大場啓生さん(2023年度進学)
もともとロシア語やポーランド語などのスラヴ系言語を趣味で齧っていたこと、高校生のときサマースクールでポーランドを訪れた経験、ロシアの文化芸術への憧れなどからこのコースに進学しました。とはいえ、最初からこの地域に強いこだわりを持って進学してくる人ばかりではありません。所属が決まってからロシア語を始めた人もいます。
このコースは分野の縛りがなく、これまでの卒論や(院生を含む)現在籍生の専門を見ても、内容は人文・社会科学を中心に多岐に渡り、地域面でも中東欧やカフカースから中央アジア・極東に至るまで様々です。専任の先生方のご専門を見てもこの分野的・地域的多様性は明らかでしょう。またコース専任以外にも、協力教員などの形で、この地域の文学・思想・文化人類学などをご専門とされる先生方が多く駒場にいらっしゃるので、授業履修や個人的な相談などで関わりを持ちやすいのも魅力です。
授業の雰囲気については、少人数のものが多いためかなり濃密な指導を受けられます。とりわけ語学の授業はネイティヴの先生方と徹底的にコミュニケーション(会話のみならず、作文の添削なども)もできますし、教材も各学生の希望に合わせたものを選んでくださるので、必要単位数が多いこともあってかなり鍛えられると思います。
また8号館にあるコース室では、分野も言語も様々な書籍に囲まれながら、コース所属の学部生・院生が集っています。人数が少ない分会話も生まれやすく人間関係も良好で、お茶を片手に雑談をしたり作業をしたり、カジュアルに研究の相談をしたりしています。教務補佐の方も週2日いらっしゃって相談に乗ってくださいます。
総じて、扱える守備範囲の広さと受けられるサポートの手厚さ、ゆったりとした雰囲気とが魅力のコースだと思います。駒場の(少なくともそれなりに)リベラルな空気の中で、ユーラシアのこの広範な地域のなにがしかを研究したいという人には、このコースで学ぶ2年間は意義あるものになるでしょう。
坂間遥さん(2020年度進学)
入学当初は何となく経済学部や法学部を志望していたもののロシア語や文学以上に魅力を感じられるものに出会えず、かといって文学部に進む踏ん切りも付かず…そんな私にとって、ロシア東欧関係のことなら何でもできる本コースは非常に魅力的でした。実際、進学して良かったと思っています。
ロシア語の講義は心ゆくまでとれ、確実に語学力は鍛えられます。また、ロシア東欧、旧ソ連地域に関する講義は幅広く、知的好奇心が刺激されます。
そして何よりの魅力は、少人数で、先生や大学院生との距離が非常に近いことです。学科室で先輩方の話を聞くだけでも刺激的ですし、先生方からはきめ細やかな指導を受けられます。怠惰な性分の私ですが、このような環境に奮起されながら、マイペースにやっております。
未だ自分の興味が定まらない方、ロシア東欧の研究をバリバリしたい方、どなたにもおすすめできるコースです。
教養学部は一つ一つの講義の内容が濃い為、大変なこともありますが、普通にこなしていれば大丈夫だと思います。空きコマには10号館で映画を見たり、学科室や図書館でぼーっとしたりして、楽しいキャンパスライフを送りましょう。
坂口あんずさん(2019年度進学)
第二外国語の授業が楽しくて、ロシアの文化についてさらに知りたいと思いこのコースに進学しました。ロシア文学に興味があったものの、2年夏の段階では具体的に何を勉強したいのかは全く定まっていませんでした。いまパンフレットを読んでいる皆さんのなかにも同じような方がいるかもしれません。
ロシア東欧コースでは、政治、社会、歴史、文学などなど幅広い分野の授業が開講されています。しかも対象地域が広範で興味がつきることはありません。大きく異なるテーマの授業を受けていて、先生方のお話に何かしらのつながりが見えたときのおもしろさは、この学科ならではのものではないでしょうか。少人数制なので授業にはかなり柔軟性がありますし、先生方や院生の方々との距離が近いため色々と相談したり興味深いお話を聞いたりできます。空き時間に8号館4階のこじんまりした学生室に行くと、いつも誰かが机に向かっていて、お菓子をつまみつつ勉強や雑談をしています。
また、現地で勉強したいという学生には留学の機会もあります。私は3年生の秋にモスクワのロシア国立人文大学に留学しました。日常的にロシア語の飛び交う環境で授業を受けながら生活した7ヶ月間は本当に貴重なものでした。
2年前は「卒業論文をロシア語で書く」という言葉に怖気づいていましたが、手厚いサポート体制の下みっちりロシア語の授業を受けている今(卒業までに必要な言語科目の単位は22以上!) 、なんとかなりそうだという気持ちが強くなっています。このコースは、やりたいことが明確に決まっている人、そうでない人、どちらにとっても恵まれている環境であること間違いなしです。