マルク・シャガールが、ロシア帝国(現ベラルーシ)出身の画家であることをご存知ですか?
上の絵「街の上の恋人たち」(1917)は、シャガールと恋人ベッラの魂の飛翔を描いたものです。ロシアでは、「重力からの解放」は、恋人たちだけのものではありません。ストラヴィンスキーのバレエ『火の鳥』からツィオルコフスキーの宇宙工学まで、あらゆる分野に、「より高くより遠く」というユートピア志向が見られるのです。
ロシアも東欧も、歴史を通じて、様々な意味で「重力からの解放」を試み、現在まで多くの困難を抱えつつ、進むべき道を模索してきました。それは時に社会や民族のひずみを生み、取り返しのつかない事態に繋がる場合もありました。しかしだからこそ、ロシア・東欧研究は、21世紀の日本にいる私たちにとっても非常に重要で、ここから学び取れるものは無限にあります。
ロシア・東欧のカバーする領域は広大で、民族も国家も宗教も文化も多様性そのものです。本サイトの「卒業論文」のページを見てみてください。本コースで取り上げることのできるテーマは無限にあり、言語・文学・思想から政治・経済・歴史にいたるまで、あらゆる研究テーマを選ぶことができます。多様な地域と分野が、そのパイオニアの出現を待っています。
ロシア東欧研究コースはこじんまりした分科で、学生個々人の関心にあわせて、きめ細かく密度の高い教育体制を取ることができます。われわれスタッフは、世界の多様性に目を見開こうとする意欲溢れる学生諸君の進学を心待ちにしています。
ロシア東欧研究コース・スタッフ一同