学部レベルのマーケティング論、流通論、統計学の知識を前提とします。知識が不足している場合は、受講前に各自で準備をしておいてください。また、直後のコマに開設の「流通チャネル論II」とセットで履修してください。
なお、この授業は久保研究室の学部3年生のサブゼミを兼ねています。
現在、流通・マーケティング研究では、非常に多くの論文が統計分析を伴う「実証分析」を行っています。したがって実証分析を理解できなければ、文献レビューすらままならなくなる事態が生じます。
このような問題意識の下、この講義では流通・マーケティング研究で多用されている実証分析の手法の獲得を目的とします。受講生が手法の使い方を理解するだけでなく、自分でリサーチ・デザインを設計できるようになることを目標とします。
授業内容は大きく前半と後半に分かれます。前半では回帰分析を中心に、後半は分散分析を中心に進めます。ソフトウェアはStataを用います。
実証分析の習得には、座学・実習・レポートのサイクルを短期集中で繰り返すことが効果的です。したがって、この授業は2コマ続けて行います。火曜5限開講の「流通チャネル論II」と同時に履修してください。
1回の授業は、教員による講義、論文の輪読、PC実習、レポート作成から構成されます。
4/14：田中 (2015) 第2章「データの扱い方」
レポート：（4/21〆切）
4/21：田中 (2015) 第3章「計量経済学のための確率論」
レポート：（4/28〆切）
4/28：田中 (2015) 第4章「統計学による推論」
レポート：（5/5〆切）
5/5：田中 (2015) 第5章「単回帰分析」
レポート：（5/12〆切）
5/12：田中 (2015) 第6章「重回帰分析の基本」
レポート：（5/19〆切）
5/19：田中 (2015) 第7章「重回帰分析の応用」
レポート：（5/26〆切）
5/26：田中 (2015) 第8章「操作変数法」
レポート：（6/2〆切）
6/2：田中 (2015) 第9章「パネルデータ分析」
レポート：（6/9〆切）
6/9：INFORMS：田中 (2015) 第10章「マッチング法」、第11章「回帰不連続デザイン」
レポート：（6/16〆切）
6/16：合成尺度と質問票の作成：主成分分析／因子分析／信頼性係数
レポート：（6/23〆切）
6/23：t検定とカイ自乗検定
レポート：（6/30〆切）
6/30：分散分析 (1)
レポート：（7/7〆切）
7/7：分散分析 (2)
レポート：（7/14〆切）
7/14：共分散構造分析
レポート：（7/21〆切）
提出されたレポート（70%）、ディスカッションへの貢献度（30%）によって評価します。
田中隆一 (2015)、『計量経済学の第一歩』、有斐閣。
松浦寿幸 (2015)、『Stataによるデータ分析入門：経済分析の基礎からパネル・データ分析まで（第2版）』、東京図書。