流通チャネル論Ⅰ/Ⅱ(久保研究室サブゼミ)
履修条件
学部レベルのマーケティング論、流通論、統計学の知識を前提とします。知識が不足している場合は、受講前に各自で準備をしておいてください。また、直後のコマに開設の「流通チャネル論II」とセットで履修してください。
なお、この授業は久保研究室の学部3年生のサブゼミを兼ねています。
科目の目的・到達目標
現在、流通・マーケティング研究では、非常に多くの論文が統計分析を伴う「実証分析」を行っています。したがって実証分析を理解できなければ、文献レビューすらままならなくなる事態が生じます。
このような問題意識の下、この講義では流通・マーケティング研究で多用されている実証分析の手法の獲得を目的とします。受講生が手法の使い方を理解するだけでなく、自分でリサーチ・デザインを設計できるようになることを目標とします。
授業の概要
授業内容は大きく前半と後半に分かれます。前半では回帰分析を中心に、後半は分散分析を中心に進めます。ソフトウェアについてはそれぞれ強みと弱みがあるので、前半ではStataを、後半ではSASを用います。
実証分析の習得には、座学・実習・レポートのサイクルを短期集中で繰り返すことが効果的です。したがって、この授業は2コマ続けて行います。火曜2限開講の「流通チャネル論II」と同時に履修してください。
1回の授業は、教員による講義、論文の輪読、PC実習、レポート作成から構成されます。
授業計画
第1週 (4/12):記述統計(平均、分散、標準偏差、共分散、相関係数)
リーディング:Galinsky, Adam D., Geoffrey J. Leonardelli, Gerardo A. Okhuysen, and Thomas Mussweiler (2005), “Regulatory Focus at the Bargaining Table: Promoting Distributive and Integrative Success,” Personality and Social Psychology Bulletin, Vol. 31, No. 8 (August), pp. 1087-1098.
レポート:エクセルでOLS(4/18〆切)
第2週 (4/19):Stata入門
レポート:松浦 (2015)、第2章練習問題(4/25〆切)
第3週 (4/26):OLS (1)
レポート:松浦 (2015)、第3章練習問題(5/5〆切)
第4週 (5/10):OLS (2) ダミー変数、対数変換、欠落変数バイアス、多重共線性
レポート:OLS(5/16〆切)
第5週 (5/17):推測統計と検定
レポート:カイ自乗検定(5/23〆切)
第6週 (5/24):合成尺度
レポート: 主成分分析/因子分析/信頼性係数(5/30〆切)
第7週 (5/31):質問票の作成/知覚マップ/クラスター分析/選好回帰分析
レポート: 知覚マップの作成(6/6〆切)
第8週 (6/7):質的従属変数
レポート:ロジスティック回帰分析とロジットモデル(6/13〆切)
第9週 (6/14):操作変数法
レポート: 操作変数法(6/20〆切)
第10週 (6/21):パネルデータ (1) FEとRE
レポート:松浦 (2015)、第4章練習問題(6/27〆切)
第11週 (6/28): パネルデータ (2) パネルデータの作成
レポート:(7/4〆切)
第12週 (7/5): 分散分析 (1) 被験者間計画の一元配置分散分析(ANOVA、対比、事前比較、事後比較)
レポート:(7/11〆切)
第13週 (7/12):分散分析 (2) 被験者間計画の二元配置分散分析(主効果、交互効果、単純主効果)
レポート:(7/18〆切)
第14週 (7/19):共分散構造分析 (1)
レポート:(7/25〆切)
第15週 (7/26):共分散構造分析 (2)
レポート:(8/2〆切)
評価方法
提出されたレポート(70%)、ディスカッションへの貢献度(30%)によって評価します。
テキスト・参考文献等
松浦寿幸 (2015)、『Stataによるデータ分析入門:経済分析の基礎からパネル・データ分析まで(第2版)』、東京図書。