答です。
もっともだと思う意見ばかりです。
幾つかの回答にはコメントしました。青色がそれです。
熱力学演習
基本的な原理や法則などの理解および使い方を学ぶのに役立った。
学生が発表した時,板書がゴチャゴチャでノートの取り方を工夫する必要がある。
学生の板書方法については少し考えます。
考察の大切さ。数学の使い方。
物理量の物理的意味。
---
文字ばかりでなく,具体的な数値を求める問題をもっとやってみたかった。
後期は,レポートとして数値を用いる問題を取り入れます。
発表を通して,細かい条件などを含めた論理展開ができていないと気付いた。
---
対偶を用いて説明する解説がわかりやすくて良かった。
エンタルピーについて先生の解説を聞きたかった。
熱力学関数の解説をプリントを配ります。
議論をすることの大切さを学んだ。
もっと積極的に発言すればよかった。
発表の仕方を学んだ。
発表の上手な人の時はすごく理解できるが,グダグダに発表されるとあまり理解できなかった。
時間もかかるし,もう少し早く先生がフォローして欲しい。
ファシリテーションの改善を目指します。
熱力学が理解できた。
---
学生の発表が悪い点は,先生やその他の学生が指摘することで理解が深まった。
スムースな発表の仕方や鋭い質問などを学んだ。
---
授業だけでは足りなかった演習力。
人前で緊張しないこと。
皆が緊張しないような雰囲気作りを目指します。
量子力学演習
計算の方法,考察の仕方。
もう少しシュレーディンガー方程式を詳しくやりたかった。物理量について。
問題の量と配分を検討します。
シュレーディンガー方程式の解き方。
---
---
期待値をもう少し詳しく学びたかった。
光が自分自身と干渉し,波の性質を持つこと。
---
---
講義とペースを合わせて欲しかった。途中までは演習の方が先に進んでいた。
講義の先生と相談します。
難しかったけど量子力学の理解に役立った。
---
---
量子力学で何がわかるのか?何を求めてどうしたいのか?イメージしづらく分からないままだった。
難しかったです。
量子力学はすぐに分かるものではないので,粘り強く学習して下さい。
発表の難しさが分かった。
質問をもっとするべきだった。でもそれじゃあ,授業が進みません。
授業の進度は気にせず質問して欲しいです。
自分で理解するだけでなく他人に伝える難しさを学んだ。
---
発表する大切さと,物理の問題としての意味を学んだ。
---
---
もっとたくさんの問題を解きたかった。
物理学実験(まだ受け取っていない。受け取り次第まとめる。)