輪ゴムを使った楽器制作
輪ゴムを使って1オクターブの音階がだせる楽器を作るという課題を行いました。
【この課題の主なポイント】
どのようなタイプの楽器にするか
調律をどのように行うか
各音高の周波数分析をする
演奏動画を撮影する
演奏動画(2024年)
演奏動画(2023年)
演奏動画(2022年)
演奏動画(2021年)
補足説明
どのようなタイプの楽器にするか
制作のしやすさや演奏のしやすさといった観点から,どのようなタイプの楽器を制作するかを決定していくことになります。ギターのように弦の長さを指などで変えながら演奏する楽器や,ハープのようにあらかじめ所望の音高となるよう弦の張り方を調整してある楽器など,様々な楽器が制作の参考になります。また,音を大きく響かせるためにはどのような構造が必要となるかなども考えていく必要があります。
調律をどのように行うか
調律のためのスマートフォンアプリを利用する方法や,自分の耳を頼りに行う方法などがあります。確実さや手軽さなどのバランスを考えて行っていきます。
各音高の周波数分析をする
ICレコーダで録音し,PCを使って周波数分析を行います。録音機器の設定や使用方法を習得することや,基本的な周波数分析の方法であるフーリエ変換について学びます。
演奏動画を撮影する
どのような曲が演奏できるのかを考え,演奏の動画を撮影します。動画撮影時のノイズ対策や動画加工など,動画を作る上での手順について学びます。
課題の意図
弦の振動は,固定端の1次元波動方程式として考えることができます。この波動方程式から,弦の張力,弦の長さ,弦のどこを弾くかといった条件の下で,振動の周波数や固有モードがどのようになるか解析的に求めることができます。
一方で,輪ゴムで楽器を制作すると,輪ゴムを張るときに均一に伸ばすことが難しい,輪ゴムの縮む力が強いので固定が難しいといった想定外のことが起きます。こういった体験を通じて,理論と実際との違いについて知ることができると良いと考えます。
また,制作した楽器を評価するために必要な機器の使い方やソフトウエアの使い方などを,教科書にはないデータで学ぶことも重要な経験につながると考えています。