補習授業校とは、現地校・国際学校などに通学している日本人の子供達に、土曜日や放課後を利用して日本語の保持や能力強化を中心に、日本の教科の一部(国語、算数・数学、総合授業等)を指導する定時制の教育施設です。
当地の在留邦人の方々が、ネパール在住の日本人子女に対する日本語教育の必要性を痛感し、1979年に準備作業を開始した後、まず運営母体となる日本人会を設立することを決定。その後、在ネパール日本国大使館はじめ関係諸機関との話し合いを経て、翌1980年に、まさに手作りの補習授業校が開校しました。
設立当初は他の施設を土曜日だけ間借りしての運営で、機材や教材を充実もままならず、保護者や支援者のボランティアと寄付によって賄われていました。
その後も数々の苦難に遭遇しつつも、日本国政府(外務省、文部科学省)や海外子女教育財団、日本人会等からの支援を得て、小規模ながらも独立した立派な学校施設を確保し、運営を維持しつつ、現在に至っています。
【カトマンズ補習授業校来歴】
1977年度:
8月 ネパールに在留する日本人子女を対象に、大使館主催でニューデリー日本人学校の教諭を講師として迎え、第1回夏季特別教室を開催。
1978年度:
8月 前年同様に第2回夏季特別教室開催。
9月 学校設立準備委員会発足。
1979年度:
1月 「土曜学習会」の名称で、講師宅で授業開始。
4月 大使館に授業の場を移し、午前9時から12時までの3時間授業を行う。
10月 ネパール日本人会設立。その理事会の中に、「子弟教育部会」が発足し補習授業校設立のための具体的検討を始める。
1980年度:
5月 学校名を「カトマンズ補習授業校」と変更。本校設立。
1981年度:
4月 「第1回入学式、始業式」を行う。
教科書の無償配布及び国庫補助金が認定される。
8月 校舎を大使館より天理教文化センターに移す。
1982年度:
9月 午後の授業を開始。
1983年度:
8月 ナガルコットでの林間学校、夏期集中授業開催。
12月 冬期集中授業開催。
1986年度:
5月 校舎をラジンパットの一戸建てに移転。
1988年度:
5月 校舎をサネパに移転。
11月 校舎をマハラジガンジに移転。
1990年度:
4月 補習授業校設立10周年。
1991年度:
日本人学校設立準備委員会を設置し準備を進めたが、諸々の事情から設立中止。
1992年度:
8月 タイ航空機事故で亡くなった補習校生とご家族の追悼会を行う。
1994年度:
3月 校舎をカマルポカリに移転。
1995年度:
3月 校舎をサネパに移転。
1999年度:
5月 校舎をジャワラケルに移転。
2000年度:
4月 補習授業校設立20周年。
文部省の海外子女教育研究校に2年間指定される。
2002年度:
8月 毎月第1、3週5時間目に総合授業開始。
2005年度:
4月 補習授業校設立25周年記念校歌CD製作。
10月 校舎を現校地のコプンドールに移転。
2009年度:
3月 政府補助金減額通達、授業コマ数を削減(5→4時限)
2010年度:
4月 講師謝金補助大幅減(100万円規模)、運営体制変更
・教頭職、事務職を廃止
・講師謝金大幅減額
2011年度:
4月 小学部教科書改訂(ゆとり教育の見直し)
・後期より授業コマ数を増設(4→5時限)
海外子女教育財団理事、文科省担当者来訪
2012年度:
1月 幼稚部の開設準備(トライアル授業)開始
3月 運営委員会および日本人会総会にて幼稚部開設を決議
4月 カトマンズ補習授業校幼稚部を正規開設(補助対象外)
中学部教科書改訂(ゆとり教育の見直し)
財務体制強化策を実施
・授業料ほか保護者負担金の増額
・ディポジット制度の導入
・準備金会計制度の導入(取得資産の繰り延べ処理)
6月 ニューデリー日本人学校による巡回指導実施
2013年度:
11月 鳩山由紀夫元首相のご寄付により「鳩山文庫」を設置
2015年度:
4月 開校時ネパール地震発生
・安全マニュアルに基づき校舎外へ避難、全ての児童生徒の保護者引き渡し完了
安全マニュアル改訂
・連絡網による迅速な情報伝達徹底、NTCによる伝言ダイヤルサービス・ グーグルブログを活用した一斉メールの使用開始
海外子女教育財団よりの安全対策(緊急特別)援助
・校舎敷地を囲むフェンスのかさ上げ工事完了
10月 新憲法発布後の燃料不足問題による対応(休校1回、キャンプ中止)
総務省主導・学習教育クラウド(ネット利用)の試験運用(小4)
ディポジット制度廃止
2016年度:
5月 3階ベランダ(屋上)部分増築工事完了および校舎内引越し
安全対策強化
・校舎建物常駐管理人の他、警備員(開校時のみ)との新契約
・教員(代行含む)からの身分証明書提出義務化
2017年度:
保護者会廃止
安全対策強化
・パニックルーム設置、駐車場通用門扉を鉄製扉に交換、表門扉のかさ上げ、外周壁上部に有刺鉄線設置、飛散防止フィルム貼付(校舎の全窓)
・補習校関係者用写真IDカード・来校者用ビジターカード発行
2019年度:
専門会社との警備員契約(開校時)
3月 新型コロナウィルス流行による卒業式・謝恩会の繰り上げ実施
2020年度:
新型コロナウィルス流行による長期休校(1年間)
一度も対面で集まることなく「ほほえみ」文集企画・発行
3月 初のオンライン卒業式・修了式開催
2021年度:
コロナ禍による授業運営の検討
・4 月、昨年度一年間の休校を経対面授業再開
入学式は該当者のみ校庭で簡易実施(来賓参加なし)、始業式は各教室で実施
・5月、再度のロックダウンによりオンラインWG発足、初オンライン授業開始
その後10月~対面再開→1月半ば~オンライン→2月半ば~対面再開を繰り返す
・対面時も朝の会・帰りの会は休止
・3月、2年ぶりに朝の会・帰りの会復活、ただし卒業式・修了式はオンライン開催(卒業生が日本帰国中だったことによる)
・コロナ禍により対面行事中止(運動会及び餅つき)
・コロナ禍による児童生徒数激減による財政難により、補習校存続検討
・保護者および日本人会からなる存 続 WG発足。校舎移転を検討するも、保護者総会の結果、現校舎に残ることを決定
・2015年度に廃止した「デポジット制」の復活承認
・有志による寄付金募集活動実施(ネパールガネーシャ協力)
2022年度:
・4月、3年ぶりに対面での入学式・始業式開催(ただしコロナ禍対策のため校庭にて距離を保ち実施)
・5月、幼稚部再開、運動会を実施(ポリスアカデミー)
・6月、避難訓練を校内で実施
・8月、ナグドンガトンネル工事の社会見学を実施
コロナ禍財政特別対策委員会 からの説明会をZOOMにて実施
・11月、有志によるキャンプを補習校にて実施
・1月、もちつき、書き初め大会を実施
・3月、3年ぶりに日本大使館にて卒業式・修了式を実施、その後、場所を移して簡単な謝恩会を実施した
2023年度:
・有償スタッフについての話し合いを半年に渡り行い、保護者説明会を開くにまで至ったが、結局雇わないことで決定
・新学習評価表改訂
2024年度:
コロナ予防の決まりの廃止(2023年5月8日付で5類感染症に移行することをもとに廃止と決めた)
・幼稚部 国際生の受け入れの条件について、再度確認をした
・今後、補助金等の理由により、授業料が上がる可能性があることを共有し、
国際生及び幼稚部月謝の改定について 予算に反映 保護者総会で承認、2025年度4月から値上げとする
・ 卒業生ボランティア申請ルールを決定した
・保護者への入場カード(写真付きID)を再導入した
・銀行新サービス導入運用 (QRコード コーポレイトペイ)
・学習評価表の改訂 小学部の評価を3段階から5段階に変更した