流通論(2020年度春学期)
科目の目的・到達目標
この講義は流通関係科目の入門コースと位置づけられます。
この講義の目的は、統計データや事例を用いて流通の問題を紹介し、それらの問題を「理論」を用いて読み解くための手ほどきをすることです。流通に関する新聞記事を一通り理解できる程度の知識の獲得を到達目標とします。
授業の概要
流通とは、生産と消費を結びつける経済部門です。事業環境の変化に対応して、流通は常に変化を続けています。例えば、新しい小売業態の登場、企業間の合併や垂直統合、電子商取引の進展、物流や情報処理のイノベーションに基づく垂直的関係の変化など、流通は興味深いトピックを次々に生み出しています。
講義の前半では、流通の中で流れる3つのフローを中心として、「企業間の取引」に焦点を合わせた講義を行います。
続く後半では議論を拡張して、流通を構成する4つのプレイヤー(消費者・小売業者・卸売業者・製造業者)に焦点を合わせた講義を行います。
幸いなことに事例には事欠かない分野ですので、各回、理論を用いて事例を読み解いていきたいと考えています。
授業計画
4月9日 (木)特別休講期間
4月13日 (月)特別休講期間
4月16日 (木)特別休講期間
4月20日 (月)特別休講期間
4月23日 (木)特別措置期間:イントロダクション
4月27日 (月)特別措置期間:日本経済と流通
4月30日 (木)特別措置期間:流通の基本概念
5月4日 (月)特別措置期間:ケース (1) アスクル
5月7日 (木)市場メカニズム
5月11日 (月)市場と組織:取引費用
5月14日 (木)垂直統合:関係特定的投資
5月18日 (月)垂直的関係:長期継続的取引
5月21日 (木)トヨタ生産方式と流通
5月25日 (月)延期と投機
5月28日 (木)物流システム
6月1日 (月)流通の情報化
6月4日 (木)消費者の買物行動
6月8日 (月)日本の小売構造
6月11日 (木)チェーンストア方式
6月15日 (月)伝統的小売業態
6月18日 (木)現代的小売業態
6月22日 (月)プラットフォーム
6月25日 (木)ネット小売業
6月29日 (月)日本の卸売構造
7月2日 (木)卸売市場と生鮮食品流通
7月6日 (月)エージェンシー関係
7月9日 (木)製造業者のチャネル戦略
7月13日 (月)授業内試験(オンライン実施)
試験期間(7月23日〜28日)
評価方法
持ち込み不可の期末試験で評価します。
さらに、試験に加点する形でケース・ディスカッション時の予習レポート(1回1~5点)と発言点(1回1点)を与えます。
テキスト・参考文献等
テキストは用いません。参考文献は以下の通りです。
矢作敏行 (1996)、『現代流通』、有斐閣、(ISBN):4641120145。