マーケティング入門
科目の目的・到達目標
マーケティングとは、企業を顧客につなげる活動のことです。ターゲット顧客のニーズを捉えて、製品が自然に売れていくような仕組みを作ることがその目的です。
この講義の目的は、経済学や経営学を学んだことのない全くの初学者に対して、マーケティングの「大まかな全体像」を知ってもらうことです。全体像を知ることによって、履修生は2年次以降に設置されたマーケティング・流通系科目である「流通論」、「広告論」、「消費者行動論」、「マーケティング・チャネル論」、「商業史」、「マーケティング・リサーチ」等にスムーズに接続できるでしょう。
講義の最低限の達成目標は、受講生がマーケティングの世界で定番とされているツール(4P、STP、3C、5 Forcesなど)を適切に用いて、企業のマーケティング戦略を評価したり、自分なりに戦略立案ができるようになることです。これらのツールはビジネスプランを立案する際にいわば思考の出発点として用いられるものばかりであり、それらの有用性や限界を知っておくことは、学術的に興味深いだけでなく、実務志向の学生にも大いに役に立ちます。
授業の概要
企業は経営資源(ヒト・モノ・カネ)を用いて製品・サービスを作りだし、それらを顧客に販売することで本業の利益を得ます。商学部の他の基礎科目(経営学、会計学、ファイナンス)に対して、マーケティングの特徴は買い手である顧客との関係を扱うことにあります。
この講義では、専門的なトピックスを網羅的に学ぶことは避けて、厳選されたマーケティングのツールを体系的に紹介し、その使い方を学ぶことに重点を置きます。
履修上の注意
2015年度の商学部カリキュラム改正に伴って、この講義には複数の講義科目名がついています。履修している科目名に応じて試験範囲は以下のようになります。
期末試験の問題は受講している科目に応じて調整します。
「マーケティング入門」および「マーケティング論」の受講生
全30回分を試験範囲とします。
「マーケティング論I」の受講生
第1回~第15回を試験範囲とします。
「マーケティング論II」の受講生
第16回~第30回を試験範囲とします。
授業計画
評価方法
選択問題、記述問題、ごく簡単な計算問題から成る期末試験(100点満点)で評価します。
紹介したツールを正しく理解していることが単位取得の要件です。その上で、具体的なマーケティング課題に対して、ツールを適切に応用して、オリジナリティのある戦略を立案した答案に対して、内容に応じて高い評価を与えます。
講義中に自発的な発言を求めることがあります。発言は試験の100点に加点されます。例えば10点分の発言をした受講生は、仮に試験が100点であれば110点を、あるいは仮に試験が50点であれば60点を得ます。
テキスト・参考文献等
テキストは使いません。毎回の講義では、教員が作成したレジュメを使います。
初学者にお薦めできるきちんとしたテキストとして、以下の2冊を参考文献に挙げます。講義の副読本として読むと大いに効果的です。
沼上幹 (2009)、『わかりやすいマーケティング戦略(新版)』、有斐閣。
久保田進彦・澁谷覚・須永努 (2013)、『はじめのマーケティング』、有斐閣。