Q:お葬式ってなに?
A:葬式の「葬」の字は、よく見ると草冠りの草の字に「死」の字がサンドイッチされています。昔は「野辺の送り」といって、草のしとねの上にそっとご遺体を横たえてその上からお花を飾ったのが葬式の始まりです。従って現代では棺の中のご遺体に花を投げ入れて飾ってあげる儀礼を葬式といいます。
Q:お葬式はいつから始まったの?
A:鎌倉時代からです。今から750年ほど前にはお葬式の習慣はなく、当時の鎌倉幕府がいくら「親の遺体を道ばたに捨ててはいけない」というお触れを出しても平気で捨てていました。それではあまりにも死者がかわいそうだというので、浄土宗の開祖の法然・浄土眞宗の親鸞・禅宗の道元・極楽寺の叡尊や忍性などが親孝行の実践として推奨したのがお葬式の始まりでした。
Q:お葬式はいくらかかるの?
A:一般的には数百万円かかるといわれています。そのうち寺に支払う金額は通夜・葬式・初七日の読経料と戒名で、最低30万円位から、戒名で院号を付けると100万円をこえる場合もあるようですから、貧乏人はうっかり死ぬこともできないご時世だといえます。
福祉寺の場合は「お葬式等のご案内」の項目を御覧下さい。
Q:お葬式の目的は?
A:ご本人のご成仏と、ご遺族のご多幸を祈る。ということだと思います。禅宗の道元は「香典システム」を考えてご遺族を慰め、ご多幸を祈る習慣を定着させました。鎌倉時代のお葬式は香典の範囲内で済まされ、なおかつご遺族が路頭に迷わぬよう多額の金額が手元に残ったといわれています。たとえば道元は村のしきたりとして十箇条を作りました。この十のうち絶対に村中の人に守らせた付き合いが「葬式」と「火事」でした。すなわちお葬式と火事のときには村中の人が全員でお金や品物を持ち寄ったのですから、お葬式の真の目的が人助けだったことがよくわかります。
Q:お坊さん抜きのお葬式は?
A:最近は「ジミ葬」といって身内だけでお坊さん抜きのお葬式をしたり、「散骨」といってお骨をばらまいたりしていますが、私は霊魂の成仏と生まれ変わりのために、どうしても僧侶の引導と枕経とお通夜が必要だと思っています。
Q:引導ってなに?
A:人間は死んでからこの世とあの世の真ん中を流れている「三途の川」というのを渡ります。三途の川の三途とは「三つの川の渡り方」という意味で、人間の生前の行いによって渡り方が違うのですが、引導とは生前の行いに関係なく「死んだ人の手を引いて導く」といって向こう岸まで案内をしてあげることです。
Q:枕経ってなに?
A:三途の川を渡りきって着いた向こう岸は「中有(ちゅうう)」と呼ばれるゼロエリアです。このゼロの世界で霊魂は来世に通じる六本の道路の内のいずれか一本を自分で選んで、35日から49日の間にその道を通って来世に生まれ変わります。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅の四大地獄に通じる道路と、人間・極楽への合計六本の道路です。この道路には通行人を厳しくチェックする神様が各道路にお一人ずついます。いわゆる「六地蔵」と呼ばれる六人のお地蔵様です。このお地蔵様に通行を許可してくれるようお願いをするお経が「枕経」なのです。
Q:お通夜ってなに?
A:一晩中寝ないでご遺体をお守りするのを通夜といいます。お葬式がご遺族を慰めたり、故人にお礼やサヨナラを伝える意味が主なのに対して、お通夜や初七日は故人の成仏や生まれ変わりのために必要なたくさんの宗教的儀礼を消化しなければならない大切な習慣です。
Q:初七日ってなに?
A:人間は生前の行いに対して「地獄の十王」と呼ばれる十人の王様の前で次々に裁判に掛けられると『十王経』に書いてあります。特に初七日は除災得幸(じょさいとっこう)と言って、ご遺族の災いを取り除き、幸福を与えるために祈る七七日に次いで大切な宗教儀式です。
Q:七七日ってなに?
A:霊魂が死後35日から49日の間に次の世に通じる六本の道路の内の一本を選ぶ最も大切な宗教的儀式の日です。死者は七色に輝く一番まぶしい光の出ている道路が極楽に通じることを忘れてはいけません。
Q:福祉寺はなにをしてくれるの?
A:福祉寺は会員制度の寺で、入会金1万円・年会費千円(5年分前納)、合計1万5千円(インターネット特典)で戒名を授与します(院号付き戒名は別料金です)。お葬式も「お葬式等のご案内」の項目のとおりご奉仕させていただきます。ご遺骨も「納骨ご希望の方へ」の項目のとおりお預かりしています。くわしくは関連するメニュー項目をご覧下さい。