フジツボ類の性表現の謎を解く
フジツボ類(特にエボシガイ類、柄部のあるフジツボ)には、3つの性表現があることが知られています。1つ目は、雌雄同体だけの種、2つ目は雌雄同体に小さな雄が付く種、3つ目は雌に小さな雄が付く種です。フジツボ類は基本的には、雌雄同体といって、精子生産と卵生産を同時に行う動物なのですが、深海にいくほど、雌が出やすい傾向があります。また、小さな雄は、矮雄(わいゆう)といって、雌または雌雄同体の特定のポケットにすっぽり埋まって一生を過ごします。なぜそんなにも小さな雄が進化してきたのか?その疑問を解くために、数理生物学と実証研究の両面からアプローチを行っています。