社会情報学部の学生で清成ゼミ(ゼミナールⅠ、Ⅱ、卒研)を希望する学生へのメッセージです。
ゼミ選考の際に、参考にしてください。(ただし、以下に記すことは、あくまで清成個人の見解であって、学部としての見解ではありません。拡大解釈をしてはいけません。)
まず、清成ゼミ志望者は全員必ず「研究内容」を熟読してください。
そして、記載してある研究内容に少しでも興味があると思うかどうか、よく考えてみてください。
清成ゼミの研究内容に興味関心があれば、ゼミ配属後は最終的には国際学会で発表できるレベルの研究に取り組むことを目指して一緒に頑張りましょう。
でも、全く興味がわかない場合には・・・・それでも清成ゼミに入りたいのは何故かをまずは自分なりに考えてみてください。
情報不足でなんとなく選択すると「ミスマッチ」で苦しむことになりますので、ここは真剣に考えてみてください。
その際に、自分が何に興味関心があって、卒業研究ではどういう内容で研究をしたいのか、自分の頭で当然考える必要があります。
ゼミ選択の段階では、まだ具体的な研究は思いつかないと思いますが、だいたいこういう感じのことを勉強したい、ということをしっかりと考えてみてください。
教員の研究テーマに全く関心がない場合には、当然ですが教員側からテーマを提案できませんので、言われなきゃ何もしない指示待ちの受け身の姿勢では何も進みません。
自分でやりたいことをやり通すためには、自発的に先行研究や関連研究を探して論文を読み、自分がやりたい研究アイデアをゼミで発表して、ゼミの中での議論を通して自分で研究を進めていく必要があります。
最初は何もわかっている必要はありませんが、知的好奇心と自発的な文献探索を精力的にこなすバイタリティーが当然必要となってきます。
ゼミというのは、単なる授業の1コマを履修することとは全く違います。
「経済学系は興味ないし、プログラミングとか見るだけでも嫌、心理学ってよくわからないけど、なんだか一番ラクそうだし、なんとなくおもしろそう。」
という人もいるでしょうが、清成ゼミで扱う「心理学」は、実は、経済学とも密接な関係があり、実験用プログラムを作る場合にはVisual Basicを用います。
さらに、データ分析にはSASを使用します。
そのため、データ解析、ゲーム理論、実験経済学、VBプログラミング、統計学、英語論文、といったキーワードそのものにアレルギーがある場合には、苦行が待ち受けているかもしれません。
清成ゼミで行う研究は、社会情報学部でいうところの「人間リエゾン」、「社会リエゾン」および「情報リエゾン」の3つの領域が全て関係する融合領域に位置します。
「人間」と「社会」を核として、「情報」は研究のための道具として使用します。
そのため、全ての領域に対してそれなりに興味があり、かつ、自発的に学習する意欲があることが大前提となります。
今までは嫌いだったけど、これから頑張る!というガッツがあれば、もちろん歓迎します。
(でも全く興味がないのに頑張り続けるのは難しいので、ガッツのある人は自分の興味とマッチしたゼミを選択することをおすすめします)
要するに、最小のコストで単位を取得してラクして卒業したい、という考えを持っている場合には、清成ゼミに所属すると卒業できなくなる恐れがあります。
教員の研究には興味がない場合でも、自分なりに探求したいことがあり、清成ゼミで議論を戦わせて、自発的に研究を進める意欲のある学生は歓迎します。
ただし、自分がなんとなく面白いと思っていることも、ゼミで議論すれば、
「それ、一体、どこが面白いの?」
(--->つまらないから、やる価値なしでは?という批判に対して、「いや、こんなに面白い!」とロジカルに反論しなくてはいけない)
「研究しなくても、そんなのわかりきっていることじゃないの?」
(--->「いやいや、こういうことはまだわかっていないので、やる価値があるんだ!」と反論しなくてはいけない)
「それがわかったからといって、何になるの?」
(--->一体全体、誰得なの?という批判に対して、「これこれこういう展望が見込めます」と反論しなくてはいけない)
「そんなの当たり前でしょ?」
(--->自分のおばあちゃんに聞いてもそう答えるんじゃないの?という批判に対して、「いやいやこれは全く当たり前のことではなく、こんなに不思議なことなんだ!」と抗弁しなくてはいけない)
というような展開になることがほとんどです。
ただし、そうなったからといって落ち込む必要は全くありません。
そもそも、面白い研究や意義のある研究テーマは、そう簡単に学部生が思いつくものではありませんので、これは決して厳しいコメントではありません。
それでも、今まで人とまともに議論をする経験がなかったり、人から自分の意見を否定されたことがないピュアでナイーブな若者にとっては、はじめての辛い経験になります。
そこで落ち込んで思考停止するか、そんな苦難にめげずに、自分の面白いと思うことをなんとか形にしようと頑張り続けることができるかどうかによって、その後の成長が大きく異なります。
もちろん、何でもかんでも教員のコメントに対して反論すればいいということではありません。自分なりの意見をしっかり持つことはとても重要ですが、
自分の考えに固執し続けることなく、他者のアドバイスを素直に聞き入れる柔軟性を併せ持つことも重要です。
つまり、人に言われるまま主体性がないのもダメですが、自分の狭い視野に囚われて頑固すぎるのもダメです。バランス感覚が重要になります。
とはいえ、人には向き不向きがあります。卒業するまでに自分で自分の長所短所を理解し、長所をのばし、短所を克服するための場としてゼミや教員を活用してください。
最初は人前で何も言えないシャイな学生でも、なんとか毎回のゼミ中に自分の意見を述べようと頑張ることができる人は、場数を踏めばいずれ意見を言えるようになります。
学生側にやる気さえあれば、自分でどんどん成長できるような場として清成ゼミを運用できるよう、教員側も頑張りたいと思っています。
また、社会情報学部は文理融合学部という特色を持っているため、普通の心理学系の学科のような専門的なトレーニングはほとんどできません。
そのため、ゼミ配属後も必要なスキル取得に関して、自学自習がとても重要になります。
ゼミの中で学ぶこと以外に、ゼミ生として必須なのは、下記の授業を履修し、単位を取得することです。
統計入門、データ分析、データ分析演習(2年生終了時までに履修していることが望ましい)
社会統計学、社会統計学演習、社会調査法
心理学演習、人間科学概論、人間科学研究法
社会心理学、組織心理学をはじめとするその他の心理学系の授業
実験プログラムにはVisual Basicを用いますので、プログラミング系の授業も必修です。プログラミング自体にアレルギーがあると辛いので克服してください。
私自身が指導できる範囲には当然限りがありますので、色々と厳しいことも書いていますが、
好奇心が強くて、やる気にあふれ、何らかの形できちんとした研究に携わってみたいと思う意欲のある学生は
上記の条件にあわなくても大歓迎なので、気軽に相談に来てください。(kiyonari[at]si.aoyama.ac.jp)
理想としては・・・
社会と人間の両方に興味があり、「なんでこんな理不尽なことが起こるのか!」「世の中、ここがこうなればもっと良くなるのに出来ないのは何故?」
「どうして人間はそんなことするの?」というような疑問を自分で見つけたり、社会問題について色々考えることが楽しくて、自分で積極的に研究に取り組むことのできる学生を募集しています。