―先端光計測と情報科学を駆使した学際領域における物質科学の研究―
紫外~遠赤外(テラヘルツ)の幅広い周波数帯域における光の発生・制御技術の目覚ましい進展により、光技術を高度に駆使した新たな分光計測法やイメージング法が開発され、材料・エネルギー分野やライフサイエンス分野において、その重要性がさらに増しています。また、近年のデータ科学・情報科学の成果を光技術と融合させることで、これまで見えなった物理量や物質状態の変化を可視化できるという大きな可能性が期待されています。特に、可視化したい情報がノイズや他の情報に埋もれている場合、可視化したい情報がデータ取得中に時々刻々と変化する場合、可視化したい現象が滅多に生じない場合などです。このような現象は、自然界や私たちの日常には頻繁に現れ、決して珍しいことではありません。
私たちのグループは、光技術に情報科学的手法を積極的に取り入れ、これまで研究対象とすることが困難だった複雑でレアな現象に対する新しいアプローチを開発し、そのメカニズムの解明に取り組んでいます。特に、未開拓領域である中赤外光~テラヘルツ光の発生・制御や先端分光計測・イメージング法の開発に取り組み、さらに時空間的に高度に制御された高強度光を用いた非平衡状態・極限状態の生成など、物質科学の反応場を作ることにも取り組んでいます。材料・エネルギー・生命の学際領域において幅広く積極的に共同研究を行い、未だ解き明かされていない物理化学現象を理解するとともに、新しい学術領域を開拓することに挑戦しています。